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2021-12-04 00:58:20

金は米FRBのタカ派転換でドルの行方を確認

2021/6/28
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は投資資金の動向も焦点

6月21日の週のニューヨーク金市場は、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派転換によるドル高が一服し、方向性を模索した。中心限月となる8月限は18日の1,761.2〜1,797.9ドルのレンジでもみ合いとなった。米金融当局者のタカ派発言が続いたが、米国債の利回り上昇が一服し、ドル高が一服した。ダラス地区連銀のカプラン総裁とセントルイス地区連銀のブラード総裁は、他の当局者の想定よりもインフレ高進が長期化する可能性があるとし、来年にも利上げを開始すべきとの見方を示した。米金融当局者の大半は2023年の利上げを予想している。一方、パウエル米FRB議長は議会証言で、FRBは労働市場の「広範で包摂的な」回復を促進するとし、インフレ懸念のみに基づいた性急な利上げは実施しないと表明した。またニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁とフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は、労働市場の回復にはまだ時間がかかると強調し、経済は完全雇用に程遠いとしている。雇用不足を背景とした慎重な見方もあり、意見が分かれている。

5月の米個人消費支出(PCE)価格指数で、食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比3.4%上昇し、29年ぶりの大幅な伸びとなった。米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を大幅に上回った。総合指数も同3.9%上昇と前月の3.6%から加速した。ベース効果は5月にピークに達したとみられるが、供給制約や人手不足で賃金が上昇し、インフレ高進に対する懸念が残っている。今週は2日に発表される6月の米雇用統計が焦点である。事前予想は非農業部門雇用者数が69万5,000人増(前月55万9,000人増)、失業率は5.7%(同5.8%)。雇用不足に対する見方を確認したい。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は消費改善で成長ペースが加速する可能性を示したが、金利上昇を容認する時期には達していないとの見方を示した。イングランド銀行(英中央銀行)も中銀の目標水準を超える物価上昇は「一時的」としており、欧米の金融政策の見通しの違いから、ドル高に振れやすいとの見方が出ている。ECBのハト派姿勢が続くと、ユーロドルは1ユーロ=1.20ドルで上値を抑えられるとみられている。金ETF(上場投信)から投資資金が流出しており、引き続き売られると、一段安となる可能性がある。ただ上海金がディスカウントからプレミアムに転じ、実需筋の安値拾いの買いが入っている。新型コロナウイルスによる制限措置の解除で宝飾需要が回復するかどうかも焦点である。

バイデン米大統領は24日、超党派の上院議員らと会合を開き、8年間で1兆2,000億ドル規模のインフラ投資計画で合意したと発表した。ただ米大統領が重要な優先事項として掲げている在宅医療や保育施設への新規投資などは含まれていない。米上院民主党トップのシューマー院内総務は、来月にも上院での採決を目指すとしている。景気回復期待の高まりを受けて株価が上昇しており、協議の行方と金ETF(上場投信)の投資資金の動向を確認したい。

6月25日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比10.19トン減の1,042.87トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派転換を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月22日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万6,214枚となり、前週の19万2,036枚から縮小した。今回は手じまい売りが2万0,794枚、新規売りが5,028枚出て、2万5,822枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは米国のインフラ投資計画の合意が下支えに

ニューヨーク・プラチナ7月限は米連邦準備理事会(FRB)のタカ派転換を受けて1月11日以来の安値1,026.0ドルを付けたのち、ドル高一服を受けて下げ一服となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派姿勢をきっかけにレンジ下限を割り込むと、先物市場で大口投機家の手じまい売り・新規売りが出た。またニューヨークの指定倉庫在庫が増加し、実需筋の売りも出てテクニカル要因の売りが加速した。ただ1,100ドル付近まで戻すと、指定倉庫在庫が減少し、まとまった買い戻しが入った。バイデン米大統領がインフラ投資計画で合意したことを発表し、株高に振れ、リスク選好の動きとなっており、安値拾いの買い意欲が強まると、プラチナの下支えになるとみられる。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、24日のロンドンで19.43トン(前週末19.47トン)、ニューヨークで39.93トン(同39.64トン)、南アで15.90トン(同15.90トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月22日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万2,940枚となり、前週の2万0,057枚から縮小した。

ニューヨーク金はドル高一服で新たなレンジを形成

ニューヨーク金8月限は、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派転換によるドル高が一服し、もみ合いとなった。18日のレンジとなる1,761.2〜1,797.9ドルで方向性を模索した。ドル高が一服したが、欧米の金融政策の見通しの違いから短期的にドル高が続くとの見方が出ており、金ETF(上場投信)から投資資金が流出した。一方、景気回復見通しなどを背景に1,800ドル割れで実需筋の安値拾いの買いが入った。テクニカル面では18日のレンジをどちらに放れるかが焦点である。今週は2日に6月の米雇用統計の発表がある。米金融当局者はインフレ高進を警戒しているが、雇用不足による慎重姿勢もあり、意見が分かれている。

6月28日からの週の注目ポイント

28日 香港貿易収支(5月)
29日 失業率(5月) ☆☆
独消費者物価指数(6月速報) ☆☆
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(4月) ☆☆
米消費者信頼感指数(6月) ☆☆
30日 鉱工業生産指数(5月速報) ☆☆
中国製造業購買担当者景況指数(6月) ☆☆
英国内総生産(1-3月期確報値) ☆☆☆
独雇用統計(6月) ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(6月速報) ☆☆☆
全米雇用報告(6月) ☆☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(6月) ☆☆
米古住宅販売仮契約指数(5月) ☆☆
1日 香港、カナダ休場
日銀短観(6月調査) ☆☆☆
中国財新製造業購買担当者景況指数(6月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(6月確報) ☆☆
ユーロ圏雇用統計(5月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米ISM製造業景況指数(6月) ☆☆☆
2日 ユーロ圏生産者物価指数(5月) ☆☆
米雇用統計(6月) ☆☆☆
米貿易収支(5月) ☆☆
米製造業新規受注(5月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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