投資家も企業も過去の値段を覚えている
株価は株主から企業への通信簿です。過去の高値は、株主が企業へ与えた高評価の証です。高い評価をもらった企業は、この値段を覚えていますし、評価を与えた株主も多くがこの値段を覚えています。
こうした心理が重なって、過去に高値をつけたゾーンは、ほかの価格帯と比べて大きな意味とパワーを持つとみられます。
ほかの価格帯と同じように判断し、売買してしまうと思わぬ落とし穴に入ってしまう可能性が大きくなります。
抵抗線にも支持線にもなる
現在の株価が「過去の高値」より下であれば、その価格帯は上値抵抗線になります。逆に現在の株価が「過去の高値」より上なら、その価格帯は下値支持線になります。
また、この上値抵抗線・下値支持線の間でもみ合っているような場合は、上値抵抗線に近づいたら「売り」、下値指示線に近づいたら「買い」と考えると勝率が上がります。
一方、過去の安値は株主から企業への「ダメ出し」です。よほど深刻な危機にならない限り、この安値が「下値支持線」になりますから、ここに近づいたら「買い」のケースが多いです。最近では、東日本大震災の直後につけた安値が、「下値支持線」になっている銘柄が多いです。
しかし、この価格帯を下回ることがあれば、危険信号です。保有している株は売却し、即座に撤退が肝要です。
例)トヨタ自動車 株価チャート(日足)
SBI証券投資調査部にて作成。当社ホームページ「チャート」より抜粋。
日足チャートでなく、週足チャートを眺める
過去の高値・安値のほかに、新株発行などの資金調達をした際の公募価格や、新株予約権付き社債の転換価格なども見えない支持腺・抵抗線になります。
過去3年間程度を目安に探して見ましょう。
また、こうした高値・安値、公募価格や転換価格などは日足チャートではなく、より長期を見渡せる週足チャートで確認するのがよいでしょう。
目先の動きに惑わされず、視野を広げて、大きくとらえるのがコツです。
例)シャープ 株価チャート(週足)
公募増資払込日:2013/10/15
公募価格:279円
SBI証券投資調査部にて作成。当社ホームページ「チャート」より抜粋。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。