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2024-11-14 06:35:45

金は米FRBの利上げ停止見通しが支援

2023/11/6
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は中東情勢の先行きを引き続き確認

 10月30日の週のニューヨーク金市場は、イスラエルのガザ侵攻も中東の紛争拡大が抑制されたことを受けて上げ一服となったが、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて押し目を買われた。中心限月となる12月限は1,978.2ドルで押し目を買われ、中長期の節目となる200日移動平均線(3日1,983.4ドル)を維持した。イスラム組織ハマスは病院に避難しているパレスチナ人を人間の盾として利用しており、イスラエル軍はガザ住民に避難を呼び掛けた。カタールを仲介役とした人質解放の交渉も続いており、ハマスは数日中に外国人の人質を解放するとした。米政権はイスラエルへの全面支持を公表しつつ、水面下では難しい要求を伝達し、ガザ攻撃抑制で一定の成果と伝えられた。ただイスラエル軍はジャバリア難民キャンプを空爆するなど、攻撃を続けている。ブリンケン米国務長官はヨルダンでアラブ諸国外相らと会談し、イスラエルとハマスの戦争における「人道的戦闘停止」を求める米国の見解を伝えた。イスラエルのネタニヤフ首相は、ガザで拘束されているイスラエル人の人質解放を伴わないハマスとの戦闘停止を再度否定した。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25〜5.50%で据え置いた。決定は全会一致で、2会合連続での利上げ見送りとなった。声明で「経済活動は第3四半期に力強いペースで拡大した」とした。ただパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、FRBがインフレ率を2%に回帰させるにはまだ長い道のりがあるとし、一段利上げを正当化しうる経済データと労働需要の耐性に言及した。金融情勢は明らかに引き締まっているとも指摘し、多くのリスクを挙げた。市場では、利上げのハードルはより高くなっていることを示唆していると指摘された。10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比15万人増加と事前予想の18万人増加を下回った。失業率は3.9%と前月の3.8%から小幅上昇した。CMEのフェドウォッチで、12月の米FOMCの利上げ確率は4.8%(前週19.2%)に低下した。
 金先限は上場来高値9,743円を付けた。日銀金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の柔軟化を決めた。長期金利の事実上の上限だった1%を「めど」とし、一定程度超えることを容認した。ただ金融緩和を維持したことから1ドル=151円台後半まで円安が進んだ。植田日銀総裁は長期金利が継続的に1%を大きく超えることはないと見通した上で、「金利の水準・上昇スピードを見ながら適宜ブレーキをかけ、判断を繰り返す」と述べた。また大規模緩和の修正時期については「来年の春闘が大事な一つのポイントになる」と述べた。
 11月3日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比1.44トン増の863.24トンとなった。中東の紛争拡大は抑制されたが、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて押し目を買われた。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月31日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万3,425枚となり、前週の14万9,385枚から拡大した。今回は新規買いが9,584枚、買い戻しが4,456枚入り、1万4,040枚買い越し幅を拡大した。

NYプラチナは景気減速懸念が上値を抑える

 ニューヨーク・プラチナ1月限は買い戻し主導で急伸したのち、中国やユーロ圏の景気減速懸念などを受けて上げ一服となったが、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて押し目を買われた。10月の中国の製造業購買担当者指数(PMI)が49.5となり、前月の50.2から低下した。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きが決定され、予想以下の米雇用統計を受けて12月も金利据え置きとの見方が強まった。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、2日のロンドンで12.98トン(前週末12.99トン)、3日のニューヨークで30.19トン(同30.21トン)、2日の南アで11.57トン(同11.72トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月31日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の取組は1万0,826枚買い越しとなり、前週の480枚売り越しから買い方に転じた。買い戻しが手じまい売りを上回った。

ニューヨーク金は米FRBの利上げ停止見通しで押し目買い

 ニューヨーク金12月限は、イスラエルのガザ侵攻も中東の紛争拡大が抑制されたことを受けて上げ一服となったが、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて押し目を買われた。中長期の節目となる200日移動平均線(3日1,983.4ドル)が支持線となった。10月の米雇用統計が事前予想を下回り、利上げ停止の見方を強めた。ただ2,000ドル台では利食い売りに上値を抑えられた。中東情勢の先行きを引き続き確認したい。

11月6日からの週の注目ポイント

6日 日銀金融政策決定会合議事要旨 ☆☆
独製造業受注(9月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(10月確報) ☆☆
ユーロ圏購買担当者総合景況指数(10月確報) ☆☆
7日 全世帯家計調査・消費支出(9月) ☆☆
貿易収支(10月) ☆☆
オーストラリア準備銀行政策金利発表 ☆☆☆
独鉱工業生産指数(9月) ☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(9月) ☆☆
米貿易収支(9月) ☆☆
8日 独消費者物価指数(10月確報) ☆☆
ユーロ圏小売売上高(9月) ☆☆
米卸売在庫(9月確報)
9日 国際収支・経常収支(9月) ☆☆
中国消費者物価指数(10月) ☆☆
中国生産者物価指数(10月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
10日 英国内総生産(7-9月期速報) ☆☆☆
英貿易収支(9月) ☆☆
英鉱工業生産指数(9月) ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(11月速報値) ☆☆
米財政収支(10月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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