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2021-11-27 23:59:54

金はリスク回避が上値を抑える要因

2021/1/12
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米国債の利回りと投資資金の動向も確認

1月4日の週のニューヨーク金市場で、ドル安・インフレ見通しを受けて急伸し、中心限月となる2月限は昨年11月9日以来の高値1,962.5ドルを付けた。しかし、米ジョージア州の上院選決選投票で民主党が優勢になると、大規模な景気刺激策の見方から米国債の利回りが上昇したことが上値を抑える要因になった。また12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想外に減少すると、リスク回避のドル高が圧迫要因になって急落し、昨年12月2日以来の安値1,817.1ドルを付けた。トランプ米大統領の支持者が米連邦議会議事堂の警備を破って建物内に乱入し、混乱する場面も見られたが、ペンス副大統領は選挙人獲得数を確認し、バイデン氏とハリス氏が1月20日に正副大統領に就任すると宣言した。米大統領はバイデン氏が大統領に就任する20日に「秩序ある政権移行」を約束したが、敗北は認めていない。一方、米民主党は米大統領の弾劾訴追に向けた決議案を下院に提出した。トランプ米大統領の退任後でも弾劾裁判で有罪となれば、2024年の大統領選に出馬できない可能性がある。米民主党が上下両院で多数派を占め、米10年債利回りは1.138%と昨年3月以来の高水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大によるリスク回避の動きもあり、バイデン政権誕生を控えてドル買い戻しの動きが続くと、金の圧迫要因になるとみられる。一方、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長は米10年債利回りの1%台乗せは懸念にあたらないとの考えを示し、利回り上昇は容認された。ただ26〜27日には米連邦公開市場委員会(FOMC)がある。米シカゴ地区連銀のエバンス総裁はインフレ率が2%に戻るために時間が必要になるため、米FRBは2024年まで政策金利をゼロ%近辺にとどめる公算が大きいとした。緩和的な姿勢が再確認されると、米国債の利回り上昇は一服するとみられる。

新型コロナウイルスの変異種により、感染拡大が加速し、世界の感染者数は9,000万人を超えた。英政府は医療サービスが危機的な状況を迎えるなか、「今後数週間が最悪の期間になる」という見方を示した。米ファイザーとワクチンを開発する独ビオンテックは、今年のコロナワクチンの出荷目標を約20億回分とし、従来の13億回分から引き上げた。また欧州連合(EU)はワクチンの追加購入を巡り、米モデルナと協議を進めている。ワクチン普及で中長期の景気回復見通しは強いが、感染急増で短期的に景気の下振れリスクが残っている。一方、12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が14万人減少し、8カ月ぶりに悪化に転じた。事前予想の7万7,000人増加から予想外に減少した。米国では10日までの1週間で新型コロナウイルスによる死者が2万2,000人を超え、2週連続で過去最多となった。感染者も急増しており、回復が一時的に失速する可能性が出ている。

1月8日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比11.38トン増の1,182.11トンとなった。年初のリスク選好の動きを受けて投資資金が流入したが、ドル安が一服すると、一部手じまい売りが出た。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月5日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは27万9,318枚となり、前週の26万8,872枚から拡大した。今回は新規買いが8,134枚、買い戻しが2,312枚入り、1万0,446枚買い越し幅を拡大した。

プラチナもリスク回避で急反落

ニューヨーク・プラチナ4月限は、株高を受けて4日以来の高値1,139.7ドルを付けた。しかし、米雇用統計をきっかけにリスク回避のドル高に振れると急落し、昨年12月23日以来の安値1,011.ドルを付けた。米民主党の大規模な景気刺激策に対する期待感から株高に振れたが、リスク回避の動きが出ると、戻りを売られた。一代高値更新に失敗し、テクニカル面での強気観が後退したことも上値を抑える要因である。当面は新型コロナウイルスの変異種の感染急増と景気見通しを確認しながら方向性を模索することになりそうだ。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、7日のロンドンで18.87トン(前週末18.84トン)、8日のニューヨークで38.72トン(同38.74トン)、南アで16.07トン(同16.07トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月5日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万7,622枚(前週2万5,829枚)に拡大した。

ニューヨーク金はレンジ相場を継続

ニューヨーク金2月限はドル安・インフレ見通しを受けて年明けに急伸し、昨年11月9日以来の高値1,962.5ドルを付けた。しかし、米国債の利回り上昇に加え、米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想外に減少し、リスク回避の動きとなったことを受けて1,900ドルの節目を割り込むと、テクニカル要因の売りが出て急落した。年明けの乱高下も1,767.2〜1,973.3ドルのレンジ内の動きとなり、テクニカル面で中立である。新型コロナウイルスのワクチン普及で中長期の景気回復期待が強いが、変異種により感染拡大が加速しており、短期的にはリスク回避の動きが警戒され、上値を抑える要因である。当面は20日のバイデン政権誕生に向けた動きも確認したい。

1月11日からの週の注目ポイント

11日 成人の日12日国際収支・経常収支(11月) ☆☆
13日 ユーロ圏鉱工業生産(11月) ☆☆
米消費者物価指数(12月) ☆☆☆
米地区連銀経済報告(ベージュブック) ☆☆
米財政収支(12月) ☆☆
14日 機械受注(11月) ☆☆
中国貿易収支(12月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米輸出入物価指数(12月)
15日 英鉱工業生産指数(11月) ☆☆
米小売売上高(12月) ☆☆☆
米生産者物価指数(12月) ☆☆
米ニューヨーク連銀製造業景況指数(1月) ☆☆
米鉱工業生産・設備稼働率(12月) ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(1月速報値) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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