2025-07-16 05:13:29

金は利食い売りで上げ一服

2024/9/2
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米雇用統計を確認

 8月26日の週のニューヨーク金市場は、米金融当局者の9月利下げを支持する発言が目立ったが、米国内総生産(GDP)の上方改定などに上値を抑えられた。月末を控えてドル高に振れ、利食い売りが出た。第2四半期の米GDP改定値は前期比3.0%増と速報値の2.8%増から上方改定された。堅調な個人消費が堅調だったことに加え、企業利益も回復した。7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.5%上昇し、前月と変わらずとなった。個人消費支出は前月比0.5%増と事前予想と一致した。米連邦準備理事会(FRB)が9月に50ベーシスポイント(bp)利下げとの見方もあるが、個人消費の堅調から25bp利下げの見方が強い。
 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、利下げに動く「時期が到来している」と述べた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会合での講演の発言と同様の見方を示した。一方、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁はインフレ鈍化が自身の予想より速く、失業率が想定以上に上昇するなか、利下げに動く時かもしれないが、実際に踏み切る前に確信を得たいと述べた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて米雇用統計とインフレ統計で確認したいと述べた。今週は8月の米雇用統計の発表がある。
 パレスチナ自治区ガザで1日、子どもへのポリオワクチン接種が始まった。イスラエルは予防接種のための部分的な戦闘休止に同意した。ガザの中部、南部、北部で順番に実施し、それぞれ3日間、戦闘を休止する。一方、バイデン米大統領は8月31日の声明でイスラエル国防軍(IDF)がガザで、イスラム組織ハマスの人質となっていた6人の遺体を収容したと発表した。イスラエル系米国人のハーシュ・ゴールドバーグポリン氏の死亡を確認した。イスラエル最大の労働組合、労働総同盟はネタニヤフ首相にハマスとの停戦合意を迫るため、2日から全国的なストライキを実施すると宣言した。ガザ停戦協議や中東情勢の行方を引き続き確認したい。
 8月30日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.62トン増の862.74トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、8月27日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは29万4,445枚となり、前週の29万1,253枚から拡大し、2020年3月以来の高水準となった。今回は手じまい売りが1万2,221枚、買い戻しが1万5,413枚入り、3,192枚買い越し幅を拡大した。

プラチナはドル高で調整局面

 ニューヨーク・プラチナ10月限は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて8月1日以来の高値987.6ドルを付けたのち、ドル高を受けて調整局面を迎えた。米国内総生産(GDP)の上方改定などを背景に月末前にドルを買い戻す動きが出た。一方、8月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.1と前月の49.4から低下し、6カ月ぶりの低水準となった。節目となる50を4カ月連続で下回った。カナダは中国から輸入する電気自動車(EV)に対して100%の関税を課すと発表し、オランダ政府は同国の半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングが中国で半導体装置の修理およびメンテナンスを行うことを制限する計画であることを明らかにした。中国経済の先行き懸念が残ることも上値を抑える要因である。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、29日のロンドンで21.08トン(前週末21.08トン)、30日のニューヨークで32.05トン(同32.05トン)、29日の南アで11.21トン(同11.21トン)となった。一方、8月27日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万5,733枚となり、前週の1万4,826枚から拡大した。

ニューヨーク金は月末前の利食い売りが圧迫

 ニューヨーク金12月限は、米金融当局者の9月利下げを支持する発言が目立ったが、米国内総生産(GDP)の上方改定などに上値を抑えられた。月末を控えてドル高に振れたことから利食い売りが出た。8月20日に付けた一代高値2,570.4ドルが目先の抵抗線である。今週は8月の米雇用統計の発表がある。

9月2日からの週の注目ポイント

2日 米国、カナダ休場
中国財新製造業購買担当者景況指数(8月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(8月確報) ☆☆
3日 米建設支出(7月) ☆☆
米ISM製造業景況指数(8月) ☆☆☆
4日 中国財新サービス業購買担当者景況指数(8月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(8月確報) ☆☆
米貿易収支(7月) ☆☆
米耐久財受注(7月確報値) ☆☆
米製造業新規受注(7月) ☆☆
カナダ銀行政策金利発表 ☆☆☆
5日 独製造業受注(7月) ☆☆
ユーロ圏小売売上高(7月) ☆☆
ADP全米雇用報告(8月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米ISM非製造業景況指数(8月) ☆☆☆
6日 全世帯家計調査・消費支出(7月) ☆☆
独貿易収支(7月) ☆☆
独鉱工業生産指数(7月) ☆☆
ユーロ圏国内総生産(4-6月期確報) ☆☆☆
米雇用統計(8月) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

当コラムに関してご留意頂きたい事項

  • 当コラムは投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
  • 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の(株)ミンカブ・ジ・インフォノイドの見解です。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
  • 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。

ご注意事項

  • 買付時の手数料は、売買代金の1.65%(税込)、売却時の手数料は無料です。
  • 本取引は金・銀・プラチナの価格変動により、投資元本を割り込むことがあります。
  • 本取引は、政治・経済情勢の変化および各国政府の貴金属地金取引への規制等による影響を受けるリスクがあります。
    また、かかるリスクが顕在化した場合、当社の提供するサービスの全部、または一部が変更、停止されるリスクがあります。
  • 本取引は為替相場の変動により損失を被ることがあります。
  • 本取引は、システム機器、通信機器等の故障等、不測の事態による取引の制限が生じるリスクがあります。
  • 本取引は売値(Bid:お客さまが売ることの出来る値段)と買値(Ask:お客さまの買うことのできる値段)の差(スプレッド)があります。
  • スプレッドは固定されるものではなく、需給バランスや、政治・経済情勢の変化にともない、当社の任意で変更いたします。
ユーザーネーム
パスワード

セキュリティキーボード

ログインにお困りの方

資産運用フェス2025

よくあるお問合せ
・口座開設の流れ
・NISA関連のお問合せ
・パスワード関連のお問合せ

HYPER SBI 2 ダウンロード

金・銀・プラチナの投資情報

SBI証券はお客様の声を大切にしています

  • 資産運用フェス2025