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金は米FRBの利上げ停止見通しが支援
2023/11/20
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は中東情勢の行方も確認
11月13日の週のニューヨーク金市場は、予想以下の米消費者物価指数(CPI)などを受けて堅調となった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて中心限月となる12月限は中長期の節目となる200日移動平均線(17日1,981.2ドル)を回復し、6日以来の高値1,996.4ドルを付けた。10月の米CPIは前年比3.2%上昇と前月の3.7%から伸びが縮小し、事前予想の3.3%も下回った。米生産者物価指数(PPI)は同1.3%上昇と前月の2.2%から伸びが縮小し、事前予想の1.9%も下回った。一方、米小売売上高は前月比0.1%減少したが、事前予想の0.3%減ほど落ち込まなかった。米新規失業保険申請件数は1万3,000件増の23万1,000件と事前場予想の22万件を上回った。8月以来の高水準となり、労働市場を巡る状況が引き続き緩和していることを示唆した。10月の米鉱工業生産指数は製造業の生産指数が0.7%低下した。インフレの伸び鈍化と労働市場の緩和示唆で米FRBの利上げ停止見通しが強い。CMEのフェドウォッチでは、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利据え置きの確率が100%となり、来年5月には利下げを織り込みつつある。ただ米FRBのジェファーソン副議長は、高インフレがいつまで続くか不確実な場合はインフレ期待を抑制するため、強力な金融政策が必要になる可能性があるとの見方を示した。
イスラエル軍は、ガザ最大のシファ病院に突入した。イスラム組織ハマスのトンネル坑道と武器を積んだ車両を発見したと発表した。またイスラエル軍はガザ地区南部の住民に避難所に移動するよう呼びかけるビラを配布しており、南部へも間もなく地上攻勢を掛ける可能性が高まった。イスラエルのガラント国防相は「どこにいようともハマスを解体する」と述べた。一方、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のイスマイル・ガアニ司令官は16日、イスラエルとハマスとの戦争においてハマスを支援すると述べた。米紙ワシントン・ポストによると、米国とイスラエル、ハマスは5日間の戦闘休止と引き換えに、パレスチナ自治区ガザで人質となっている数十人の女性と子どもを解放することで合意に近づいている。イスラエル軍は19日、イエメンのシーア派武装組織フーシ派が紅海を航行していた貨物船を乗っ取ったと発表した。日本郵船が運航している船とされ、中東情勢の行方を確認したい。
欧州連合(EU)欧州委員会は、ユーロ圏の今年の経済成長予測を下方修正した。ただテクニカルリセッションは回避し、来年には景気が拡大するとしている。今年の経済成長予測は0.6%。9月時点の予測は0.8%だった。高インフレ、金利上昇、外需低迷が予想以上に重しになるという。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏のインフレ率は今後数カ月で上昇する可能性があるが、政策金利を少なくとも数四半期、現行水準で維持すればインフレ率を2%に戻すことは可能と述べた。
11月17日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比15.28トン増の883.43トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月14日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは15万5,376枚となり、前週の16万6,216枚から縮小した。今回は手じまい売りが7,301枚、新規売りが3,539枚出て、1万0,840枚買い越し幅を縮小した。
NYプラチナは米FRBの利上げ停止見通しで反発
ニューヨーク・プラチナ1月限は米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて反発し、7日以来の高値913.7ドルを付けた。米消費者物価指数(CPI)でインフレの伸び鈍化が示された。ただ景気減速懸念も強く、ニューヨーク市場では大口投機家が再び売り方に転じた。買い戻しが進むようなら、抵抗帯となる950ドル前後まで上昇する可能性がある。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、16日のロンドンで12.78トン(前週末12.66トン)、17日のニューヨークで30.62トン(同30.33トン)、16日の南アで11.39トン(同11.57トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月14日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の取組は3,996枚売り越し(同6,958枚買い越し)に転じた。新規売りが新規買いを上回った。
ニューヨーク金は200日移動平均線を回復
ニューヨーク金12月限は、予想以下の米消費者物価指数(CPI)を受けて堅調となり、6日以来の高値1,996.4ドルを付けた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて中長期の節目となる200日移動平均線(17日1,981.2ドル)を回復した。ただ金ETF(上場投信)に投資資金が流入したが、先物市場で大口投機家の買い越しが縮小しており、2,000ドル台で上値を抑えられる可能性がある。一方、イスラエル軍がガザ南部に侵攻する可能性が出ており、中東情勢の行方も焦点である。
11月20日からの週の注目ポイント
20日 | 独生産者物価指数(10月) | ☆☆ |
米景気先行指数(10月) | ☆ | |
21日 | 米中古住宅販売統計(10月) | ☆☆ |
22日 | 米耐久財受注(10月速報値) | ☆☆ |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
米ミシガン大消費者信頼感指数(11月確報値) | ☆☆ | |
米FOMC議事録公表(10月31日-11月1日) | ☆☆ | |
23日 | 勤労感謝の日、米国休場 | ☆ |
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(11月速報) | ☆☆ | |
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(11月速報) | ☆☆ | |
24日 | 消費者物価指数(10月) | ☆☆☆ |
独国内総生産(7-9月期確報) | ☆☆ | |
独ifo景況感指数(11月) | ☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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