2025-06-20 17:02:41

金は景気減速懸念によるリスク回避が上値を抑える

2024/8/5
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

【金は米ISM非製造業景況指数などで景気見通しを確認】

 7月29日の週のニューヨーク金市場は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が9月利下げの可能性を示唆したことが支援要因になったが、景気減速懸念によるリスク回避の動きを受けて上げ一服となった。中心限月となる12月限は7月18日以来の高値2,522.5ドルを付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25?5.50%に据え置いた。米FRB議長は9月にも利下げに動く可能性があるとの見解を示した。ただ利下げに着手する前に「インフレが持続的に2%に向かっているという確信を強める」ことが必要という認識を示した。7月の米ISM製造業景気指数は46.8と前月の48.5から低下し、昨年11月以来の低水準となった。節目となる50も4カ月連続で下回った。新規受注の低迷が響いた。事前予想は48.8。7月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比11万4,000人増となり、事前予想の17万5,000人増を下回った。前月は20万6,000人増から17万9,000人増に下方修正された。失業率は2021年9月以来の高水準となる4.3%(前月4.1%)に上昇した。予想以下の米経済指標を受けてCMEのフェドウォッチでは、9月の50ベーシスポイント(bp)利下げの確率が80.0%(前週11.5%)に上昇した。25bp利下げの確率は20.0%(同88.2%)となった。米国債の利回りが低下し、ドル安に振れたが、リスク回避の動きが金の上値を抑える要因になった。今週は米ISM非製造業景気指数などの発表があり、金ETF(上場投信)に換金売りが出ると、上値を抑える要因になるとみられる。

 第2四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)は前期比0.3%増と事前予想の0.2%増を上回った。フランスとスペインが予想以上となり、イタリアは予想と一致、ドイツは予想外にマイナス成長となった。7月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.6%上昇と前月の2.5%上昇から伸びが加速した。事前予想は2.5%上昇。ただサービス価格は同4.0%上昇と前月の4.1%上昇に伸びが鈍化しており、市場では欧州中央銀行(ECB)の9月の追加利下げが予想されている。イングランド銀行は政策金利を16年ぶりの高水準から0.25%引き下げ、5.00%とした。インフレ圧力が十分緩和されたか意見が分かれ、5対4での決定となった。ベイリー総裁は、今後は慎重に動くとし、急速な利下げを確約しているわけではないと強調した。

 JPX金先限は円高が圧迫要因となり、5月7日以来の安値1万1,753円を付けた。日銀金融政策決定会合で、政策金利となる無担保コール翌日物金利の誘導目標をこれまでの0?0.1%程度から、0.25%程度に引き上げることを決定した。円相場は1ドル=153円台から146円台半ばまで円高に振れた。植田日銀総裁は記者会見で政策金利について0.5%が「壁」になるとは「認識していない」と述べ、市場ではタカ派姿勢が強まったとみられた。

 8月2日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比2.30トン増の845.47トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月30日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万6,473枚となり、前週の27万3,074枚から縮小した。今回は手じまい売りが2万8,236枚、買い戻しが1,763枚出て2万6,473枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは景気減速懸念が上値を抑える

 ニューヨーク・プラチナ10月限は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて買い優勢となり、7月18日以来の高値989.0ドルを付けたのち、景気減速懸念によるリスク回避の動きを受けて上げ一服となった。米ISM製造業景気指数や米雇用統計が予想以下となり、景気減速懸念から株価が急落した。また7月の中国の財新製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.8と前月の51.8から低下し、昨年10月以来の低水準となった。節目となる50を9カ月ぶりに割り込んだ。事前予想は51.5。新規受注が減少し、下半期の経済成長に対するリスクを示す内容となった。

 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、1日のロンドンで24.82トン(前週末24.82トン)、2日のニューヨークで31.64トン(同31.64トン)、1日の南アで11.36トン(同11.36トン)となった。一方、7月30日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万4,314枚となり、前週の1万2,208枚から拡大した。

ニューヨーク金は米利下げ見通しも上げ一服

 ニューヨーク金12月限は、米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が9月利下げの可能性を示唆したことを受けて7月18日以来の高値2,522.5ドルを付けたのち、景気減速懸念によるリスク回避の動きから上げ一服となった。米ISM製造業景気指数や米雇用統計が予想以下となり、9月の50ベーシスポイント(bp)利下げの見方も出たが、景気減速懸念から株価が急落し、リスク回避の動きとなった。金ETF(上場投信)に換金売りが出ると、上値を抑える要因になるとみられる。今週は米ISM非製造業景気指数などの発表がある。

8月5日からの週の注目ポイント

5日 オーストラリア休場
日銀金融政策決定会合議事要旨(6月13-14日分) ☆☆
中国財新サービス業購買担当者景況指数(7月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(7月確報) ☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(6月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(7月) ☆☆☆
6日 オーストラリア準備銀行政策金利公表 ☆☆☆
全世帯家計調査・消費支出(6月) ☆☆
独製造業受注(6月) ☆☆
ユーロ圏小売売上高(6月) ☆☆
米貿易収支(6月) ☆☆
7日 中国貿易収支(7月) ☆☆
独貿易収支(6月) ☆☆
8日 国際収支・経常収支(6月) ☆☆
独鉱工業生産指数(6月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
9日 南ア休場
中国消費者物価指数(7月) ☆☆
中国生産者物価指数(7月) ☆☆
独消費者物価指数(7月確報) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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