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2021-12-01 18:10:58

金は米中対立や経済指標が焦点

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

【金は英国の合意なきEU離脱に対する懸念も支援要因】

5月20日の週のニューヨーク金市場は、米中の対立に対する懸念や株価急落を受けて急反発した。期近8月限は17日以来の高値1,292.5ドルを付けた。米政府は華為技術(ファーウェイ)規制に加え、大手ビデオ監視機器メーカーの曠視科技(メグビー)、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など中国企業5社について、米国の重要技術利用を事実上禁じることを検討していると伝えられたことを受けて米中の対立に対する懸念が高まった。人民日報はファーウェイへの米国の規制について、米国の一部政治家がテクノロジー冷戦を仕掛けていると論説で示した。またポンペオ米国務長官が、中国は米国の安全保障に深刻なリスクを及ぼしており、ファーウェイとの取引を停止する米国企業は今後増えるとの見方を示すと、リスク回避の動きが加速した。6月28〜29日に大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて行われる米中首脳会談までに通商協議に進展が見られるかどうかが当面の焦点である。

欧米の弱い経済指標を受けて米10年債利回りが2.296%まで低下し、2017年以来の低水準となった。またCMEのフェドウォッチによると、10月のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準は2.00〜2.25%への利下げ確率が43.7%(前週41.8%)に上昇、据え置きの確率は39.7%(同42.2%)に低下した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が高まり、ドル高が一服したことも金の支援要因になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、多くの参加者が最近のインフレ減速は「一過性の公算が大きい」とみていると指摘されたが、今後は米中の関税引き上げの影響が懸念されており、経済指標が弱い内容になると、景気減速懸念から株安に振れる可能性が出てくる。ニューヨーク連銀は調査報告書で、今月の対中関税引き上げによって、平均的な米世帯が被るコストが1世帯当たり年間831ドルになると試算した。2018年の414ドルから倍増する。

メイ英首相は24日、首相官邸前で演説し、6月7日に与党・保守党の党首を辞任すると表明した。同首相は欧州連合(EU)との関税同盟への一時的残留や再国民投票の可能性を盛り込んだ提案を発表したが、保守党のレッドソム下院院内総務が辞任を表明し、ジャビド内相やハント外相など他の閣僚も、EU離脱協定法案を支持しない立場を明確にした。また保守党内で一般議員の利害を代表する「1922年委員会」からは、不信任投票の道を開く党規則変更の可能性を突きつけられた。次期首相として、EUとの早期決別を主張する離脱強硬派のジョンソン前外相が、現時点で最有力候補とみられている。「合意なき離脱」に対する懸念が出ると、リスク回避の動きにつながる可能性がある。

5月24日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比2.64トン増の738.81トンとなった。米中の対立に対する懸念を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月21日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは8万8,805枚となり、前週の12万4,536枚から縮小した。今回は手じまい売りが2万2,733枚、新規売りが1万2,998枚出て、3万5,731枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは米中対立で800ドルを割り込む

ニューヨーク・プラチナ期近7月限は、米中の対立に対する懸念や株価急落を受けて軟調となり、2月15日以来の安値796.6ドルを付けた。米政府のファーウェイ規制で米中の通商協議に対する先行き懸念が高まったことや株価急落によるリスク回避の動きが圧迫要因になった。上海プラチナの出来高が増加し、安値拾いの買いも入っているが、欧米の経済指標が弱い内容となり、景気の先行き懸念も強く、需要が伸び悩むと、圧迫要因になるとみられる。テクニカル面では2月安値786.2ドルが当面の支持線であり、ここを維持できるかどうかを確認したい。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、16日のロンドンで11.08トン、24日のニューヨークで20.58トン(同20.29トン)に増加、南アで31.57トン(同32.00トン)に減少した。ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は四半期報告で第1四半期のプラチナETFへの投資資金の流入が過去最高となったことを指摘したが、失望感から投資資金が流出すると下げ要因になるとみられる。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月21日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万5,490枚(前週2万5,750枚)に縮小した。新規売りが新規買いを上回った。

ニューヨーク金は安値維持で急反発

ニューヨーク金8月限は、ドル高が圧迫要因となったが、米中の対立に対する懸念や弱い経済指標による株価急落を受けて急反発し、17日以来の高値1,292.5ドルを付けた。米政府のファーウェイ規制で中国がテクノロジー冷戦と指摘し、対立が長期化するとの見方が出た。リスク回避の動きを受けて株価が急落しており、経済指標で景気見通しを確認したい。テクニカル面では2日安値1,273.1ドルを維持して値を戻しており、1,300ドル台を回復できるかどうかが当面の焦点である。

5月27日からの週の注目ポイント

27日

英国、米国休場

景気動向指数(3月改定状況)

28日

米S&Pケース・シラー住宅価格指数(3月)

☆☆

米消費者信頼感指数(5月)

☆☆

29日

独雇用統計(5月)

☆☆

カナダ銀行政策金利発表

☆☆☆

30日

スイス休場

米国内総生産(1-3月期改定値)

☆☆☆

米中古住宅販売仮契約指数(4月)

☆☆

31日

労働力調査(失業率)(4月)

☆☆

鉱工業生産指数(4月速報)

☆☆

小売業販売額(4月速報)

中国製造業購買担当者景況指数(5月)

☆☆

独消費者物価指数(5月速報)

☆☆

米個人所得・支出(4月)

☆☆☆

シカゴ購買部協会景気指数(5月)

☆☆

米ミシガン大消費者信頼感指数(5月確報値)

☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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