2025-07-16 05:33:17

金は調整継続も米FOMCに注目

2024/7/29
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は日銀や英中銀の会合も確認

 7月22日の週のニューヨーク金市場は、押し目を買われたが、中国経済に対する懸念や予想以上の米国内総生産(GDP)を受けて調整局面を継続した。中心限月となる12月限は3日以来の安値2,394.2ドルを付けた。第2四半期の米GDP速報値は前期比2.8%増となり、事前予想の2.0%増を上回った。個人消費と設備投資の堅調な伸びを背景に成長率は第1四半期の1.4%から加速した。ドル高に振れ、金の圧迫要因になった。ただコア個人消費支出(PCE)価格指数は2.9%上昇した。事前予想の2.7%上昇を小幅に上回ったが、第1四半期の3.7%上昇から伸びが鈍化した。6月の米PCE価格指数は前年比2.5%上昇した。前月の2.6%上昇から伸びが鈍化し、過去4カ月で最小の伸びとなった。市場予想は2.5%上昇。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが見込まれているが、9月利下げが示唆される可能性があるとの見方が出ている。ただ米大統領選でトランプ氏が勝利すればインフレになるとみられている。また米大統領選前の利下げは民主党を利するとみられており、前回同様に金利見通し(ドット・プロット)で年1回の利下げ見通しが示される可能性もある。今週は日銀金融政策決定会合や英中銀の会合もあり、それぞれの金融政策の決定も確認したい。

 米大統領選で民主党の大統領候補としてハリス副大統領が支持を集めた。バイデン氏の撤退表明までは共和党のトランプ前大統領が優勢とみられていたが、ハリス氏の出馬表明から約1週間が過ぎ、最新の世論調査ではトランプ氏と互角になりつつある。黒人やヒスパニック、若者の支持率が伸びている。正式に大統領候補として指名される8月7日までに副大統領候補を決定する見通しである。民主党が勝利した場合も財政赤字拡大で金利上昇の見方に変わりはない。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、米議会の上下両院合同会議で演説し、パレスチナ自治区ガザに拘束されている人質の解放に向けた取り組みが成功すると確信していると述べた。ハマスとの戦争後のガザ統治について、イスラエルの破壊を求めないパレスチナ人によって行われるべきだが、当面の間はイスラエルがガザの治安を管理する必要があるとした。イスラエル軍は同首相の訪米中もガザに対する攻撃を続け、南部ハンユニス東方の地域のほか、最南端ラファへの攻勢を強めた。バイデン米大統領は、同首相とホワイトハウスで会談し、9カ月に及ぶパレスチナ地区がガザでの停戦を改めて呼びかけた。またハリス米副大統領は同首相と「率直かつ建設的な会談」を行ったと述べ、イスラエルの安全保障に対する「揺るぎないコミット」を改めて表明した。トランプ氏とも会談し、停戦協議に向けて交渉団をローマに派遣するとした。イスラエルは28日、ゴラン高原へのロケット弾攻撃で子供らが死亡したことへの報復として、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの拠点を攻撃した。中東情勢の行方も引き続き確認したい。

 7月26日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比3.16トン増の843.17トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは27万3,074枚となり、前週の28万5,024枚から縮小した。今回は新規買いが8,227枚、新規売りが3,723枚出て1万1,950枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは中国経済に対する懸念やドル高、金急落が圧迫

 ニューヨーク・プラチナ10月限は中国経済に対する懸念やドル高、金急落を受けて売り優勢となり、4月26日以来の安値934.7ドルを付けた。中国人民銀行が主要政策金利を相次いで引き下げ、中国経済は予想以上に悪化しているとの見方から貴金属や原油の需要減少に対する懸念が出た。ただ中国政府は国債発行による景気浮揚策を発表しており、今後の中国経済の見通しを確認したい。また今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で9月利下げが示唆されるかどうかも焦点である。

 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、25日のロンドンで24.74トン(前週末24.67トン)、26日のニューヨークで31.64トン(同31.64トン)、25日の南アで11.36トン(同11.48トン)となった。一方、7月23日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万2,208枚買い越しとなり、前週の2万1,948枚から縮小した。

ニューヨーク金はドル高などで調整局面

 ニューヨーク金12月限は、押し目を買われる場面も見られたが、中国経済に対する懸念やドル高を受けて調整局面を継続し、3日以来の安値2,398.2ドルを付けた。中国人民銀行が主要政策金利を相次いで引き下げ、中国経済に対する懸念が高まった。また予想以上の米国内総生産(GDP)を受けてドル高に振れたことが圧迫要因になった。ただ6月の米個人消費支出(PCE)価格指数の伸び鈍化を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が高まると、下げ一服となった。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きが見込まれているが、9月利下げが示唆される可能性があるとみられている。また日銀金融政策決定会合やイングランド銀行の会合もある。

7月29日からの週の注目ポイント

29日 英マネーサプライ(6月) ☆☆
30日 失業率(6月) ☆☆
日銀金融政策決定会合1日目 ☆☆
独国内国内総生産(4-6月期速報) ☆☆
独消費者物価指数(7月速報) ☆☆
ユーロ圏域内総生産(4-6月期速報) ☆☆☆
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(5月) ☆☆
米消費者信頼感指数(7月) ☆☆
米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目 ☆☆
31日 鉱工業生産指数(6月速報) ☆☆
小売業販売額(6月速報) ☆☆
日銀総裁記者会見☆ ☆☆☆
中国製造業購買担当者景況指数(7月) ☆☆
中国非製造業購買担当者景況指数(7月) ☆☆
独雇用統計(7月) ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(7月速報)☆ ☆☆☆
ADP全米雇用報告(7月) ☆☆
米雇用コスト指数(4-6月期) ☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(7月) ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(6月) ☆☆
米FOMC声明文公表 ☆☆☆
1日 スイス休場
中国財新製造業購買担当者景況指数(7月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(7月確報) ☆☆
ユーロ圏雇用統計(6月) ☆☆
英中銀政策金利公表☆ ☆☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米ISM製造業景況指数(7月) ☆☆☆
2日 米雇用統計(7月) ☆☆☆
米製造業新規受注(6月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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