「継続企業の前提に関する重要な疑義」
2012年の秋に、ある大手電機企業の決算短信へ「継続企業の前提に関する重要な疑義」という言葉が記載されました。
これは、債務超過などにより企業の存続に疑問が生じた場合に、経営者が決算書などに注記することを義務付けられている表現です。
同様に会計監査法人によって判断された場合も、有価証券報告書に記載することが義務付けられています。
この言葉が見られたら、その会社は「危ない」状況にあると思います。
当社のWEBサイトでは、ログイン後の個別銘柄のページの四季報の企業概要のページに記載があります。
※銘柄名、企業概要を伏せて表示
上場廃止になってしまう「債務超過」
継続企業の前提に関する疑義が生じる背景には、さらにいくつかの「危ない」キーワードが存在します。
その筆頭が「債務超過」です。会社の資産を負債が上回った状態のことで、その会社の資産価値がマイナスになったということを意味します。
債務超過になると上場廃止になるため、株式投資においては致命的なダメージとなります。
2つのポストに入ったら株価急落の可能性大
「監理ポスト」はこのままでは上場廃止になりますよ、という注意信号といえます。
いくら問題のある会社でも、ある日突然に上場が即座に廃止されるわけではありません。
売上高や株主数など、上場の基準として定められた条件がクリアできていない会社には「このままでは上場廃止ですよ」という警告とともに、改善を促すように働くのが、監理ポストです。
こうした警告にも関わらず改善出来なかった会社の株は、「整理ポスト」に入れられ、1ヵ月後に上場廃止となります。
監理ポスト、整理ポストに入れられた銘柄はほぼ間違いなくストップ安になるまで下落します。
そして投機マネーによるゲームで乱高下しながら、ゼロに向かって行きます。
表1:債務超過による上場廃止適用基準
市場 |
基準 |
---|---|
東証1部・2部 |
債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき(原則として連結貸借対照表による) |
JASDAQ |
債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき(原則として連結貸借対照表による) |
マザーズ |
債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき(原則として連結貸借対照表による)(上場後3年間に終了する事業年度において債務超過となった場合を除く) |
東京証券取引所HPより。2013/11/5現在の基準を記載。
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