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2024-04-23 11:28:02

金は利下げ見通しや地政学的リスクが支援

2024/1/4
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は利下げ期待が行き過ぎで調整も警戒

 昨年のニューヨーク金市場は、各国の中央銀行の利上げ長期化の見方を受けて戻りを売られたが、イスラム組織ハマスのイスラエル奇襲をきっかけに地政学的リスクが高まると、米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ見通しが示されたことを受けて一段高となり、2月限は2,152.3ドルまで上昇した。米国でインフレの伸びが鈍化したことや労働市場の減速の可能性が示されたことを受けて12月の米FOMCで当局者は今年3回の利下げを予想した。一方、市場で米国債の買いが続いたことを受けてCMEのフェドウォッチでは、3月に利下げを開始し、年末までに150ベーシスポイント(bp)利下げが織り込まれた。年6回と米当局者との見通しがかい離しており、今後発表される経済指標で修正されるとみられる。今週は12月の米雇用統計の発表がある。欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始も3月が見込まれているが、ラガルドECB総裁は物価圧力が依然として強いと強調し、利下げ観測を押し戻した。
 地政学的リスクの行方も金市場の焦点である。ロシアのウクライナ侵攻が続いているが、米議会で連邦債務上限引き上げの議論でウクライナ支援が盛り込まれず、ウクライナは苦境に立たされた。欧米の支援疲れも指摘されるなか、ロシアのプーチン大統領は条件付き停戦に応じる用意と伝えられ、西側諸国に揺さぶりをかけている。ウクライナが応じることはないとみられるが、今後の支援の行方と戦況を確認したい。中東ではイスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃し、イスラエルがハマスせん滅のため、ガザに侵攻した。米国が地中海に空母打撃群を派遣し、中東の紛争拡大は抑制されたが、イスラエルがガザ北部をほぼ制圧し、南部の地上戦を開始すると、イエメンの武装組織フーシ派が紅海で商船攻撃を開始した。米国主導の多国籍部隊が発足し、商船を護衛するとしたが、先行き不透明感が残っている。またイスラエルのシリア空爆でイラン革命防衛隊の上級司令官が死亡し、イランは報復を示唆した。イスラエルはレバノンの首都ベイルート郊外のイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点を攻撃し、ハマス幹部を殺害しており、中東での紛争が拡大しつつある。今年は11月に米大統領選があり、米国の対外政策の行方を確認したい。ただバイデン米大統領、トランプ前大統領ともに高齢であり、バイデン氏は支持率低下、トランプ氏は東部州で連邦議会襲撃事件への関与による出馬資格剥奪の判断が下されるなど、問題を抱えている。また米共和党内ではニッキー・ヘイリー元国連大使の人気が上昇している。世論調査で支持率はトランプ氏61%に対し、ヘイリー氏11%となっている。一方、中国の習近平国家主席は新年に向けたテレビ演説で、中国と台湾の統一は必然だと述べた。1月13日の台湾の総統選挙を控え、強い表現となった。昨年11月の米中首脳会談で習主席はバイデン米大統領に台湾の平和的な統一への支持を求めており、当面の軍事的侵攻の可能性は低い。
 JPX金先限は日銀のゼロ金利解除の行方と円相場の動向が焦点である。日銀の政策委員は春闘での賃上げの行方を確認したいとし、慎重姿勢だが、植田日銀総裁は中小企業の賃金データが完全に出ていなくても「ある程度前もっての判断」は可能だとの考えを示した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて円相場は1ドル=151円台から140円直前まで円高に転じており、ゼロ金利解除となれば130円の節目を試すことになりそうだ。ニューヨーク金は強気だが、JPX金先限は円高に上値を抑えられる可能性がある。
 昨年末のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前年比38.53トン減の879.11トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げを受けて投資資金が流出した。今年は利下げ見通しであり、ドル安に振れると、投資資金が戻るとみられる。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると昨年のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは10月10日時点で7万1,433枚まで縮小したのち、米FRBの利下げ見通しを受けて12月26日時点で20万7,718枚に拡大した。新規買い意欲が強まった。

プラチナはドル安や供給不足見通しが支援

 ニューヨーク・プラチナ4月限は昨年、各国の中央銀行の利上げ長期化の見方や景気減速懸念を受けて11月に一代安値850.4ドルを付けた。ただ米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が高まると、ドル安や株高を受けて堅調となり、6月9日以来の高値1,031.0ドルを付けた。中国経済の先行き懸念が残っているが、ドル安や供給不足見通しが支援要因である。米FRBの利下げが開始されれば需要増加見通しを受けて上値を伸ばす可能性が出てくる。ただ利下げ期待の行き過ぎに対する警戒感が残る。
 昨年末のプラチナETF(上場投信)の現物保有高はロンドンで12.18トン(前年末13.92トン)、ニューヨークで31.04トン(同33.09トン)、南アで11.89トン(同9.62トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、昨年のニューヨーク・プラチナの大口投機家の取組は11月14日時点で3,996枚売り越しとなったのち、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を受けて12月26日時点で2万3,662枚買い越しに転じた。

ニューヨーク金は米利下げ見通しが支援

ニューヨーク金2月限は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて堅調となり、12月4日以来の高値2,098.2ドルを付けた。米国債の利回り低下を受けて3月利下げが見込まれている。ただ年末まで150ベーシスポイント(bp)利下げを織り込んでいることは行き過ぎとみられている。今週は12月の米雇用統計の発表があり、労働市場に対する見方を確認したい。テクニカル面では一代高値2,152.3ドルが抵抗線だが、12月4日に長い上ヒゲが現れており、2,100ドル台では乱高下する可能性もある。

1月4日からの週の注目ポイント

4日 中国財新サービス業購買担当者景況指数(12月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(12月確報) ☆☆
独消費者物価指数(12月速報) ☆☆
ADP全米雇用報告(12月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
5日 独小売売上高(11月) ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(12月速報) ☆☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(11月) ☆☆
米雇用統計(12月) ☆☆☆
米耐久財受注(11月確報値) ☆☆
米製造業新規受注(11月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(12月) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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