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金は中東情勢の行方を確認
2024/10/7
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
米CPIでインフレに対する見方が焦点
9月30日の週のニューヨーク金市場は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測の後退を受けて上げ一服となったが、中東情勢に対する懸念などを受けて押し目を買われた。12月限は2,646.2ドルで押し目を買われた。パウエル米FRB議長は経済が概ね予想通りに発展すれば、政策は時間の経過とともにより中立的な姿勢へと移行するとの見解を示した。利下げを急がない姿勢が示され、大幅利下げ観測が後退した。9月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比25万4,000人増で事前予想の14万人増を大幅に上回った。失業率は4.1%で前月の4.2%から低下した。CMEのフェドウォッチで11月の50ベーシスポイント(bp)利下げの可能性なくなり、25bp利下げの確率が97.4%(前週46.7%)となった。今週は9月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。
イランはイスラエルのイスラム教シーア派組織ヒズボラ空爆に対する報復攻撃でイスラエルに向けて約200発のミサイルを発射した。イスラエルは、イランの攻撃が「重大な結果をもたらす」として、報復を示唆した。バイデン米大統領は、イスラエルが報復としてイランの石油施設を攻撃することを支持するかという記者団からの質問に対し「議論しているところだ」と応じた。イスラエルはパレスチナ自治区ガザ北部やレバノンでの攻撃を続けている。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、イスラエル軍によるレバノン南部での空爆で死亡したイスラム組織ハマスの幹部がUNRWAの職員だったと認めた。
国内金先限は上場来高値1万2,773円を付けた。自民党総裁選で石破氏が勝利し、円高が進んだが、日本銀行の金融政策について、追加の利上げをするような環境だとは思っていないと述べると円安が再開した。予想以上の米雇用統計も円安要因となり、円相場は1ドル=149円ちょうどまで円安に振れた。石破首相は新たな経済対策の策定を閣僚に指示し、衆議院選挙のあと補正予算案を国会に提出する考えを示した。
10月4日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.32トン増の876.26トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しや中東情勢に対する懸念を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月1日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは29万9,931枚となり、前週の31万5,390枚から縮小した。今回は手じまい売りが1万7,521枚、買い戻しが2,062枚入って1万5,459枚買い越し幅を縮小した。
プラチナは米利下げ見通しや金堅調が下支え
ニューヨーク・プラチナ1月限はドル安一服を受けて上げ一服となったが、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しや金堅調が下支えになった。982.1ドルで押し目を買われた。欧州中央銀行(ECB)の追加利下げが見込まれていることも下支え要因である。一方、中国の景気刺激策に対する期待感から国慶節明けの香港株が上昇した。8日に再開される中国市場の動向も確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、3日のロンドンで18.14トン(前週末17.80トン)、4日のニューヨークで31.88トン(同31.61トン)、3日の南アで11.08トン(同11.05トン)となった。一方、10月1日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万8,132枚となり、前週の2万4,401枚から拡大した。
ニューヨーク金は米大幅利下げ観測後退も押し目買いが下支え
ニューヨーク金12月限は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測の後退を受けて上げ一服となったが、中東情勢に対する懸念などを受けて押し目を買われた。パウエル米FRB議長が利下げを急がない姿勢を示し、大幅利下げ観測が後退した。ただ11月の利下げ見通しに変わりはなかった。一方、イランがイスラエルに対してミサイルを発射したことに対し、イスラエルは報復攻撃を示唆した。中東情勢に対する懸念が下支えになった。今週は9月の米消費者物価指数(CPI)の発表があり、ドル安が再開すると、史上最高値2,708.7ドルを試す可能性がある。
10月7日からの週の注目ポイント
7日 | オーストラリア、中国休場 | ☆ |
独製造業受注(8月) | ☆☆ | |
ユーロ圏小売売上高(8月) | ☆☆ | |
8日 | 全世帯家計調査・消費支出(8月) | ☆☆ |
国際収支・経常収支(8月) | ☆☆ | |
独鉱工業生産指数(8月) | ☆☆ | |
米貿易収支(8月) | ☆☆ | |
9日 | NZ準備銀行政策金利公表 | ☆☆☆ |
独貿易収支(8月) | ☆☆ | |
米卸売在庫(8月確報値) | ☆☆ | |
米FOMC議事録公表(9月17-18日) | ☆☆ | |
10日 | 企業物価指数(9月) | ☆☆ |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
米消費者物価指数(9月) | ☆☆☆ | |
11日 | 香港休場 | ☆ |
独消費者物価指数(9月確報) | ☆☆ | |
英貿易収支(8月) | ☆☆ | |
英鉱工業生産指数(8月) | ☆☆ | |
米生産者物価指数(9月) | ☆☆ | |
米ミシガン大消費者信頼感指数(10月速報値) | ☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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