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2021-12-06 16:57:57

金はドル高が圧迫要因

2021/3/29
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米景気回復期待でETFから投資資金流出が続く

3月22日の週のニューヨーク金市場はドイツのロックダウン(都市封鎖)延長をきっかけにリスク回避のドル高に振れたことを受けて軟調となった。ただ欧州の景気の先行き懸念から債券利回りの上昇が一服したことが下支えになった。中心限月が4月限から6月限に移行するなか、ニューヨークの指定倉庫在庫が減少し、当業者の買い戻しが入っていることも下支え要因である。一方、米株価は米国の景気回復期待を受けて押し目を買われた。今週はバイデン米大統領が31日に数兆ドル規模のインフラ投資計画を発表する。ドル高が続くと、金の売り圧力が強まる可能性が出てくる。

ドイツのメルケル首相は23日、ロックダウン(都市封鎖)を4月18日まで延長し、イースター(復活祭)中の5日間は自宅待機するように国民に呼び掛けた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けてフランスがパリ近郊での1カ月間のロックダウンを導入しており、景気の先行き懸念からリスク回避の株安・ドル高となった。ドイツのロベルト・コッホ研究所(RKI)のヴィーラー所長は、同国を見舞っている新型コロナウイルス感染の第3波がこれまでで最悪となる「明白なシグナル」があるとし、1日当たりの新規感染者数が10万人に達する恐れもあるとした。感染拡大の行方とロックダウンの解除が見込めるかどうかを確認したい。

米国では7年債入札をきっかけに利回りが再び上昇した。620億ドルの米7年債入札は最高落札利回りが1.30%と、入札前取引の水準を2ベーシスポイント(bp)上回った。応札倍率は2.23倍だった。米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は、最近の債券利回りの上昇や資産価格の値上がりは楽観的な経済見通しを反映したものとし、パウエル米FRB議長と同様に利回り上昇を容認している。ドル高と利回り上昇が続くかどうかが当面の焦点である。一方、バイデン大統領はペンシルベニア州ピッツバーグを訪れ、数兆ドル規模のインフラ投資計画を発表する。イエレン米財務長官は、インフラ投資は米経済の競争力と生産性の向上に貢献する分野に目標を絞って実施されるとした上で、資金を賄うために歳入増を図る必要があると指摘した。

金の独自材料ではトルコの需要の行方を確認したい。トルコのエルドアン大統領は20日、金融引き締めに積極的だった中央銀行総裁を解任し、新たな総裁が就任した。政策運営の先行きに対する不安が出ており、トルコの金需要が伸び悩むとの見方が出ている。政権寄りのカブジュオール新総裁が金融緩和に転じると、トルコリラが下落し、通貨危機を招くとみられている。当面は4月15日の金融政策決定会合が焦点である。2020年のトルコの金準備は134.5トン増加していた。

3月26日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比15.16トン減の1,036.62トンとなった。リスク回避のドル高や、米国債の利回り上昇に対する懸念を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは17万4,067枚となり、前週の18万0,196枚から縮小した。今回は新規買いが6,537枚、新規売りが1万2,666枚出て6,129枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは欧州の景気の先行き懸念とドル高が圧迫

ニューヨーク・プラチナ7月限は欧州の景気の先行き懸念とドル高を受けて軟調となり、9日以来の安値1,148.5ドルを付けた。ドイツのロックダウン(都市封鎖)延長を受けて景気の先行き懸念が強い。一方、米国では景気回復期待が強いが、世界的な半導体不足などを受けて北米の自動車工場の減産が延長される。米ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタ、ホンダが発表した。ロシアの生産減少見通しが下支え要因だが、需要が伸び悩むと、上値を抑える要因になるとみられる。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、22日のロンドンで19.26トン(前週末19.26トン)、25日のニューヨークで39.99トン(同39.99トン)、24日の南アで16.39トン(同16.39トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月23日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは3万0,226枚買い越し(同3万1,443枚買い越し)に縮小した。

ニューヨーク金はドル高に上値を抑えられる

ニューヨーク金6月限はドイツのロックダウン(都市封鎖)延長をきっかけとしたリスク回避のドル高を受けて戻りを売られた。新型コロナウイルスの感染拡大で欧州の景気の先行き懸念が強い。一方、米株価は米国の景気回復期待を受けて押し目を買われた。バイデン米大統領が31日に数兆ドル規模のインフラ投資計画を発表するとしており、各市場の反応を確認したい。米国の景気回復期待からドル高が続くと、金は再び1,700ドルの節目を試す可能性が出てくる。

3月29日からの週の注目ポイント

29日 英マネーサプライ(2月)
30日 失業率(2月) ☆☆
独消費者物価指数(3月速報) ☆☆
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(1月) ☆☆
米消費者信頼感指数(3月) ☆☆
31日 鉱工業生産指数(2月速報) ☆☆
中国製造業購買担当者景況指数(3月) ☆☆
英国内総生産(10-12月期確報値) ☆☆☆
独雇用統計(3月) ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(3月速報) ☆☆☆
全米雇用報告(3月) ☆☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(3月) ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(2月) ☆☆
1日 日銀短観(3月調査) ☆☆☆
中国財新製造業購買担当者景況指数(3月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(3月確報) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米ISM製造業景況指数(3月) ☆☆☆
2日 豪州・香港・欧米・南ア休場
米雇用統計(3月) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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