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2024-12-07 09:16:20

金は米FRBの利上げ停止見通しが支援

2023/4/3
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米雇用統計などを確認

 3月27日の週のニューヨーク金市場は、金融不安の後退を受けて利食い売りが出たが、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて押し目を買われた。中心限月となる6月限は1,962.7ドルで押し目を買われた。米ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは、経営破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)の預金、融資債権、一部資産を米連邦預金保険公社(FDIC)から取得すると発表した。またスイスの金融大手UBSが前最高経営責任者(CEO)の復帰を発表し、金融不安は後退した。一方、バイデン米政権は議会承認不要で実施可能な中堅銀行に対する規制強化策を提示した。流動資産の一段の確保や資本金の増額、定期的なストレステスト実施のほか、破綻した場合の整理方法を詳述した清算計画の準備などが含まれている。規制強化に対する懸念を受けて銀行株が下落する場面もみられ、金融システムの行方を引き続き確認したい。
 米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しによるドル安が金の支援要因になった。米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、米銀の預金は「比較的安定」しているとの見方を示した。物価情勢については、インフレはなお高すぎるとし、低下するには予想以上に時間がかかると述べた。ただバークレイズのストラテジストはマネーマーケット・ミューチュアル・ファンド(MMMF)への資金フローが増加し、銀行預金との競争が激化する見通しとされ、米経済にとってのリスクがあるとした。米ボストン地区連銀のコリンズ総裁は、米FRBが年内にあと1回利上げを実施し、その後は年末までその水準を維持する公算が大きいという見通しを示した。2月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.3%上昇、前年比5.0%上昇で1月(前月比0.6%上昇、前年比5.3%上昇)から伸びが鈍化した。ただ石油輸出国機構(OPEC)プラスは2日、5月から日量100万バレルを上回る減産を実施すると発表した。週明けに原油が急伸しており、インフレ懸念につながるかどうかを確認したい。今週は米雇用統計の発表があり、労働市場に対する見方も焦点である。
 3月のユーロ圏の消費者物価指数(CPI)速報値は前年比6.9%上昇と前月の8.5%から伸びが大幅に低下した。縮小幅は1991年の統計開始以来最大となった。ただエネルギー価格と食品価格を除いたコアCPIの伸びは7.5%と前月の7.4%からわずかに拡大した。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は、コアインフレ率を抑制するために実施してきた一連の利上げには「まだ少し先があるかもしない」と述べた。ECBの利上げ継続見通しもドル安要因だが、インフレの伸び鈍化が続くと、利上げ停止見通しにつながるとみられる。
 3月31日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.05トン増の928.02トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月28日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは18万1,630枚となり、前週の15万8,605枚から拡大した。今回は新規買いが7,244枚、買い戻しが1万5,781枚入り、2万3,025枚買い越し幅を拡大した。

プラチナは金堅調で押し目を買われる

 ニューヨーク・プラチナ7月限は、金堅調を受けて押し目を買われたが、レンジ相場を継続した。金融不安が後退するなか、金主導の値動きとなった。米シリコンバレー銀行(SVB)買収が発表されたが、米政権が銀行規制の強化を提示しており、金融システムの行方を引き続き確認したい。一方、中国経済の再開期待は支援要因であり、中国勢の買い意欲が強まると、レンジ上放れとなる可能性がある。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、30日のロンドンで13.69トン(前週末13.63トン)、31日のニューヨークで30.46トン(同30.46トン)、30日の南アで12.22トン(同12.22トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月28日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万0,374枚となり、前週の9,526枚から拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。

ニューヨーク金は金融不安後退も利上げ停止見通しが支援

 ニューヨーク金6月限は、金融不安の後退を受けて急落したのち、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しを受けて押し目を買われた。米シリコンバレー銀行(SVB)の買収が発表された。ただ米政権が銀行規制の強化を提示しており、引き続き金融システムの行方を確認したい。テクニカル面では2,000ドル台で上値を伸ばせるかどうかが焦点である。3月高値2,031.7ドルが当面の抵抗線である。

4月3日からの週の注目ポイント

3日 日銀短観 概要及び要旨(3月調査) ☆☆
中国財新製造業購買担当者景況指数(3月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(3月確報) ☆☆
米ISM製造業景況指数(3月) ☆☆☆
4日 豪準備銀行政策金利公表 ☆☆☆
独貿易収支(2月) ☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(2月) ☆☆
米耐久財受注(2月確報値) ☆☆
米製造業新規受注(2月) ☆☆
5日 中国・香港休場
NZ準備銀行政策金利公表 ☆☆☆
独製造業受注(2月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(3月確報) ☆☆
ユーロ圏購買担当者総合景況指数(3月確報) ☆☆
ADP全米雇用報告(3月) ☆☆
米貿易収支(2月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(3月) ☆☆☆
6日 中国財新サービス業購買担当者景況指数(3月) ☆☆
独鉱工業生産指数(2月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
7日 豪州、欧米、南ア休場
全世帯家計調査・消費支出(2月) ☆☆
米雇用統計(3月) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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