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2019-07-21 23:50:39

金は米中の通商協議継続で上値重い

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

【金は米国の対中追加関税の行方を確認】

5月6日の週のニューヨーク金市場は、リスク回避の動きを受けて堅調となり、期近6月限が4月15日以来の高値1,292.8ドルを付けた。トランプ米大統領が中国に対する関税引き上げを表明し、リスク回避の動きとなった。米中の通商協議で、中国側が一部の合意済み事項について態度を転換したことに対応した。米国は10日から2,000億ドル相当の中国製品に対する関税を10%から25%に引き上げた。米中の通商協議は継続することで合意し、交渉決裂は回避された。ただ米国は今後3〜4週間のうちに合意に達しなければ3,250億ドル相当の中国製品に対しても25%の関税を課すとしており、先行き不透明感が残っている。

米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見でインフレ低下は一時的要因の可能性と指摘されたが、中国に対する関税引き上げを受けて利下げの見方が出た。9日の米国債市場では10年債と3カ月物財務省短期証券(TB)金利の差が一時マイナスに転じた。逆イールドはリセッション(景気後退)の前兆となる可能性がある。関税引き上げは輸入物価を押し上げ、インフレ圧力となるが、消費者や企業の支出が抑制されることで景気全体に悪影響が及ぶとみられている。また4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇だった。事前予想の0.4%上昇を下回った。基調的な物価は小幅な伸びにとどまり、米連邦準備理事会(FRB)がしばらく金利を据え置くことを示唆している。

地政学的リスクの行方も金の焦点である。北朝鮮は9日に短距離ミサイルとみられる飛翔体2発を発射した。米大統領は、米国は極めて深刻に受け止めていると述べ、北朝鮮は米国との交渉を望んでいるものの、交渉に向けた準備はまだ整っていないとの見方を示した。また米司法省は9日、北朝鮮船舶を差し押さえたと発表した。北朝鮮から不正に石炭を輸出し米国や国連の制裁に違反したという。米国が北朝鮮船舶を差し押さえるのは初めてであり、米朝関係の行方を確認したい。一方、シャナハン米国防長官代行は6日、「イラン政府による軍事的脅威」の兆しがあるとして、中東への空母打撃群と爆撃部隊の派遣を承認したことを明らかにした。イランのロウハニ大統領は8日、2015年の核合意について一部の履行を停止したと明らかにした上で、参加国が合意に基づく約束を守らなければ、高レベルのウラン濃縮を再開すると警告した。米大統領は、イランに対する経済制裁の対象に鉄鋼の取引も加える大統領令に署名した。

5月10日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比7.59トン減の733.23トンとなった。米中の通商協議で交渉決裂が回避され、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月7日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは7万5,411枚となり、前週の6万6,219枚から拡大した。今回は新規買いが8,526枚、買い戻しが666枚入り、9,192枚買い越し幅を拡大した。

プラチナは米国の対中関税引き上げが圧迫要因

ニューヨーク・プラチナ期近7月限は、5月3日以来の安値849.4ドルを付けたのち、下げ一服となった。トランプ米大統領が中国に対する関税引き上げを表明し、リスク回避の動きとなったことが圧迫要因となったが、米中の通商協議で交渉決裂が回避されると下げ一服となった。ただ今後の協議次第で、米国は3,250億ドル相当の中国製品に対しても25%の関税を課すとしており、先行き不透明感が残っている。関税引き上げで景気の先行き不透明感が強まるようなら、プラチナの上値を抑える要因になるとみられる。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、9日のロンドンで11.09トン(3日10.94トン)に増加、10日のニューヨークで20.29トン(同20.58トン)、南アで32.30トン(同32.52トン)に減少した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月7日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万8,693枚(前週3万3,322枚買い越し)に縮小した。

ニューヨーク金は下げ一服も投資資金流出が上値を抑える

ニューヨーク金6月限は、リスク回避の動きを受けて堅調となり、4月15日以来の高値1,292.8ドルを付けたが、米中の通商協議の結果待ちで上値は限られた。米国が中国に対する関税引き上げを発動し、リスク回避の動きとなった。米中の通商協議では交渉決裂が回避され、金ETF(上場投信)から投資資金が流出した。ただ今後の協議の行方次第では残りの中国製品に対して25%の関税を課すとしており、先行き不透明感が残っている。

5月13日からの週の注目ポイント

13日

香港休場

景気動向指数(3月速報)

14日

国際収支・経常収支(3月) 

☆☆

独消費者物価指数(4月確報)

☆☆

独ZEW景況感指数(5月) 

☆☆

ユーロ圏鉱工業生産(3月)

☆☆

米輸出入物価指数(4月)

☆☆

15日

中国小売売上高(4月)

☆☆

中国鉱工業生産(4月)

☆☆

独国内総生産(1-3月期速報)

☆☆☆

ユーロ圏域内総生産(1-3月期改定)

☆☆☆

米小売売上高(4月)

☆☆☆

米ニューヨーク連銀製造業景況指数(5月)

☆☆

米鉱工業生産・設備稼働率(4月)

☆☆

対米証券投資(3月)

☆☆

16日

企業物価指数(4月)

ユーロ圏貿易収支(3月) 

米住宅着工・許可件数(4月) 

☆☆

米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(5月)

☆☆

17日

ユーロ圏消費者物価指数(4月確報)

☆☆☆

米ミシガン大消費者信頼感指数(5月速報値)

☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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