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2024-11-10 04:03:39

金は調整局面も利下げ期待で押し目は買われやすい

2024/7/22
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米GDPや米PCE価格指数を確認

 7月15日の週のニューヨーク金市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を受けて中心限月ベースでの史上最高値を更新したのち、利食い売りが出て調整局面を迎えた。中心限月となる8月限は一代高値2,488.4ドルを付けた。米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて米金融当局者の利下げを示唆する発言が目立った。ただ6月の米小売売上高が事前予想を上回ったことや米国債の利回り上昇に上値を抑えられた。米小売売上高は前月比横ばいと事前予想の0.3%減を上回った。CMEのフェドウォッチで、米FRBの9月の利下げ確率は94.0%(前週90.3%)に上昇しており、利下げ見通しに変わりはない。一方、欧州中央銀行(ECB)理事会で金利据え置きが決定され、ラガルドECB総裁が9月の理事会についてワイドオープン(何も決まっていない)とすると、ユーロ安に振れ、米国債の利回りが上昇した。今週は第2四半期の米国内総生産(GDP)速報値や6月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表がある。

 トランプ前米大統領は、共和党全国大会で大統領候補の指名受諾演説を行い、米国社会の「不和と分断」の解消を訴えた。銃撃事件後初めての演説となった。ただ世論調査で銃撃事件前後の支持率に大きな変化はなく、トランプ氏がバイデン氏を2ポイント上回った。トランプ氏は公約として関税引き上げや減税を掲げており、市場では第2次トランプ政権に備えた動きが出ている。バイデン氏は21日、大統領選から撤退する考えを表明し、民主党の大統領候補には、ハリス副大統領を支持すると表明した。米大統領選に向けた動きを引き続き確認したい。

 イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザでの攻撃開始以来、イスラム組織ハマスの軍事部門の指導者の半数を排除し、戦闘員約1万4,000人を殺害または捕虜にしたと発表した。ブリンケン米国務長官は18日、イスラエルとハマスとの間の停戦が視野に入ってきたとし、交渉は「ゴールに向けて前進している」と述べた。一方、レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は17日、イスラエルがレバノンの民間人に対する攻撃を続ければ、ヒズボラはイスラエルに新たな攻撃を仕掛けると警告した。中東情勢の行方も引き続き確認したい。

 7月19日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.92トン増の840.01トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月16日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは28万5,024枚となり、前週の25万4,775枚から拡大し、2020年3月以来の高水準となった。今回は新規買いが4万6,784枚、新規売りが1万6,535枚入って3万0,249枚買い越し幅を拡大した。

プラチナは中国の内需伸び悩みなら圧迫要因

 ニューヨーク・プラチナ10月限は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しが下支えになったが、中国経済に対する懸念やドル高を受けて戻りを売られ、6月17日以来の安値963.5ドルを付けた。中国共産党の第20期中央委員会第3回総会(3中総会)で、国内産業を現代化し、内需拡大や債務・不動産リスクの抑制を図るほか、金融・財政改革も推進する方針を表明した。アナリストによると、今回の結果は、政策決定や中国が追求する経済成長モデルの転換ではなく、継続性を示していると指摘した。中国の内需の伸び悩みが続くと、プラチナの上値を抑える要因になるとみられる。

 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、17日のロンドンで24.63トン(前週末24.13トン)、19日のニューヨークで31.64トン(同31.64トン)、18日の南アで11.48トン(同11.51トン)となった。一方、7月16日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万1,948枚となり、前週の2万2,666枚から縮小した。

ニューヨーク金は利下げ期待で史上最高値を更新

 ニューヨーク金8月限は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を受けて一代高値を更新したのち、利食い売りが出て急落した。ニューヨーク金は中心限月ベースでの史上最高値2,488.4ドルを付けた。米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて米金融当局者の利下げを示唆する発言が目立った。ただ6月の米小売売上高が事前予想を上回ったことや米国債の利回りが上昇したことから利食い売りが出て調整局面を迎えた。今週は第2四半期の米国内総生産(GDP)速報値や6月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表がある。

7月22日からの週の注目ポイント

22日 香港消費者物価指数(6月) ☆☆
23日 トルコ中央銀行政策金利発表 ☆☆☆
米中古住宅販売統計(6月) ☆☆
24日 ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(7月速報) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(7月速報) ☆☆
米卸売在庫(6月速報値) ☆☆
米新築住宅販売(6月) ☆☆☆
カナダ銀行政策金利発表 ☆☆☆
25日 独ifo景況感指数(7月) ☆☆
米国内総生産(4-6月期速報値) ☆☆☆
米耐久財受注(6月速報値) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
26日 米個人所得・支出(6月) ☆☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(7月確報値) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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