皆さん、こんにちは。
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、トランプ政権発足後初めての議会証言を行いました。
イエレン議長は、「米経済は今後も緩やかに拡大する」と予想し、利上げを徐々に進めることが適切と指摘しました。その上で、対応に遅れると、急激な金利引き上げに迫られ、金融不安定化や景気後退を招く恐れがあり「待ち過ぎるのは賢明ではない」と強調。次回3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る可能性を示唆しました。
1月の米小売売上高は前月比0.4%増となり、1月の米消費者物価指数(CPI)も前月比0.6%増と大きく伸び、米景気拡大の力強さを示す結果となりました。米新規失業保険申請件数は、23万9,000件と前週比5,000件増加しましたが、市場予想よりも良い結果となりマーケットへの影響は限定的でした。
トランプ米大統領の最側近の一人であるフリン大統領補佐官が辞任しました。補佐官就任前に駐米ロシア大使と対ロシア制裁について話していたことが発覚し、民間人の外交交渉介入を禁じる法律に抵触する可能性があり、事実上の更迭となったようです。為替市場はこれを受けて安全通貨とされる円が買われる動きがありましたが、株式市場の影響は限定的でした。
トランプ大統領は小売り大手の経営トップと会談し、「2〜3週間の内に驚くような税制改正を発表する」と9日に表明した大型減税の実施を改めて強調しました。
総じて堅調な結果となった米主要企業の決算発表もほぼ終了し、市場関係者の関心はトランプ政権が打ち出す政策に集中しているようです。
米株式市場は連日の最高値更新となっており、トランプ政権の経済政策や月内に発表するとみられる税制改正などが焦点となってきていますが、一部の市場関係者の間では、株価水準は既に政策効果を織り込んでいるという見方もあるようなので、マーケットの動向には十分注意しながら対応していきましょう。
「うわさで買われて事実で売られる」という相場格言がありますが、ここからの展開に注目して見ていきましょう。
週間の概況
◆注目イベント
2月22日(水)(独国)2月独Ifo景況感指数
2月22日(水)(英国)10-12月期GDP・改定値
2月22日(水)(ユーロ圏)1月消費者物価指数(HICP)・確報値
2月22日(水)(米国)1月中古住宅販売件数
2月22日(水)(米国)FOMC議事録
2月23日(木)(独国)10-12月期GDP・確報値
2月23日(木)(仏国)2月企業景況感
2月23日(木)(米国)新規失業保険申請件数
2月23日(木)(米国)12月住宅価格指数
2月24日(金)(仏国)2月消費者信頼感指数
2月24日(金)(米国)1月新築住宅販売件数
2月24日(金)(米国)2月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値
2月27日(月)(ユーロ圏)2月経済信頼感
2月27日(月)(ユーロ圏)2月消費者信頼感・確報値
2月27日(月)(米国)1月耐久財受注
2月27日(月)(米国)1月中古住宅販売保留件数指数
2月28日(火)(日本)1月鉱工業生産・速報値
2月28日(火)(英国)2月GfK消費者信頼感
2月28日(火)(仏国)2月消費者物価指数
2月28日(火)(仏国)10-12月期GDP・確報値
2月28日(火)(ユーロ圏)2月消費者物価指数(HICP)・速報値
2月28日(火)(米国)10-12月期GDP・改定値
2月28日(火)(米国)10-12月期個人消費・改定値
2月28日(火)(米国)1月卸売在庫
2月28日(火)(米国)2月シカゴ購買部協会景気指数
2月28日(火)(米国)2月リッチモンド連銀製造業指数
2月28日(火)(米国)2月消費者信頼感指数
※今週から来週に発表される各国のGDPに注目ですが、特に28日の米国のGDP・改定値には注目が集まります。また、22日のFOMC議事録は3月の利上げを示唆する文言が入っているのかどうかに注目です。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。ステージ1からステージ2、そして、逆行してステージ1と押し目買いの流れが続いています。
◆今後を読み取る鍵
1→2→1の押し目買いの流れが続いています。短期移動平均線がやや下向きになってきていますので、短期移動平均線と帯の関係に注目です。
・中期移動平均線と長期移動平均線の帯に傾きが出てきて、帯が拡大してくるとトレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値19,571円 安値18,643円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。帯に傾きが出ており間隔も広がっており、トレンドに勢いが出ています。
◆今後を読み取る鍵
1→2→1の押し目買いから、連日最高値を更新しています。安定上昇が何処まで続くのかに注目です。
・中期移動平均線と長期移動平均線の帯が拡大してくると、更にトレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値20,717ドル 安値19,682ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
日々のトレーディングにおいて、買った価格や売った価格にこだわる投資家の方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。
上手く利益確定売りが出来たと思いマーケットを見ていると、更に上昇しもう一段高が見込めそうであっても、売った価格よりも高い価格では買いたくないとか、買った銘柄を上手く利益確定売りした後に、買った価格よりも更に安くなったから買いたくなったという経験は皆さんお持ちだと思います。
トレーディングに慣れてくると、その銘柄の価格に対して値頃感を持ってしまうというのは致し方がないことだと思います。
最初に接した価格や特徴のある価格が強く印象に残り、意思決定や判断をする際に大きく影響を受けることをアンカリング効果と言います。
過去の安値を意識し過ぎて、まだ下がると思い込み買いチャンスを逃すとか、過去の高値にこだわってまだ上がると見込んでいたものが下がって売り時を逃してしまうのも、このアンカリング効果の影響と言われています。
店舗や通販番組などマーケティングや営業の現場などでも、この効果がよく使われています。「通常価格が85,000円のものを、今回だけは特別に44,980円で販売します」と言われると、85,000円がアンカリング効果として影響して、これはお買い得だと人は判断しやすくなります。
投資経験の長短関係なく、新高値を追いかけて買うとか、新安値を売っていくことに抵抗を感じる投資家の方も多いのではないでしょうか。日々のトレーディングにおいては、アンカリング効果の影響に負けずに、チャートを見て買いが有利な銘柄は買い、売りが有利な銘柄は売っていきましょう。
では最後に、ご存知の方も多いとは思いますが、アンカリング効果では有名な問題を一つ。
「Aさん、Bさん、Cさんはあるレストランに食事に来ました。3人は合計で3,000円を支払いましたが、実際の料金は2,500円だったので、店長のDさんは従業員Eさんに500円(100円硬貨5枚)を渡して返金させようとしました。従業員Eさんは、1人に100円、3人分で300円を返金し、200円を従業員Eさんは自分の懐に入れました。そして、従業員Eさんは悩みます。お客は900円(×3人)を払い、自分が200円を取ったのだが、後100円は何処にいったのか?」
皆様はアンカリング効果の影響を受けていませんか?
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。