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2019-10-17 20:30:01

金は米国とメキシコの合意で調整局面を警戒

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は月末のG20サミットに向けた動きも焦点

6月3日の週のニューヨーク金市場は、貿易摩擦に対する懸念や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測などを受けて堅調となった。期近8月限は2月21日以来の高値1,352.7ドルを付けた。トランプ米大統領はメキシコが米国への不法移民流入を止めるまで米国はメキシコからの輸入品に関税を課すと表明した。米中の対立が長期化するなか、貿易摩擦に対する懸念が高まった。ただ米大統領は7日、不法移民対策を巡りメキシコと合意したことを明らかにし、メキシコ製品への制裁関税発動を無期限で停止すると表明した。貿易摩擦に対する懸念が後退すると、金は利食い売り主導の調整局面が警戒される。一方、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は9日、激しさを増す米中貿易摩擦を念頭に、G20各国が「リスクに対処し続け、さらなる行動をとる用意がある」と明記した共同声明を採択し、閉幕した。次は28〜29日に大阪で開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に向けた動きが焦点である。米大統領はG20サミット期間中に予定されている習近平中国国家主席との会談後に、新たな対中関税を発動するか決定すると述べた。

米金融当局者の発言などを受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が高まった。米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、世界的な貿易を巡る緊張の高まりによる世界経済に対するリスク、および低調な米インフレを踏まえると、米利下げは「近く正当化」される可能性があるとの考えを示した。パウエル米FRB議長は、FRBは世界的な貿易戦争などに起因するリスクに「適切に」対応すると述べた。また5月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数の伸びが大幅に鈍化したほか、賃金上昇率も予想を下回った。非農業部門雇用者数は7万5,000人増加と事前予想の18万5,000人増を下回った。3月と4月を合わせた雇用者数は従来から7万5,000人分下方改定された。時間当たり平均賃金は前月比0.2%増と事前予想の0.3%増を下回った。CMEのフェドウォッチによると、12月のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準の確率は1.50〜1.75%が35.5%(前週25.7%)、1.75〜2.00%が32.6%(同35.6%)、2.00〜2.25%が12.2%(同23.3%)となった。2.25〜2.50%に据え置きの確率は1.4%(同5.8%)に低下した。景気の先行き懸念を受けて2〜3回利下げの見方が強まった。金ETF(上場投信)に逃避買いが入ると、価格を押し上げる要因になるとみられる。

英国ではメイ首相が7日に保守党党首を辞任し、後継者選びに入った。11人が次期党首に名乗りを挙げている。保守党議員による数段階の投票が13日から実施され、候補者が2人に絞られるまで続く。6月22日に候補者の演説会を開き、7月22日の週に保守党党員による投票にかけられ、勝者が党首になる。6日の英下院補欠選挙で、最大野党の労働党が議席を守った。ブレグジット党は次点となり、国政進出に失敗した。欧州議会選挙で、ブレグジット党が最多議席を獲得しており、同党の候補が補選に勝利すれば次期首相に離脱を強硬に推進するよう圧力がかかるとみられていた。ただ今回の補選でブレグジット党が欧州連合(EU)離脱の支持層を与党・保守党から奪っており、離脱支持が優勢に変わりはない。次期党首の最有力候補と目されるジョンソン前外相はこれまで、現在の離脱期日である10月31日までに離脱を実現しなければ、次期総選挙で保守党は「政治から消滅」すると警告している。

6月7日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比13.21トン増の756.42トンとなった。貿易摩擦に対する懸念や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月4日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは15万6,115枚となり、前週の8万6,688枚から拡大した。今回は新規買いが4万6,014枚、買い戻しが2万3,413枚入り、6万9,427枚買い越し幅を拡大した。

プラチナは貿易摩擦に対する懸念で上げ一服

ニューヨーク・プラチナ期近7月限は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測によるドル安をきっかけに買い戻し主導で上昇し、5月17日以来の高値833.3ドルを付けた。しかし、貿易摩擦に対する懸念が残ることからドル安が一服すると、戻り売り圧力が強まり、上げ一服となった。ただ再び800ドルの節目を試したが、6日のニューヨークの指定倉庫在庫が減少し、実需筋の買い戻しが入った。またトランプ米大統領が7日、不法移民対策を巡りメキシコと合意したことを明らかにしており、貿易摩擦に対する懸念が後退すると、買い戻しを促す要因になるとみられる。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、6日のロンドンで10.81トン(前週末10.74トン)、7日のニューヨークで21.16トン(同20.73トン)に増加、南アで31.50トン(同31.57トン)に減少した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月4日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは7,069枚(前週7,891枚)に縮小した。新規売りが新規買いを上回った。

ニューヨーク金は1,350ドルの節目を試す

ニューヨーク金8月限は、貿易摩擦に対する懸念や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を受けて堅調となり、2月21日以来の高値1,352.7ドルを付けた。金ETF(上場投信)に逃避買いが入るなか、複数の抵抗線を突破し、テクニカル面で強気である。1,350ドルの節目を試しており、主要抵抗線となる2月高値1,361.5ドルを突破できるかどうかが当面の焦点である。ただトランプ大統領が、不法移民対策を巡りメキシコと合意したことを明らかにした。RSIが買われ過ぎの水準に入っており、利食い売り主導の調整局面が警戒される。

6月10日からの週の注目ポイント

10日

豪州、ドイツ、スイス休場 

国内総生産(1-3月期2次速報)

☆☆☆

国際収支・経常収支(4月)

☆☆

中国貿易収支(5月)

☆☆

英貿易収支(4月)

英鉱工業生産指数(4月)

☆☆

11日

英雇用統計(5月)

☆☆

米生産者物価指数(5月)

☆☆

12日

企業物価指数(5月)

☆☆

機械受注(4月)

☆☆

中国消費者物価指数(5月)

☆☆

中国生産者物価指数(5月)

☆☆

米消費者物価指数(5月)

☆☆☆

米財政収支(5月)

☆☆

13日

独消費者物価指数(5月確報)

☆☆

ユーロ圏鉱工業生産(4月)

☆☆

米輸出入物価指数(5月)

14日

中国小売売上高(5月)

☆☆

中国鉱工業生産(5月)

☆☆

米小売売上高(5月)

☆☆☆

米鉱工業生産・設備稼働率(5月)

☆☆

米企業在庫(4月)

米ミシガン大消費者信頼感指数(6月速報)

☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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