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2024-11-05 15:11:11

金は金融不安再燃が支援要因

2023/5/8
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は予想以上の米雇用統計が上値を抑える要因

 5月1日の週のニューヨーク金市場は、米地銀ファースト・リパブリック・バンクの破綻をきっかけとした金融不安の再燃が支援要因になった。中心限月となる6月限は昨年3月以来の高値2,085.4ドルを付けた。ファースト・リパブリック・バンクはJPモルガンに買収されたが、米カリフォルニア州のパックウエスト・バンコープが戦略的選択肢について協議していることを明らかにすると、地銀の先行き懸念が高まった。また英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が、ウェスタン・アライアンス・バンコープが全事業、もしくは一部事業の売却を含む戦略的な選択肢を模索していると報道したが、同社は報道を否定した。当面は各地銀の行方に加え、商業用不動産に投資するファンドの動向が焦点になっている。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)ではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、5.00〜5.25%とすることが決定された。6月以降は利上げ停止の可能性が示唆されたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、今後は経済指標次第とオープンな姿勢を示した。4月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は25万3,000人増と事前予想の18万人増を大幅に上回った。失業率は53年ぶりの低水準となる3.4%に改善した。CMEのフェドウォッチでは、年末にかけての利下げを織り込んでいるが、堅調な米雇用統計を受けて利下げの可能性が低下した。今週は4月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。また米財務省は連邦債務上限が引き上げられなければ、早ければ6月1日にも政府の債務支払いを履行できなくなる恐れがあるとの見通しを示しており、米議会での債務上限問題の協議の行方も当面の焦点である。
 欧州中央銀行(ECB)理事会で0.25%ポイントの利上げを決定し、中銀預金金利を3.25%とした。利上げ幅はこれまでの0.5%ポイントから縮小したものの、ラガルド総裁は理事会後の会見で、インフレ抑制に向け利上げを「停止しない」と強調した。インフレ率をECBの目標である2%まで低下させるために金利はまだ「十分に制約的」でないとした。4月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比7.0%上昇と前月の6.9%上昇から加速した。事前予想と一致した。ただコアインフレ率は7.3%と前月の7.5%から鈍化した。
 4月の中国の財新製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5と前月の50.0から低下し、節目となる50を3カ月ぶりに下回った。新規受注が3カ月ぶりに節目を下回った。サービス部門PMIも56.4と前月の57.8から低下したが、節目となる50を4カ月連続で上回った。中国経済の行方も確認したい。
 5月5日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比5.49トン増の931.77トンとなった。米国の金融不安再燃を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月2日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは19万5,567枚となり、前週の18万5,264枚から拡大した。今回は新規買いが9,227枚、買い戻しが1,076枚入り、1万0,303枚買い越し幅を拡大した。

NYプラチナはリスク回避が圧迫

 ニューヨーク・プラチナ7月限は米国の金融不安の再燃によるリスク回避の動きを受けて軟調となり、4月13日以来の安値1,042.7ドルを付けた。米地銀ファースト・リパブリック・バンクの破綻をきっかけに金融不安が再燃した。ただ米雇用統計で労働市場の堅調が示されると、株価が急反発しており、地銀の行方と経済指標を確認したい。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、4日のロンドンで13.74トン(前週末13.80トン)、5日のニューヨークで29.99トン(同29.87トン)、4日の南アで13.86トン(同13.86トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月2日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万6,687枚となり、前週の2万9,617枚から縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。

ニューヨーク金は米金融不安で昨年3月以来の高値

 ニューヨーク金6月限は、金融不安の再燃を受けて押し目を買われ、昨年3月伊ラオの高値2,085.4ドルを付けた。テクニカル面で強気であり、同月高値2,097.2ドルが目先の抵抗線である。米地銀ファースト・リパブリック・バンクの破綻を受けて金融不安が再燃した。ただ予想以上の米雇用統計を受けて上げ一服となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの追加利上げが決定されたが、6月以降の利上げ停止の可能性が示唆された。ただ経済指標次第とされた。今週は4月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。

5月8日からの週の注目ポイント

8日 フランス、イギリス休場
日銀金融政策決定会合議事要旨発表 ☆☆
独鉱工業生産指数(3月) ☆☆
米卸売在庫(3月確報値) ☆☆
9日 全世帯家計調査・消費支出(3月) ☆☆
中国貿易収支(4月) ☆☆
10日 独消費者物価指数(4月確報) ☆☆
米消費者物価指数(4月) ☆☆☆
米財政収支(4月) ☆☆
11日 国際収支・経常収支(3月) ☆☆
中国消費者物価指数(4月) ☆☆
中国生産者物価指数(4月) ☆☆
英中銀政策金利発表 ☆☆☆
米生産者物価指数(4月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
12日 英国内総生産(1-3月期速報値) ☆☆
英貿易収支(3月) ☆☆
英鉱工業生産指数(3月) ☆☆
米鉱工業生産指数(3月) ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(5月速報値) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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