株式市場の主役は外国人投資家
投資部門別売買状況(2012/1/4〜12/28)
日本の株式市場の主役はだれでしょうか?
残念なことに、日本の個人投資家でも機関投資家でもありません。
日本の株式市場の主役は、外国人投資家なのです。
例えば、2012年度の投資部門別売買状況で見ると、実に全体の7割近くを外国人投資家が占めています。
ちなみに、個人投資家は全体の約2割と、外国人投資家に次ぐ数字ですが、それでも3倍の大差をつけられています。
実は多種多様な外国人投資家たち
一口に外国人投資家と言っても、年金資金、投資信託、ヘッジファンドなどに大別できます。
当然、投資スタイルも、それぞれ大きく異なります。例えば、年金資金は中長期運用が基本ですから、大きく目立つような売買はあまり行いません。逆にヘッジファンドは、短期的の急激にポジションを変更するため、短期的に大規模に売買を行うことはもちろん、空売りを仕掛けたり、先物・オプションなどのデリバティブ商品と組み合わせた複雑な売買も行います。
外国人投資家といっても、それぞれ異なる点が多くあるわけですが、彼らに共通する視点が「ドル建てで考える」ということです。
円建てではなく、ドル建てで考える
私たち日本人投資家は、当然、円建てで損益を考えますが、外国人投資家はドル基準で儲けと損を考えるのです。
例えば、株価が全く変わらず、横ばいの場合、日本人投資家は、損益はゼロ(手数料など考慮せず)ですが、外国人投資家の場合、その投資期間に円安になれば損失、円高になれば利益になります。
普段眺める株価チャートも違うのです。私たちが見ているのは、「円建ての株価チャート」ですが、外国人投資家が見ているのは「ドル建ての株価チャート」です。
ドル建てのチャートには、ドル円の為替レートの変動も加味されますから、円建てのチャートとは形状が異なります。
基本的には、輸出関連企業の多い日本株式の場合、円安=株高、円高=株安のケースが多いので、日本人には急上昇に見える株価チャートも、外国人投資家にとっては、それより緩やかに上昇している株価チャートにしか見えないかもしれないのです。
こちらが、直近10年間の円建て・ドル建ての日経平均株価の週足株価チャートです。
かなり、値動きが違って見えますね。