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2021-12-08 03:04:32

金は米中対立や米雇用統計を確認

2020/6/1
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米中対立で安値拾いの買いも経済制裁はなし

5月25日の週のニューヨーク金市場は、株高による利食い売りが圧迫要因となったが、米中の対立に対する懸念が出ると、安値拾いの買いが入って地合いを引き締めた。期近8月限は5月7日以来の安値1,701.6ドルを付けたのち、下げ一服となった。経済活動再開に対する期待感が金の圧迫要因になった。全米50州でロックダウン(都市封鎖)が一部緩和された。また欧州では5月の独IFO業況指数が79.5と前月の74.2から上昇し、事前予想の78.5も上回った。欧州連合(EU)の欧州委員会は、新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた域内経済への支援策として7,500億ユーロの復興基金案を公表した。日本でも緊急事態宣言が解除され、株高要因となった。米ニューヨーク市が6月8日に経済活動を再開する予定であり、今後の米経済に対する見方も確認したい。一方、インドは5月末までロックダウン(都市封鎖)を延長していたが、30日に全国的なロックダウンを段階的に解除すると発表した。6月8日からショッピングモールやレストラン、礼拝場所を再開する。ただ都市部の出稼ぎ労働者が帰省することで、地方での感染拡大が警戒されている。
米中の対立に対する懸念が金の下支え要因になった。中国の全国人民代表大会(全人代)は28日、香港統制を強化する国家安全法の導入方針を採択した。英米、オーストラリア、カナダの4カ国が香港返還協定に違反するとして、中国の対応を非難する共同声明を発表した。トランプ米大統領は、香港に対する優遇措置を撤廃するよう政権に指示したと明らかにした。米大統領は「中国は、香港に約束していた『一国二制度』を『一国一制度』に変えた」と批判し、関税やビザ(査証)発給などに関する措置を見直す手続きに入るとした。また中国人民解放軍との関係が疑われる中国人が追放されるとみられている。ただ経済制裁はなく、今後の米中関係の行方を確認したい。一方、白人警官による黒人暴行死を受けて全米で抗議デモが起こった。主要都市で夜間外出禁止令が出されたが、デモ隊は暴徒化し、警察と衝突した。軍が出動するかどうかも当面の焦点である。
今週は5月の米雇用統計の発表がある。事前予想は非農業部門雇用者数が800万人減、失業率は19.6%(前月14.7%)となっている。経済活動再開で先行きに対する期待感が出ているが、労働市場の悪化は続いており、実体経済の回復は遅れている。第1四半期の米国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比5.0%減と速報値の4.8%減から下方改定され、2007〜09年の金融危機以降で最大の落ち込みとなった。第2四半期はGDPが年率で最大40%減になると予想され、リセッション(景気後退)に入ったとみられている。また米新規失業保険申請件数は212万3,000件と前週の244万6,000件から鈍化したが、10週連続で200万件を上回った。
5月29日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.43トン増の1,123.14トンとなった。米中の対立に対する懸念から投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月26日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは23万7,914枚となり、前週の25万1,788枚から縮小した。今回は手じまい売りが7,246枚、新規売りが6,628枚出て1万3,874枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは買い一巡後に上げ一服も金堅調が下支え

ニューヨーク・プラチナ期近7月限はレンジ上放れ後の買いが一巡し、上げ一服となったが、経済活動再開に対する期待感や金堅調が下支えになった。ただ日産がバルセロナ工場の閉鎖を決定、ルノーは全世界で1万5,000人の人員削減を予定し、自動車メーカーに対する先行き懸念が出ている。一方、南アの鉱山会社シバニェ・スティルウォーターは、新型コロナウイルスの検査で120人中51人から陽性反応が出たと発表した。鉱山会社の感染拡大で今後の生産再開に遅れが出ると、下支え要因になるとみられる。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、27日のロンドンで16.45トン(前週末16.48トン)、29日のニューヨークで25.43トン(同25.43トン)、南アで21.40トン(同21.83トン)となった。上値を伸ばせず、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月26日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万3,023枚となり、前週の2万2,013枚から拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。

ニューヨーク金は1,700ドル台維持で安値拾いの買い

ニューヨーク金8月限は株高による利食い売りが圧迫要因となり、5月7日以来の安値1,701.6ドルを付けたのち、米中の対立に対する懸念をきっかけに安値拾いの買いが入って地合いを引き締めた。中国が香港の国家安全法を導入するとし、米中対立から金ETF(上場投信)に投資資金が流入した。ただ米大統領は香港の優遇措置撤廃にとどめ、経済制裁は課さなかった。米中関係の悪化に対する懸念が後退すると、金はレンジ相場を継続することになりそうだ。

6月1日からの週の注目ポイント

1日 ニュージーランド、独スイス休場
中国財新製造業購買担当者景況指数(5月) ☆☆
米ISM製造業景況指数(5月) ☆☆☆
2日 オーストラリア準備銀行政策金利発表 ☆☆☆
3日 中国財新サービス業購買担当者景況指数(5月) ☆☆
ユーロ圏雇用統計(4月) ☆☆
ADP全米雇用報告(5月) ☆☆☆
米製造業新規受注(4月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(5月) ☆☆☆
カナダ銀行政策金利発表 ☆☆☆
4日 欧州中央銀行(ECB)理事会 ☆☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米貿易収支(4月) ☆☆
5日 独製造業受注(4月) ☆☆
米雇用統計(5月) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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