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2021-12-08 03:59:21

金はドル高再開なら戻り売り圧力が強まる

提供:SBIゴールド

金は米中の貿易戦争や米雇用統計を確認

8月27日の週のニューヨーク金市場は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演をきっかけにドル安に振れたことが支援要因となったが、米国の長期金利上昇やリスク回避の動きを受けて上げ一服となった。12月限は、28日に8月13日以来の高値1,220.7ドルを付けたのち、上げ一服となった。トランプ米大統領が、2,000億ドル規模の中国製品に対する追加関税を発動させる意向を示しており、貿易戦争の行方などを確認したい。また米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉はまとまらず、9月5日に再開されることとなり、7日には8月の米雇用統計の発表がある。

トランプ米大統領は、パブリックコメント期間終了後、2,000億ドル規模の中国製品に対する追加関税を発動させる意向を示した。パブリックコメント期間は9月6日に終了する見込み。中国は600億ドル相当の米国製品に追加関税を課す報復措置を講じる方針としており、米中の貿易戦争が続く見通しである。米大統領は11月の米中間選挙に向けて遊説で貿易赤字を解消するとしており、中国に対する圧力が続くことになりそうだ。米国の中国からの輸入規模が5,000億ドルであるのに対し、米国の中国への輸出規模は1,300億ドルで貿易戦争は米国有利とみられている。リスク回避でドル高が再開すると、金の圧迫要因になる。一方、米国とメキシコが北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で27日、合意に達した。米国とカナダの協議も再開されたが、期限となる31日までに合意できず、5日に再開される見通しとなった。NAFTA再交渉で合意できればリスク選好の動きでドル安に振れることになる。ただ米大統領は自動車関税をゼロにするという欧州連合(EU)の提案を拒否した。米国は7月にEUと貿易戦争回避で合意したが、欧米の貿易摩擦に対する懸念が再燃する可能性もありそうだ。

米中の貿易戦争が激化するなか、北朝鮮の非核化が進まず、先行き懸念が残る。6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は非核化に合意していた。トランプ米大統領は24日、米政府が目指している朝鮮半島の非核化に向けた進展が遅過ぎるとして、ポンペオ国務長官の訪朝計画を中止した。米大統領は一方、同委員長と「近く会えることを楽しみにしている」と2度目の首脳会談開催に重ねて意欲を示した。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、26日付の論評で、米国が北朝鮮に対して「裏表があり」、「犯罪をたくらんでいる」などとして非難した。マティス米国防長官は、米朝首脳会談を受けて一部の米韓合同軍事演習を中止したことに言及し、「現時点でこれ以上演習を中止する予定はない」と表明した。しかし、米ホワイトハウスは、米大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と良好な関係を築いていると考えており、米韓軍事演習を再開する理由は現時点でないと認識している、と発表した。米大統領は、米朝交渉が進まない背景には中国の影響があるとの見方を示しており、今後の行方を確認したい。北朝鮮に対する懸念が出ると、金が見直される可能性も出てくる。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、8月28日時点のニューヨーク金の大口投機家の売り越しは3,063枚となり、前週の8,710枚から縮小した。今回は手じまい売りが6,130枚、買い戻しが1万1,777枚入り、5,647枚売り越しを縮小した。一方、8月31日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比9.42トン減の755.16トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ見通しなどを受けて投資資金が流出した。

プラチナは800ドル台で上値を抑えられる

ニューヨーク・プラチナ10月限は、8月13日以来の高値810.0ドルを付けたのち、上げ一服となった。米国の長期金利上昇を受けてドル安が一服したことや、リスク回避の動きに上値を抑えられた。米大統領が、2,000億ドル規模の中国製品に対する追加関税を発動させる意向を示しており、貿易戦争の行方も焦点である。ただパラジウムが供給ひっ迫に対する懸念を受けて950ドル台を回復したことが下支え要因である。8月の米新車販売台数の増加が予想されており、販売動向も確認したい。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、8月28日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の売り越しは1万0,976枚となり、前週の1万0,992枚から小幅に縮小した。買い戻しが手じまい売りを上回った。一方、プラチナETF(上場投信)の現物保有高は31日のロンドンで9.97トン(24日9.91トン)に増加、ニューヨークで19.20トン(同19.34トン)、南アで23.38トン(同23.50トン)に減少した。

ニューヨーク金は1,200ドル台で戻りを売られる

ニューヨーク金12月限は、ドル安を受けて8月13日以来の高値1,220.7ドルを付けたが、上げ一服となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演でインフレ高進のリスクはないとの見方を示し、ドル安に振れたことが支援要因となった。ただ米FRBの利上げ見通しに変わりはなく、米国の長期金利が上昇したことや、新興国市場に対する懸念からリスク回避の動きが出たことから、ドル安が一服し、金の上値を抑える要因になった。25日間移動平均線に上値を抑えられるなか、金ETF(上場投信)からの投資資金流出が続いており、1,200ドルの節目を割り込むと、2番底を探りに行くことになりそうだ。

9月3日からの週の注目ポイント

3日

米国・カナダ休場(勤労感謝の日)

中国財新製造業購買担当者景況指数(8月)

☆☆

ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(8月確報)

☆☆

4日

キャッシュレートターゲット公表(豪準備銀行)

☆☆☆

ユーロ圏生産者物価指数(7月) 

☆☆☆

米ISM製造業景況指数(8月)

☆☆☆

5日

中国財新サービス業購買担当者景況指数(8月)

☆☆

ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(8月確報)

☆☆

米貿易収支(7月)

☆☆

政策金利発表(カナダ銀行)

☆☆☆

6日

全米雇用報告(8月)

☆☆☆

米製造業新規受注(7月)

☆☆

米ISM非製造業景況指数(8月)

☆☆☆

7日

ユーロ圏国内総生産(4-6月期確報)

☆☆☆

米雇用統計(8月)

☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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