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2024-11-13 08:20:08

金は予想以下の米経済指標で急伸

2024/3/4
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米雇用統計などを確認

 2月26日の週のニューヨーク金市場は、予想通りの米個人消費支出(PCE)デフレータや米ISM製造業景気指数の低下を受けて堅調となった。中心限月となる4月限は昨年12月以来の高値2,097.1ドルを付けた。米連邦準備理事会(FRB)の6月の利下げ開始を織り込んだが、米ISM製造業景気指数が予想外に低下したことを受けて買い戻し主導で急伸した。1月の米PCEデフレータは前年同月比2.4%上昇した。伸びは前月の2.6%から縮小し、2021年2月以来の低水準となった。伸びは前月比で拡大したが、米FRBの6月利下げの見方に変わりはなかった。一方、2月の米ISM製造業景気指数は47.8となり、1月の49.1から低下した。事前予想の49.5を予想外に下回り、16カ月連続で節目となる50を割り込んだ。内訳を見ると、新規受注が49.2(1月52.5)、生産は48.4(同50.4)、雇用は45.7(同47.1)に低下した。CMEのフェドウォッチで、米FRBの6月の利下げ確率は56.8%(前週52.3%)と利下げ開始見通しに変わりはない。ただ年末のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準は4.25〜4.50%となり、利下げ幅は100ベーシスポイント(bp)と前週の75bpから拡大した。今週はパウエル米FRB議長の議会証言や2月の米雇用統計の発表がある。
 2月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.6%上昇と前月の2.8%上昇から伸びが鈍化したが、事前予想の2.5%上昇をわずかに上回った。コアインフレ率も3.1%上昇と前月の3.3%上昇から伸びが鈍化したが、事前予想の2.9%上昇を上回った。また2月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は46.5と1月の46.6から小幅に低下した。速報値の46.1から上方修正されたが、需要の弱さを受けて節目となる50を20カ月連続で割り込んだ。デギンドスECB副総裁は、ユーロ圏のインフレ率はさらに低下すると予想されるが、ECBは利下げを開始する前にさらにデータを確認する必要があるとの考えを示した。ECB理事会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は、ECB理事会で利下げ開始にコミットすることは避けなければならないとの見解を示した。今週は7日にECB理事会がある。
 イスラム組織ハマスの幹部は27日、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉に「まだ合意していない」と述べた。ハマスは提案の草案を受け取ったが、戦闘の恒久的終結やイスラエル軍の撤退には踏み込んでいないという。ガザの保健当局は29日、イスラエル軍がガザ市近郊で援助物資を待つ人々に砲撃し、少なくとも112人が死亡、280人が負傷したと発表した。バイデン米大統領は、砲撃で多くの死傷者が出ているという情報を受け、戦闘休止に向けた協議を複雑にする公算が大きいという認識を示した。ハマスはイスラエル軍の砲撃によって、ガザで拘束されていた人質7人が死亡したと発表した。イスラエルは3日、弱い立場にある人質解放にハマスが同意することを条件に6週間の戦闘休止を基本的に受け入れた。戦闘休止はハマス次第だという。
 3月1日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.04トン減の827.81トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月27日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは14万1,636枚となり、前週の14万0,262枚から拡大した。今回は新規買いが3,914枚、新規売りが2,540枚出て1,374枚買い越し幅を拡大した。

プラチナはドル高などで昨年11月以来の安値

 ニューヨーク・プラチナ4月限は、ドル高などを受けて昨年11月以来の安値870.1ドルを付けた。米連邦準備理事会(FRB)の6月の利下げ開始を織り込むなか、ドル高に振れた。ただ米ISM製造業景気指数が予想外に低下すると、ドル高が一服し、買い戻された。一方、中国証券監督管理委員会(証監会)は、ハイフリークエンシー(高頻度)取引などに対する監督管理を強化する声明を発表した。今週は5日から全国人民代表大会(全人代)が開かれる。景気刺激策を発表する見込みだが、大胆な改革は期待薄となっている。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、28日のロンドンで12.33トン(前週末12.40トン)、1日のニューヨークで31.57トン(同32.00トン)、29日の南アで11.73トン(同11.73トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月27日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは3,601枚となり、前週の8,495枚から縮小した。

ニューヨーク金は予想以下の米ISM製造業景気指数で急伸

ニューヨーク金4月限は、予想通りの米個人消費支出(PCE)デフレータや米ISM製造業景気指数の低下を受けて堅調となり、昨年12月以来の高値2,097.1ドルを付けた。米連邦準備理事会(FRB)の6月の利下げ開始を織り込んだが、米ISM製造業景気指数が予想外に低下したことを受けて買い戻し主導で上昇した。昨年12月28日の高値2,118.0ドルを突破すれば一代高値2,171.5ドルを目指すことになりそうだ。今週はパウエル米FRB議長の議会証言や2月の米雇用統計の発表がある。

3月4日からの週の注目ポイント

4日 スイス消費者物価指数(2月)
5日 中国財新サービス業購買担当者景況指数(2月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(2月確報) ☆☆
ユーロ圏購買担当者総合景況指数(2月確報) ☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(1月) ☆☆
米耐久財受注(1月確報) ☆☆
米製造業新規受注(1月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(2月) ☆☆☆
6日 独貿易収支(1月) ☆☆
ユーロ圏小売売上高(1月) ☆☆
ADP全米雇用報告(2月) ☆☆
米卸売在庫(1月確報)
カナダ銀行政策金利発表 ☆☆☆
7日 中国貿易収支(2月) ☆☆
独製造業受注(1月) ☆☆
欧州中央銀行(ECB)理事会結果公表 ☆☆☆
米貿易収支(1月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
8日 全世帯家計調査・消費支出(1月) ☆☆
国際収支・経常収支(1月) ☆☆
独生産者物価指数(1月) ☆☆
独鉱工業生産指数(1月) ☆☆
ユーロ圏国内総生産(10-12月期確報) ☆☆☆
米雇用統計(2月) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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