金・銀・プラチナ > 金・プラチナ取引とは(金・銀・プラチナの特徴) > 金・銀・プラチナについてもっと知ろう!「マーケットレポート・コラム」 > 金は米FRBの利下げ見通しが支援
金は米FRBの利下げ見通しが支援
2024/10/15
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米小売売上高や中東情勢を確認
10月7日の週のニューヨーク金市場は、米国債の利回り上昇が圧迫要因になったが、米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて押し目を買われた。中心限月となる12月限は9月20日以来の安値2,618.8ドルを付けたのち、小幅に上昇した。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測の後退を受けて米10年債利回りは4.12%と7月31日以来の高水準となった。9月の米(CPI)は前年比2.4%上昇と事前予想の2.3%上昇を上回った。ただ前月の2.5%上昇から伸びが鈍化し、約3年半ぶりの小幅な伸びとなった。また米生産者物価指数(PPI)は同1.8%上昇した。食品価格の上昇を背景に事前予想の1.6%上昇を上回ったが、前月の1.9%上昇から伸びが鈍化し、7カ月ぶりの小幅な伸びとなった。CMEのフェドウォッチで、米FRBの11月の25ベーシスポイント(bp)利下げの確率は86.1%(前週84.4%)となった。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、インフレ圧力の緩和が続く中、米FRBは一段の利下げを実施していくと予想されると述べた。米金融当局者の利下げ継続発言が目立った。
イスラエルはパレスチナ自治区ガザ北部に部隊を再び送り、レバノンでは激しい空爆と限定的な地上作戦を続行した。10日には親イラン武装組織ヒズボラの幹部を狙い、レバノンの首都ベイルート中心部を空爆した。ヒズボラのナンバー2、ナイム・カセム師は8日、テレビ演説で停戦に向けた試みを支持すると表明した。ただイスラエルはヒズボラに対する攻撃を継続するなか、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)まで攻撃した。ヒズボラが意図的に国連軍の近くで活動しているという。またイスラエルはイランに対する報復攻撃を協議したが、決定は見送られた。中東情勢の行方を引き続き確認したい。
中国国家発展改革委員会(発改委)は国慶節明けの8日に記者会見を開き、漸進的な経済政策パッケージの実施について説明した。ただ今年の経済成長目標を完全に達成できると確信しているとし、具体的な政策がなかったことから、会見後は失望感が広がった。また藍仏安財政相は12日の記者会見で、低迷する経済のテコ入れへ国債発行を大幅に拡大する方針を示した。具体的な規模は示されなかったが、10月末の全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議後、国債の増発や年度途中の予算修正などより踏み込んだ詳細が公表されるとみられている。
10月11日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比1.72トン増の877.98トンとなった。米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化で米連邦準備理事会(FRB)の11月利下げが見込まれたことを受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月8日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは27万8,180枚となり、前週の29万9,931枚から縮小した。今回は手じまい売りが2万1,160枚、新規売りが591枚出て2万1,751枚買い越し幅を縮小した。
プラチナはECBの利下げ見通しも支援要因に
ニューヨーク・プラチナ1月限は米国債の利回り上昇が圧迫要因になり、9月11日以来の安値953.0ドルを付けたのち、押し目を買われた。米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化で米連邦準備理事会(FRB)の11月の利下げ見通しが強まったことに加え、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げ見通しが支援要因になった。中国の景気刺激策に対する期待感も下支え要因だが、規模が不明であり、月末の全国人民代表大会(全人代)が待たれる。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、10日のロンドンで17.56トン(前週末18.14トン)、11日のニューヨークで32.31トン(同31.88トン)、10日の南アで11.23トン(同11.11トン)となった。一方、10月8日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万3,657枚となり、前週の2万8,132枚から縮小した。
ニューヨーク金は米CPIの伸び鈍化で押し目買い
ニューヨーク金12月限は、米国債の利回り上昇が圧迫要因になり、9月20日以来の安値2,618.8ドルを付けたのち、米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて押し目を買われた。米連邦準備理事会(FRB)の11月の25ベーシスポイント(bp)利下げが見込まれている。今週は9月の米小売売上高の発表がある。一方、イスラエルはイラン攻撃を見送ったが、親イラン武装組織ヒズボラやハマスへの攻撃を続けている。中東情勢の行方も焦点である。史上最高値2,708.7ドルが抵抗線である。
10月14日からの週の注目ポイント
14日 | スポーツの日 | |
15日 | 英雇用統計(9月) | ☆☆ |
ユーロ圏鉱工業生産(8月) | ☆☆ | |
独ZEW景況感指数(10月) | ☆☆ | |
米ニューヨーク連銀製造業景況指数(10月) | ☆☆ | |
16日 | 機械受注(8月) | ☆☆ |
英消費者物価指数(9月) | ☆☆☆ | |
米輸出入物価指数(9月) | ☆☆ | |
17日 | 貿易収支(9月速報) | ☆☆ |
ユーロ圏消費者物価指数(9月確報) | ☆☆☆ | |
ユーロ圏貿易収支(8月) | ☆☆ | |
欧州中央銀行(ECB)理事会 | ☆☆☆ | |
米小売売上高(9月) | ☆☆☆ | |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(10月) | ☆☆ | |
米鉱工業生産・設備稼働率(9月) | ☆☆ | |
米企業在庫(8月) | ☆☆ | |
対米証券投資(8月) | ☆☆ | |
18日 | 消費者物価指数(9月) | ☆☆☆ |
中国住宅価格指数(9月) | ☆☆ | |
中国国内総生産(7-9月期) | ☆☆☆ | |
中国小売売上高(9月) | ☆☆ | |
中国鉱工業生産(9月) | ☆☆ | |
英小売売上高(9月) | ☆☆ | |
ユーロ圏国際収支(8月) | ☆☆ | |
米住宅着工・許可件数(9月) | ☆☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
金・銀・プラチナについてもっと知ろう!
当コラムに関してご留意頂きたい事項
- 当コラムは投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の(株)ミンカブ・ジ・インフォノイドの見解です。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
ご注意事項
- 買付時の手数料は、売買代金の1.65%(税込)、売却時の手数料は無料です。
- 本取引は金・銀・プラチナの価格変動により、投資元本を割り込むことがあります。
- 本取引は、政治・経済情勢の変化および各国政府の貴金属地金取引への規制等による影響を受けるリスクがあります。
また、かかるリスクが顕在化した場合、当社の提供するサービスの全部、または一部が変更、停止されるリスクがあります。 - 本取引は為替相場の変動により損失を被ることがあります。
- 本取引は、システム機器、通信機器等の故障等、不測の事態による取引の制限が生じるリスクがあります。
- 本取引は売値(Bid:お客さまが売ることの出来る値段)と買値(Ask:お客さまの買うことのできる値段)の差(スプレッド)があります。
- スプレッドは固定されるものではなく、需給バランスや、政治・経済情勢の変化にともない、当社の任意で変更いたします。