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2024-12-06 17:39:29

金は米労働市場の堅調で調整局面

2024/1/9
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米利下げ見通しが下支え

 年初のニューヨーク金市場は、米経済指標で労働市場の堅調が示されたことを受けて調整局面を迎えた。中心限月の2月限は12月13日以来の安値2,022.7ドルを付けた。12月の全米雇用報告で、民間部門雇用者数は16万4,000人増加と事前予想の11万5,000人増を上回った。また12月の米雇用統計も、非農業部門雇用者数が前月比21万6,000人増と、事前予想の17万人を上回った。賃金は前年比4.1%上昇と前月の4.0%から伸びが加速した。失業率は3.7%で前月から横ばい。ただ12月の米ISM非製造業総合指数は50.6と前月の52.7から低下し、2023年5月以来の低水準となった。事前予想は52.6。CMEのフェドウォッチでは3月から利下げを開始し、年末までに年6回、150ベーシスポイント(bp)利下げの見通しに変わりはない。一方、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、物価上昇によるリスクと雇用の伸び悩みによるリスクとの間で経済全体のバランスが取れてきたとはいえ、インフレ抑制を確実に継続させるため、引き締めの姿勢を崩していないと述べた。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融当局者は年3回の利下げを予想しており、市場の見方は行き過ぎている。今週は12月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。
 12月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は47.6と前月と同水準だった。速報値は47.0。分岐点となる50を7カ月連続で下回った。サービス業の低迷が続いており、ユーロ圏が景気後退(リセッション)入りしていることを示唆している。11月のユーロ圏の小売売上高は前月比0.3%減と前月の0.4%増から減少に転じた。ただ1月のユーロ圏の投資家センチメント指数はマイナス15.8と12月のマイナス16.8から改善した。欧州中央銀行(ECB)の利下げ期待が強いが、当局者は夏の利下げを見込んでいる。
 イスラム組織ハマス幹部のサレハ・アル・アロウリ氏が、イスラエルによる攻撃で死亡した。イスラエルはレバノンの首都ベイルート郊外のダヒエにあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点を小型無人機(ドローン)で攻撃したという。ヒズボラの指導者ナスララ師は、ハマス幹部がイスラエルによる攻撃で殺害されたことについて「われわれが沈黙することのできない重大で危険な犯罪だ」と述べた。またイスラエルは北隣のレバノン南部に対する攻撃を実施し、親イラン組織ヒズボラの精鋭部隊「ラドワン部隊」に所属する司令官を殺害した。ブリンケン米国務長官が、パレスチナ自治区ガザでの紛争拡大阻止に向けた外交的な働きかけとして、アラブ諸国首脳らと会談した。しかし、イスラエルの空爆などでガザでは8日に約250人と年明け以降最悪の死亡者が出ている。中東情勢の行方も確認したい。
 1月5日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比9.51トン減の869.60トンとなった。堅調な労働市場や米国債の利回り上昇を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月2日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは20万7,649枚となり、前週の20万7,718枚から縮小した。今回は新規買いが863枚、新規売りが932枚出て、69枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは米利下げ期待が行き過ぎとの見方が圧迫

 ニューヨーク・プラチナ4月限は、米経済指標で労働市場の堅調が示されたことやドル高を受けて売り優勢となり、12月19日以来の安値953.9ドルを付けた。CMEのフェドウォッチでは3月から利下げを開始し、年末までに年6回の利下げが織り込まれたが、利下げ期待は行き過ぎとの見方が強く、プラチナに手じまい売りが出た。中国経済の先行き懸念が残っていることも上値を抑える要因である。ただ供給不足見通しが下支えであり、どの水準で安値拾いの買い意欲が強まるかを確認したい。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、4日のロンドンで12.17トン(前週末12.18トン)、5日のニューヨークで30.87トン(同31.04トン)、4日の南アで11.89トン(同11.89トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月2日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万9,039枚となり、前週の2万3,662枚から拡大した。

ニューヨーク金は労働市場の堅調で調整局面

ニューヨーク金2月限は、米経済指標で労働市場の堅調が示されたことを受けて調整局面を迎え、12月13日以来の安値2,022.7ドルを付けた。ただ米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しに変わりがないことが下支え要因である。CMEのフェドウォッチでは3月に利下げを開始し、年6回の利下げが見込まれている。今週は12月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。

1月8日からの週の注目ポイント

8日 成人の日  
9日 全世帯家計調査・消費支出(11月) ☆☆
独鉱工業生産指数(11月) ☆☆
ユーロ圏雇用統計(11月) ☆☆
米貿易収支(11月) ☆☆
10日 米卸売在庫(11月確報値)
11日 米新規失業保険申請件数 ☆☆
米消費者物価指数(12月) ☆☆☆
米財政収支(12月) ☆☆
12日 国際収支・経常収支(11月) ☆☆
中国消費者物価指数(12月) ☆☆
中国生産者物価指数(12月) ☆☆
中国貿易収支(12月) ☆☆
英貿易収支(11月) ☆☆
英鉱工業生産指数(11月) ☆☆
米生産者物価指数(12月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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