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金は米FRBの利下げ開始が支援
2024/9/24
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は中東情勢なども確認
9月16日の週のニューヨーク金市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利下げが決定されたことを受けて堅調となった。12月限は中心限月ベースの史上最高値2,659.8ドルを付けた。米FOMCではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き下げ、4.75~5.00%とした。米FOMC声明は「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めており、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクがほぼ均衡していると判断する」とした。同時に公表したFRB当局者による金利・経済見通しでは年内にさらに0.50%ポイント、2025年に計1%ポイント、2026年には計0.50%ポイントの追加利下げを見込んだ。2026年末時点の政策金利は2.9%で中立金利に達すると予想され、前回見通しの2.8%から上昇した。ただ大幅利下げ決定に唯一反対票を投じたボウマン理事は「コア個人消費支出(PCE)価格指数は依然として前年比2.5%上昇している」と指摘し、慎重なペースで中立的な政策スタンスに移行することで、「インフレ率を目標の2%まで確実に引き下げることができると思う」との考えを示した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げサイクルが開始されたことで金の先高観が強いが、インフレが再加速し、利下げペースが遅れることになれば上値を抑える要因になる。今週は8月の米PCE価格指数の発表がある。
イスラエルのネタニヤフ首相は17日、イスラム組織ハマスとの紛争における達成目標を拡大し、ハマスと同盟するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦が続いているイスラエル北部に、避難住民を無事に帰還させることを含める方針を示した。レバノンで17日、ヒズボラの戦闘員らが利用しているポケットベルのような通信機器の爆発が相次いだ。レバノン当局によると、少なくとも9人が死亡し、2,750人が負傷した。18日にはヒズボラ戦闘員が使用していた無線機が一斉に爆発した。レバノン保健省は、14人が死亡し、450人以上が負傷したと発表した。治安筋によると、ヒズボラは無線機を5カ月前に購入。ポケットベルの購入とほぼ同時期という。ヒズボラの指導者ナスララ師は、過去2日間に発生した通信機器の一斉爆発について、イスラエルによる「宣戦布告」とみなすと主張し、「敵は全てのレッドライン(超えてはならない一線)を超えた」と非難した。イスラエル軍は19日、レバノンの首都ベイルート南郊でヒズボラ幹部を標的にした空爆を行い、ヒズボラの作戦指揮官イブラヒム・アキル氏が死亡した。23日にはヒズボラに大規模な攻撃を実施、356人が死亡し、1975~90年の内戦以来、1日の死者数としては最悪となった。中東情勢の行方も引き続き確認したい。
9月20日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.88トン増の875.39トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月17日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは31万0,066枚となり、前週の28万2,501枚から拡大し、2020年3月以来の高水準となった。今回は新規買いが2万9,728枚、新規売りが2,163枚出て2万7,565枚買い越し幅を拡大した。
プラチナは米大幅利下げで押し目買いも上げ一服
ニューヨーク・プラチナ1月限は米連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利下げが決定されたことを受けて押し目を買われたが、1,000ドル台で利食い売りなどが出て上げ一服となった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始は支援要因だが、中国経済の先行き懸念が残っており、上値を抑える要因である。8月の中国の鉱工業生産は前年比4.5%増と前月の5.1%から伸びが鈍化した。小売売上高も2.1%増と前月の2.7%から伸びが鈍化した。不動産不況の長期化が懸念されている。また9月の仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.3と6カ月ぶりの低水準となった。五輪効果が続いていた8月の55.0から大幅に悪化した。欧州中央銀行(ECB)は追加利下げを決定しており、今後発表される経済指標で利下げの効果を確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、19日のロンドンで17.17トン(前週末18.44トン)、20日のニューヨークで31.47トン(同31.61トン)、19日の南アで11.17トン(同11.17トン)となった。一方、9月17日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万1,978枚となり、前週の1万0,003枚から拡大した。
ニューヨーク金は米利下げ開始で史上最高値を更新
ニューヨーク金12月限は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始を受けて買い優勢となり、中心限月ベースでの史上最高値2,659.8ドルを付けた。大幅利下げが決定されたことを受けて乱高下する場面も見られたが、年内にあと50ベーシスポイント(bp)利下げし、2026年末までに政策金利を3.00%まで引き下げるとの見通しが示されると、押し目を買われた。今週は8月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表がある。
9月23日からの週の注目ポイント
23日 | 振替休日 24日南ア休場 | ☆ |
17日 | 豪準備銀行政策金利公表 | ☆☆☆ |
独ifo景況感指数(9月) | ☆☆ | |
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(7月) | ☆☆ | |
米消費者信頼感指数(9月) | ☆☆ | |
25日 | 米新築住宅販売(8月) | ☆☆☆ |
26日 | 日銀金融政策決定会合議事要旨(7月30-31日分) | ☆☆ |
スイス国立銀行政策金利公表 | ☆☆☆ | |
米国内総生産(4-6月期確報値) | ☆☆☆ | |
米耐久財受注(8月速報値) | ☆☆ | |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
米中古住宅販売仮契約指数(8月) | ☆☆ | |
27日 | 中国工業利益(8月) | ☆☆ |
独雇用統計(9月) | ☆☆ | |
米個人所得・支出(8月) | ☆☆☆ | |
米卸売在庫(8月速報値) | ☆☆ | |
米ミシガン大消費者信頼感指数(9月確報値) | ☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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