金・銀・プラチナ > 金・プラチナ取引とは(金・銀・プラチナの特徴) > 金・銀・プラチナについてもっと知ろう!「マーケットレポート・コラム」 > 金は米労働市場の緩和などが支援
金は米労働市場の緩和などが支援
2024/7/8
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米消費者物価指数などを確認
7月1日の週のニューヨーク金市場は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のディスインフレ発言や米労働市場の緩和を受けて買い優勢となった。中心限月となる8月限は6月7日以来の高値2,401.5ドルを付けた。パウエルFRB議長は欧州中央銀行(ECB)主催の会合で、米国は「ディスインフレの道」に戻ったものの、米FRBは利下げに着手する前にインフレが鈍化しているとの「確信を持ちたい」とし、一段のデータを確認する必要があるという見解を示した。6月の米ISM製造業景気指数は48.5と5月の48.7から低下し、節目となる50を3カ月連続で下回った。事前予想は49.1。米ISM非製造業総合指数は48.8と5月の53.8から低下し、節目となる50を下回った。事前予想は52.5。6月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比20万6,000人増と事前予想の19万人増を上回った。ただ4~5月分が11万1,000人下方改定された。失業率は前月の4.0%から4.1%に上昇し、2021年11月以来の高水準となった。CMEのフェドウォッチでは、米FRBの9月の利下げ確率は71.1%(前週57.9%)に上昇した。今週は6月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。
米大統領選に向けたテレビ討論会でバイデン現大統領の言葉に詰まる場面も見られ、高齢に対する懸念が出た。トランプ前大統領の再選の見方が強まった。ただノーベル経済学賞を受賞した16人の著名学者はトランプ氏が再選した場合、無責任な予算を組むことでインフレが再加速する懸念があると警告する書簡をまとめた。米国債の利回りは5月31日以来となる4.49%まで上昇した。バイデン氏は、立候補を続けるとの姿勢を崩していないが、民主党議員からの撤退圧力が強まっている。
イスラエルのカッツ外相は、イスラエル軍が親イラン民兵組織ヒズボラとの戦闘でレバノンに本格的に地上侵攻すれば「壊滅的な戦争になる」と表明したイランに対し、「破壊の脅威をもたらす勢力は破壊するに値する」と対抗した。イスラエル軍は3日、レバノン南部を攻撃し、イスラム教シーア派組織ヒズボラの上級司令官を殺害した。またイスラエルの情報機関モサドの声明によると、イスラエルはパレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放を含む提案に対するイスラム組織ハマスからの回答を検討している。バイデン米大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、ハマスとイスラエルとの間の停戦のほか、ハマスが拘束している人質の解放に向けた最終合意への取り組みについて協議した。ハマスは5日、ヒズボラに対し、ガザでの停戦に向けた修正案を説明した。ヒズボラの指導者ナスララ師はこの動きを歓迎したという。ハマスの幹部は6日、ガザでの戦闘終結に向けた合意第一段階の16日後からイスラエル人質解放を巡る交渉を開始するという米国の提案を受け入れたと述べた。
7月5日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比5.76トン増の834.81トンとなった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のディスインフレ発言や予想以下の米経済指標を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は4日の祝日を受けて8日に発表される。6月25日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万6,229枚(前週24万3,084枚)。
プラチナはドル安や金堅調が支援
ニューヨーク・プラチナ10月限はドル安や金堅調を受けて買い優勢となり、6月3日以来の高値1,049.8ドルを付けた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のディスインフレ発言や予想以下の米経済指標を受けてドル安に振れた。ただ中国経済の先行き懸念が残ることは上値を抑える要因である。欧州連合(EU)は中国製電気自動車(EV)に対して17.4~37.6%の暫定的追加関税を課すことを決定した。中国EVメーカーは値上げなどの対応に動くとみられている。EUの反補助金調査はあと4カ月続く見通しであり、協議の行方を確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、4日のロンドンで24.24トン(前週末24.25トン)、5日のニューヨークで4.58トン(同14.64トン)、4日の南アで11.51トン(同11.51トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は4日の祝日を受けて8日に発表される。6月25日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万0,603枚(前週1万5,864枚)。
ニューヨーク金は米労働市場の緩和で堅調
ニューヨーク金8月限は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のディスインフレ発言や米労働市場の緩和を受けて買い優勢となり、6月7日以来の高値2,401.5ドルを付けた。6月の米雇用統計で失業率が2021年11月以来の高水準となったことに加え、4~5月の非農業部門雇用者数が下方改定された。今週は6月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。
7月8日からの週の注目ポイント
1日 | 香港、カナダ休場 | ☆ |
日銀短観 概要及び要旨(6月調査) | ☆☆ | |
中国財新製造業購買担当者景況指数(6月) | ☆☆ | |
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(6月確報) | ☆☆ | |
独消費者物価指数(6月速報) | ☆☆ | |
米建設支出(5月) | ☆☆ | |
米ISM製造業景況指数(6月) | ☆☆☆ | |
2日 | ユーロ圏消費者物価指数(6月速報) | ☆☆☆ |
ユーロ圏雇用統計(5月) | ☆☆ | |
3日 | 中国財新サービス業購買担当者景況指数(6月) | ☆☆ |
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(6月確報) | ☆☆ | |
ユーロ圏生産者物価指数(5月) | ☆☆ | |
ADP全米雇用報告(6月) | ☆☆ | |
米貿易収支(5月) | ☆☆ | |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
米耐久財受注(5月確報値) | ☆☆ | |
米製造業新規受注(5月) | ☆☆ | |
米ISM非製造業景況指数(6月) | ☆☆☆ | |
米FOMC議事録公表(6月11-12日) | ☆☆ | |
4日 | 米国休場 | ☆ |
独製造業受注(5月) | ☆☆ | |
5日 | 全世帯家計調査・消費支出(5月) | ☆☆ |
独鉱工業生産指数(5月) | ☆☆ | |
ユーロ圏小売売上高(5月) | ☆☆ | |
米雇用統計(6月) | ☆☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
金・銀・プラチナについてもっと知ろう!
当コラムに関してご留意頂きたい事項
- 当コラムは投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の(株)ミンカブ・ジ・インフォノイドの見解です。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
ご注意事項
- 買付時の手数料は、売買代金の1.65%(税込)、売却時の手数料は無料です。
- 本取引は金・銀・プラチナの価格変動により、投資元本を割り込むことがあります。
- 本取引は、政治・経済情勢の変化および各国政府の貴金属地金取引への規制等による影響を受けるリスクがあります。
また、かかるリスクが顕在化した場合、当社の提供するサービスの全部、または一部が変更、停止されるリスクがあります。 - 本取引は為替相場の変動により損失を被ることがあります。
- 本取引は、システム機器、通信機器等の故障等、不測の事態による取引の制限が生じるリスクがあります。
- 本取引は売値(Bid:お客さまが売ることの出来る値段)と買値(Ask:お客さまの買うことのできる値段)の差(スプレッド)があります。
- スプレッドは固定されるものではなく、需給バランスや、政治・経済情勢の変化にともない、当社の任意で変更いたします。