会社の効率性を判断する2つの指標
第8回PER、第9回PBRで割高・割安の判断に使える指標としてPERとPBRを説明しましたが、もちろんこれだけで儲かる銘柄が見つかるわけではありません。割高・割安という視点だけでなく、さらに大きな視点から多角的に銘柄を見つめることも大切です。
ここでは、効率性という視点から2つの指標を取り上げます。
1株あたりの利益を1株あたりの株主資本で割った数値を100倍したものが「ROE」(アール・オー・イーと読みます)です。日本語では「株主資本利益率」といいますが、文字通り株主が提供した資金に対して、どれだけの利益を上げたかという指標です。資本の効率性を判断する指標となります。
借入などで数値が上昇することがある
一般的にROEが10%以上の企業は、資本効率が高い企業と言えます。
ただし、借入などで株主資本の割合が下がった状況で利益を出すとROEが急上昇することがあります。こうした上昇は必ずしも望ましいものではありませんので、ROEは自己資本比率と一緒にチェックするのがオススメです。
2つ組み合わせて用いると効果的
当期純利益を株主資本ではなく総資産で割った数値を100倍したものが、「ROA」(アール・オー・エーと読みます)です。
「総資産利益率」といい、会社のすべての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかという指標です。どれだけ効率的に会社経営ができているか、という判断ができます。
日本の企業はROAの低い銘柄が多いため、5%を超えるようなら優秀とされています。
アメリカでは、ROEと合わせて企業の収益性を判断する指標として多く用いられています。
自己資本比率が低いというマイナス評価がプラスの結果を引き寄せてしまうことがあるROEの欠点を補う目的からも、この2つは一緒に用いられることが多いようです。
ROE・ROA参照方法(当社WEBサイト)
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