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2019-12-11 09:16:30

金は米中の通商協議の行方を確認

2019/12/2
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

NY金のコールオプションに大口の買い

11月25日の週のニューヨーク金市場は、米中の通商協議に対する期待感に上値を抑えられたが、米国で香港人権法案が成立し、米中の対立に対する警戒感が出たことを受けて押し目を買われた。中国の環球時報は25日、米中の通商協議について第1段階の合意が非常に近いと報じた。オブライエン米大統領補佐官も、年内に第1段階の最終合意に至る可能性は依然としてあるとの見解を示し、期待感が金の上値を抑える要因になった。ただ中国と米国が26日、対話を続けることで同意したと伝えられると、期待感が一服した。一方、トランプ米大統領は27日、香港人権法案に署名し、同法は成立した。中国政府は28日、「断固とした報復措置」を取ると表明し、香港に干渉しようとする試みは失敗すると警告した。中国は香港人権法案の起草者を入国禁止者リストに加えることを検討していると伝えられ、報復措置による米中の対立に対する警戒感が出ている。香港では1日、大規模な反政府デモが行われ、警官隊も催涙弾を発射し、衝突が再燃する可能性が出てきた。区議会議員選挙で民主派候補が圧勝し、民意が示されたが、デモ隊は普通選挙実現など「5大要求」を掲げている。香港政府は「独立検討委員会」の設置と反応は限られ、衝突が中国の介入を招くと、米国が動く可能性も出てくる。

米中の通商協議に対する期待感や好調な米経済指標を受けて米主要株価指数が最高値を更新したことが金の上値を抑える要因になった。ただ米国は12月15日に中国製品に対する追加関税を予定している。協議が続いていることから、発動は見送られるとみられており、米政府の発表を確認したい。一方、第3四半期の米国内総生産(GDP)改定値は前期比2.1%増と速報値の1.9%増から上方修正された。事前予想は1.9%増。10月の米耐久財受注は前月比0.6%増と事前予想の0.9%減から予想外に増加した。コア資本財(非国防資本財から航空機を除く)受注は同1.2%増と1月以来の大幅な伸びとなった。10月の米個人消費統計で、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア個人消費支出(PCE)価格指数は同0.1%の伸びにとどまった。ただニューヨーク連銀の調査論文で、米政権による中国製品への関税負担が米消費者に回っていることが明らかになった。しかし、ロイターが小売り分析企業に委託した調査によると、米国の年末商戦で、大手小売企業がオンライン販売する多くの製品の価格が前年比で横ばい程度に抑えられた。当面は年末商戦の動向も確認したい。

ニューヨークの金オプション市場で11月27日、2021年6月限の権利行使価格4,000ドルのコールオプションが3.50ドルで5,000枚成立した。米中の通商協議に対する期待感を受けて来年の景気見通しが改善し、金の上値を抑える要因になっているが、第2段階の協議が来年の米大統領選前に合意に達する可能性は低いとの見方が出ており、長期的な豪に対する懸念が出ている。また米国の財政に対する懸念が出ている。英フィナンシャル・タイムズ紙の25日付けの金に関する記事によると、アナリストのグローメン氏は、米国の年間医療保険給付金支払額に防衛費と連邦債務の利払いを加えると、総額は米連邦政府の税収の112%と計算し、米国が支払いを続けるには、資産価格が上昇するか、米連邦準備理事会(FRB)が紙幣を印刷する必要があるとしている。

11月29日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比3.81トン増の895.60トンとなった。米中の通商協議に対する期待感が強いが、安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月19日時点でニューヨーク金の大口投機家の買い越しは28万5,859枚(前週26万7,066枚)。感謝祭の祝日の影響で26日時点の内訳は2日に発表される。

【プラチナはレンジ相場を継続】

ニューヨーク・プラチナ期近1月限は、金軟調やドル高を受けて戻りを売られたが、900ドル割れの安値を買い拾われて下げ一服となった。米中の通商協議に対する期待感から金が軟調に推移したことが圧迫要因になった。ただ米主要株価指数が最高値を更新するなか、パラジウムが史上最高値を更新し、プラチナの下支え要因になった。また上海プラチナの出来高を見ると、900ドル台の戻り場面では買いが見送られたが、900ドル割れで安値拾いの買いが入った。引き続き買われると、下値は限られるとみられる。ただ来年の供給過剰が見込まれており、レンジ相場が続く見通しである。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、11月28日のロンドンで17.92トン(前週末17.73トン)、27日のニューヨークで23.30トン(同23.74トン)、29日の南アで31.66トン(同31.20トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月19日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは4万2,085枚(前週3万8,459枚)。感謝祭の祝日の影響で26日時点の内訳は2日に発表される。

ニューヨーク金は底固くダブルボトムを形成

ニューヨーク金2月限は、8月2日以来の安値1,453.1ドルを付けたのち、米中の通商協議に対する期待感に上値を抑えられた。しかし、米国で香港人権法案が成立し、米中の対立に対する懸念が出ると、押し目を買われ、ダブルボトムを形成した。ネックラインとなる11月20日の高値1,486.0ドルを突破すれば1,500ドルを目指す可能性が出てくる。今週は米中の通商協議の行方や米雇用統計などの発表を確認したい。

12月2日からの週の注目ポイント

2日 中国財新製造業購買担当者景況指数(11月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(11月確報) ☆☆
米ISM製造業景況指数(11月) ☆☆☆
米建設支出(10月)
3日 豪準備銀行政策金利発表 ☆☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(10月) ☆☆
4日 中国財新サービス業購買担当者景況指数(11月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(11月確報) ☆☆
全米雇用報告(11月) ☆☆☆
米ISM非製造業景況指数(11月) ☆☆☆
カナダ銀行政策金利発表 ☆☆☆
5日 独製造業受注(10月) ☆☆
ユーロ圏国内総生産(7-9月期確報) ☆☆☆
ユーロ圏小売売上高(10月)  ☆☆
米貿易収支(10月) ☆☆
米製造業新規受注(10月) ☆☆
6日 独鉱工業生産指数(10月) ☆☆
米雇用統計(11月) ☆☆☆
米卸売在庫(10月)
米ミシガン大消費者信頼感指数(12月速報) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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