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2024-10-11 03:16:48

金は米国のインフレの伸びや労働市場を確認

2023/11/27
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米金融当局者のタカ派姿勢が上値を抑える要因

11月20日の週のニューヨーク金市場は、インフレの伸び鈍化や労働市場の緩和による米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて堅調となり、中心限月となる2月限は3日以来の高値2,030.0ドルを付けた。ただ米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、当局者は今後の利上げについて慎重なアプローチを取ることが可能であり、インフレ低下の進展が不十分であることを示す情報が入ってきた場合にのみ、金利を引き上げる必要があるとの見解で一致した。米金融当局者はタカ派姿勢を維持しており、今後発表される経済指標を確認したい。11月の米ミシガン大消費者信頼感指数確報値で1年先の期待インフレ率が4.5%と速報値の4.4%から上方修正された。一方、11月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値で雇用指数が3年半ぶりに50割れとなり、労働市場の緩和が示された。CMEのフェドウォッチで、当面は米FOMCの金利据え置きが見込まれているが、早ければ来年5月に利下げされる可能性を織り込んでいる。今週は30日に10月の米個人消費支出(PCE)デフレータなどの発表がある。
11月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.1と前月の46.5から上昇し、事前予想の46.9を上回った。節目となる50を下回り、景気後退が見込まれているが、事前予想を上回ったことで底堅く推移するとみられている。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ECBには一連の利上げ後のインフレ動向を評価する時間があるが、まだ勝利は得られておらず、短期的なデータの流れに基づく賭けは時期尚早と述べた。
イスラエルとイスラム組織ハマスはガザ地区の戦闘を4日間停止することで合意した。戦闘停止中に双方が拘束・拘留している人を解放する。燃料や医薬品、その他人道物資の輸送も実施する。戦闘休止は現地時間24日午前7時に開始され、ハマスは26日まで3回の人質解放を実施し、合計58人が拘束を解かれた。イスラエルはパレスチナ人78人を釈放した。ハマスが人質解放を続けると、戦闘停止が続く可能性があるが、イスラエル軍はガザ北部をほぼ制圧しており、休戦終了後は南部に侵攻する方針である。
11月24日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比1.15トン減の882.28トンとなった。米金融当局者のタカ派姿勢を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は感謝祭による祝日の影響で11月27日に発表される。11月14日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは15万5,376枚(前週16万6,216枚)となっている。

プラチナは2年連続の供給不足見通し

ニューヨーク・プラチナ1月限は米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しや金堅調を受けて買い優勢となり、10月31日以来の高値949.1ドルを付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で米金融当局者のタカ派姿勢が示されたことを受けて上げ一服となったが、押し目は買われた。ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告で2年連続の供給不足見通しが示されたことも支援要因である。2023年は33トンの大幅な供給不足、2024年は11トンの供給不足が見込まれている。ただ予想以下の米経済指標で景気減速懸念が出ていることが上値を抑える要因である。高値での買いが続くかどうかを確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、23日のロンドンで12.58トン(前週末12.78トン)、24日のニューヨークで30.91トン(同30.62トン)、23日の南アで11.38トン(同11.39トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は感謝祭による祝日の影響で11月27日に発表される。11月14日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の取組は3,996枚売り越し(前週末6,958枚買い越し)となっている。

ニューヨーク金は米国のインフレの伸びや労働市場を確認

ニューヨーク金2月限は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて堅調となり、3日以来の高値2,030.0ドルを付けた。ただ米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でタカ派の見方が示されたことが上値を抑える要因になった。一方、11月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値で雇用指数が3年半ぶりに50割れとなり、労働市場の緩和が示されたことから押し目は買われた。ドル安が続くと、10月高値2,039.7ドルや7月高値2,047.9ドルを試す可能性が出てくる。

11月27日からの週の注目ポイント

27日 中国工業利益(10月) ☆☆
米新築住宅販売(10月) ☆☆☆
28日 米S&Pケース・シラー住宅価格指数(9月) ☆☆
米消費者信頼感指数(11月) ☆☆
29日 NZ準備銀行政策金利公表 ☆☆☆
独消費者物価指数(11月速報) ☆☆
米国内総生産(7-9月期改定値) ☆☆☆
米卸売在庫(10月速報値)
米地区連銀経済報告(ベージュブック) ☆☆
30日 鉱工業生産指数(10月速報) ☆☆
小売業販売額(10月速報) ☆☆
中国製造業購買担当者景況指数(11月) ☆☆
中国非製造業購買担当者景況指数(11月) ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(11月速報) ☆☆☆
ユーロ圏雇用統計(10月) ☆☆
米個人所得・支出(10月) ☆☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(11月) ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(10月) ☆☆
1日 失業率(10月) ☆☆
中国財新製造業購買担当者景況指数(11月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(11月確報) ☆☆
米ISM製造業景況指数(11月) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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