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金は米CPIの伸び鈍化で2,400ドル台を回復
2024/5/20
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米FRBの利下げ期待が支援
5月13日の週のニューヨーク金市場は、米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化やドル安を受けて堅調となった。中心限月となる6月限は4月12日以来の高値2,427.4ドルを付け、一代高値2,448.8ドルが視野に入った。4月の米CPIは前年比3.4%上昇と前月の3.5%上昇から伸びが鈍化した。事前予想通りとなった。インフレの伸び鈍化が示され、市場で利下げ期待が高まった。CMEのフェドウォッチで、米連邦準備理事会(FRB)は9月以降に利下げを開始し、年2回の利下げが見込まれている。パウエル米FRB議長は、インフレ率は2024年を通して低下し続けるとの見通しを示した。ただ第1四半期のインフレ率が予想を上回ったことを受け、こうした見通しに対する自分自身の確信は以前ほど強くないと述べた。ボウマン米FRB理事は、インフレが「当面」高止まりするとの予想を改めて示したが、政策金利を現行水準に維持すれば、いずれは物価上昇圧力が後退するだろうと述べた。米金融当局者の利下げに慎重な見方に変わりはなく、今後発表される経済指標を確認したい。
イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラム組織ハマスとの戦いを巡り米国との見解の相違がある中でも、米国の軍事支援を受け、バイデン米大統領による特定兵器の供与一時停止を乗り越えることを望んでいると述べた。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区最南端部のラファ市で軍事作戦に着手して以降、同市を逃れた住民らは約80万人に達したと報告した。総人口のほぼ半数となった。イスラエルはラファ検問所のパレスチナ側を制圧しており、今後のラファ侵攻の行方を確認したい。
中国人民銀行の4月末の金保有量は2,264.33トンとなり、前月比1.87トン増加した。18カ月連続で増加したが、前月の4.98トン増に続いて増加幅が減少した。ここ数カ月で購入量が大幅に減少にしたが、市場では中国の金買いが続くとみられている。また中国金協会(CGA)によると、第1四半期の中国の金購入は前年同期比5.94%増の308.91トンとなった。金地金や金貨が34%を占め、同26.77%増の106.32トンとなった。安全資産に対する需要急増が背景にある。ただ宝飾品は同3%減の183.92トンとなり、価格高騰で需要が伸び悩んだ。上海金のプレミアムは清明節明けの4月15日の52.64ドルをピークとして下落し、30日に23.51ドルとなった。ただ5月14日に32.23ドルまで戻しており、中国勢の金買い意欲が強い。2,400ドル台を回復し、高値での買いが続くかどうかが焦点である。
5月17日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.61トン増の838.54トンとなった。米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月14日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは20万4,496枚となり、前週の19万9,567枚から拡大した。今回は新規買いが5,498枚、新規売りが569枚入って4,929枚買い越し幅を拡大した。
プラチナは供給不足見通しで昨年5月以来の高値
ニューヨーク・プラチナ7月限は、英ジョンソン・マッセイ(JM)の供給不足見通しや米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて急伸し、昨年5月以来の高値1,100.5ドルを付けた。英JMは今年のプラチナは18.6トンとし、過去10年間で最大の供給不足となるとの見通しを示した。またワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告でも供給不足見通しが示された。鉱山の操業再編や水素経済による需要増加で需給が引き締まるとみられている。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、16日のロンドンで18.20トン(前週末18.10トン)、17日のニューヨークで32.39トン(同32.39トン)、16日の南アで11.28トン(同11.43トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月14日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万4,447枚となり、前週の1万3,660枚から拡大した。
ニューヨーク金は米CPIの伸び鈍化が支援
ニューヨーク金6月限は、米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化やドル安を受けて堅調となり、4月12日以来の高値2,427.4ドルを付けた。史上最高値2,448.8ドルが視野に入った。CMEのフェドウォッチで、米連邦準備理事会(FRB)は9月以降に利下げを開始し、年2回の利下げが見込まれている。ただ米金融当局者は利下げに慎重な見方を示しており、今後発表される経済指標を確認したい。またイスラエルのハマス攻撃が続いており、ラファから住民のほぼ半数が避難した。
5月20日からの週の注目ポイント
20日 | フランス、スイス、カナダ休場 | ☆ |
独生産者物価指数(4月) | ☆☆ | |
21日 | ユーロ圏貿易収支(3月) | ☆☆ |
22日 | 機械受注(3月) | ☆☆ |
貿易収支(4月速報) | ☆☆ | |
NZ準備銀行政策金利公表 | ☆☆☆ | |
英消費者物価指数(4月) | ☆☆☆ | |
米中古住宅販売統計(4月) | ☆☆ | |
米FOMC議事録(4月30-5月1日) | ☆☆ | |
23日 | ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(5月速報) | ☆☆ |
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(5月速報) | ☆☆ | |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
米新築住宅販売(4月) | ☆☆☆ | |
24日 | 消費者物価指数(4月) | ☆☆☆ |
独国内総生産(1-3月期確報) | ☆☆ | |
英小売売上高(4月) | ☆☆ | |
米耐久財受注(4月速報値) | ☆☆ | |
米ミシガン大消費者信頼感指数(5月確報値) | ☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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