「風」がどんな影響を与えるかを読む
「風が吹けば、桶屋が儲かる」ということわざがありますが、株式市場は、まさに、このことわざを体現している世界です。
「何か」が動くと、それがドミノ倒しのように次々と世の中のありとあらゆるモノに連動して、企業の株価や日本経済を動かします。
ですから、ドミノ倒しのスタート時点をつかんでおくことが何よりも重要なのです。
つまり、「風が吹いて桶屋が儲かる」のなら、その風がどのような影響を与えるのか、半歩先読みすることが出来れば、それが相場の勝ちへの近道になるのです。
儲かる桶屋と儲からない桶屋
「風が吹けば、桶屋が儲かる」と書きましたが、藤本には、儲かる桶屋と儲からない桶屋があると思います。桶屋は、桶を在庫として保有して販売する商売です。何か「風」が吹くことにより、桶の需要が高まったとしても、販売できるのは在庫限りです。しかも、桶の需要はある程度決まっているので、何か「風」が吹いて需要が高まったとしても、その後は反動で減少するでしょう。と言うことは、どんな「風」がいつ吹いたかを知らない桶屋は、桶が売れたことで需要の増加を知り、直ぐに在庫切れとなり、桶の仕入れを行います。そうすると、反動で需要が減少すると不良在庫の山を築くことになります。コレが儲からない桶屋です。儲かる桶屋とは、いつ・どんな「風」が吹いたかを知っているので、先回りして在庫を積み増し、桶を高値で売りきった後は、少しお休みをします。コレが儲かる桶屋です。
株式投資で考えると、自分の保有株が何かの「風」で上昇することがあったときに、妙に強気になって売りそびれたり、逆に早めに売って高値を逃すことがあります。「風」の発生時点をつかむことが出来れば、売却のタイミングを図ることが出来ます。
毎日接している情報から「風」を感じよう!
「風」を感じるのに、何か特別なことをする必要はありません。日々接している情報を、そのような視点(株式投資の視点)で見つめるだけです。
テレビや新聞、雑誌、そして同僚や友人との会話の中に「風」を見つけるのです。
難しく考える必要はありません。目にしたり耳にした情報を、出来る限り株式投資に結びつけて考えてみるのです。
「幼児教育無償化」から連想することは?
例えば、若いお母さんを悩ませる待機児童の問題。これと安倍首相が成長戦略で触れた育児休暇延長、さらには「幼児教育無償化」。
こうした話題は、普段の会話やテレビ・新聞のニュースで目にするはずです。ここから、株式投資に関することを連想してみるのです。
具体的には、「保育園や学童クラブを運営している会社は儲かるぞ」、「保育園の経営が注目されれば、これに関連した経営コンサルタントも大忙しだ」、「介護関連などから保育サービスに参入しているところがあるのでは?」。こうしたことによって連想されるのが下記の3銘柄です。
これは、あくまで例ですが、こうして日々接する情報を株式投資に結びつけて考える癖をつければ、儲かる銘柄探しも簡単になりそうです。
(例) "幼児教育無償化"から連想される銘柄
2749 JPホールディングス
企業概要:保育園運営の最大手。
株価:507円
予想PER:44.0倍
実績PBR:9.44倍
時価総額:427億円
2152 幼児活動研究会
企業概要:全国の幼稚園・保育園で体育指導。創業以来41期連続の増収。
株価:3.600円
予想PER:15.9倍
実績PBR:1.38倍
時価総額:49億円
9792 ニチイ学館
企業概要:医療事務最大手、介護事業でも最大手。
株価:998円
予想PER:16.1倍
実績PBR:1.19倍
時価総額:721億円
- 株価、予想連結PER、実績PBR、時価総額は、2013/9/24終値基準で算出。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。