2025-07-13 18:48:06

金は米FRB利下げ開始見通しが支援

2024/9/17
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米FOMCでの利下げ幅を確認

 9月9日の週のニューヨーク金市場は、米消費者物価指数(CPI)を受けて米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が後退したことに上値を抑えられたが、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げや米連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利下げ観測が再燃したことを受け、最終的には一段高となった。12月限は中心限月ベースの史上最高値2,617.4ドルを付けた。米FRBの利下げ開始見通しを受けて引き続き上値を試すとみられており、今週の米FOMCの利下げ幅を確認したい。
 8月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.5%上昇と前月の2.9%上昇から伸びが鈍化し、2021年2月以来の小幅な伸びとなった。ただコアCPIは同3.2%上昇で前月と変わらずとなった。基調インフレになお粘着性が見られることから、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)利下げの見方は後退した。ただ米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と英紙ファイナンシャル・タイムズ(FT)が、50bp利下げが実施される選択肢は残っていると報じると、大幅利下げ観測が再燃した。またダドリー前ニューヨーク連銀総裁はシンガポールで開催されたブレトンウッズ委員会主催の「金融の未来フォーラム」で、50bp利下げを実施する強い論拠があるとの見方を示した。ただ市場では50bp利下げが決定されれば、まだ知られていない情報を米FRBが入手している可能性があり、景気減速懸念につながるとの見方も出ている。
 欧州中央銀行(ECB)理事会は、インフレと経済成長の鈍化を受けて0.25%の追加利下げを決定。6月に続き主要政策金利の中銀預金金利を3.75%から3.50%に引き下げた。ECBはユーロ圏の経済予測で、2024年から26年までの経済成長率予想を下方修正した。今年の域内総生産(GDP)成長率予想は0.8%。6月時点では0.9%だった。ラガルドECB総裁は今後の決定は会合ごとに決定し、特定の道筋に事前にコミットしないと述べ、10月の利下げ観測が後退した。
 パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスは11日、米国の従来の停戦案をベースに当事者が新たな条件を加えなければ、イスラエルと即時停戦に入る用意があるとの立場を直近の交渉で改めて示した。停戦交渉ではガザ・エジプト境界地帯「フィラデルフィ回廊」の管理など対立点が残っている。一方、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が発射したミサイルが15日、イスラエル中部に初めて到達した。イスラエルのネタニヤフ首相はフーシ派が「重い代償」を払うことになると警告した。ハマスのシンワル最高指導者はフーシ派のミサイル攻撃を称賛し、敵へのメッセージになるという認識を示し、「我々は長期にわたる消耗戦を戦う準備ができている」と言明した。中東情勢の行方を引き続き確認したい。
 9月13日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比7.77トン増の870.51トンとなった。欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月10日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは28万2,501枚となり、前週の28万7,558枚から縮小した。今回は新規買いが849枚、新規売りが5,906枚出て5,057枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは米大幅利下げ観測で1,000ドル台を回復

 ニューヨーク・プラチナ10月限は米消費者物価指数(CPI)を受けて米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が後退したことに上値を抑えられた。しかし、株高を受けて押し目を買われると、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げや米連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利下げ観測が再燃したことを受けて上値を伸ばし、7月18日以来の高値1,008.8ドルを付けた。今週の米FOMCの利下げ幅と各市場の反応を確認したい。一方、ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)は四半期報告で、2年連続の大幅な供給不足見通しを示した。今年のプラチナは31トンの供給不足になると予想され、昨年の23トンから不足幅を拡大する見通しとなった。トレバー・レイモンドCEOは供給不足見通しに価格は反応していないように見えるとしたが、米FRBの利下げ開始がプラチナ上昇のきっかけになるかどうかを確認したい。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、12日のロンドンで19.07トン(前週末21.35トン)、13日のニューヨークで31.61トン(同32.18トン)、12日の南アで11.17トン(同11.24トン)となった。一方、9月10日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万0,003枚となり、前週の1,388枚から拡大した。

ニューヨーク金は米大幅利下げ観測で史上最高値を更新

 ニューヨーク金12月限は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測見通しを受けて買い優勢となり、中心限月ベースでの史上最高値2,617.4ドルを付けた。米消費者物価指数(CPI)を受けて大幅利下げ観測は後退したが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と英紙ファイナンシャル・タイムズ(FT)は大幅利下げが実施される選択肢は残っていると報じた。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅を確認したい。米FRBの利下げ開始で高値更新が続くとみられている。

9月16日からの週の注目ポイント

16日 敬老の日  
17日 中国休場
独ZEW景況感指数(9月) ☆☆
米小売売上高(8月) ☆☆☆
米鉱工業生産・設備稼働率(8月) ☆☆
米企業在庫(7月) ☆☆
米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目 ☆☆
18日 香港休場
機械受注(7月) ☆☆
貿易収支(8月速報) ☆☆
英消費者物価指数(8月) ☆☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(8月確報) ☆☆☆
米住宅着工・許可件数(8月) ☆☆☆
対米証券投資(7月) ☆☆
米FOMC声明文公表 ☆☆☆
19日 日銀金融政策決定会合1日目 ☆☆
ユーロ圏国際収支(7月) ☆☆
英中銀政策金利公表 ☆☆☆
米経常収支(4-6月期) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月) ☆☆
米中古住宅販売統計(8月) ☆☆
20日 消費者物価指数(8月) ☆☆☆
日銀総裁記者会見 ☆☆☆
独生産者物価指数(8月) ☆☆
英小売売上高(8月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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