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2021-12-08 04:08:07

金は米中の貿易戦争に対する懸念で商品全面安が圧迫

提供:SBIゴールド

金はレンジ下放れでテクニカル悪化

6月11日の週のニューヨーク金市場は、米朝首脳会談での非核化合意や米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ、欧州中央銀行(ECB)の来夏までの金利据え置き見通しによるユーロ急落には反応が薄く、レンジ相場が続いた。
しかし、米国が中国に対する追加関税を課す方針を発表し、貿易戦争に対する懸念が強まって商品市場が全面安となると、金もつれ安となってレンジ下限を割り込み、8月限は2017年12月以来の安値1,277.9ドルを付けた。米国の対中追加関税に対し、中国が報復措置を発表した。米中ともに段階的に関税を課す方針であり、貿易戦争を回避できなければリスク回避の動きが広がるとみられる。金はECB理事会で年内の量的緩和(QE)終了が決定されており、金融政策の正常化見通しも圧迫要因だが、リスク回避の動きが強まると逃避買いが入る可能性も出てくる。またインドなどで安値拾いの買い意欲が強まるかどうかも確認したい。

トランプ米大統領は15日、中国からの総額500億ドルに上る知的財産権およびハイテクに関連する製品に対して25%の輸入関税をかけると明らかにした。米通商代表部(USTR)は第1弾として、7月6日付で340億ドル相当の中国からの輸入品に対して関税を適用する。USTRは第2弾として、半導体や幅広い電化製品、化学製品を含む160億ドル相当の284品目にも追加関税を課す方針とした。これに対して中国は16日、同規模の対抗措置を導入すると発表した。大豆や自動車、海産物など総額500億ドルの米製品659品目に対して25%の輸入関税を課す。340億ドルの農産品、自動車などには7月6日から適用し、他の品目については後日に発表する。

米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%利上げが決定され、年あと2回の利上げ予想が示された。合計年4回の利上げ見通しでタカ派の内容となった。一方、欧州中央銀行(ECB)理事会で量的緩和を今年9月以降は月間150億ユーロに縮小し、年内で終了する方針を決定したが、来年夏まで金利を据え置くとの見通しが示された。ECBが利上げに着手する時期の予想は来年9月に後ずれした。またドイツの格付け会社スコープは、イタリアの新政権が掲げる歳出拡大策や増税撤回計画について、既に懸念されている同国の債務の持続性を巡り不透明感を高めていると指摘した。欧米の金融政策やイタリアの政策に対する懸念はドル高要因である。

米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、朝鮮半島の完全な非核化を目指すことで合意、米政府は北朝鮮に体制保証を与えることを確約した。ポンペオ米国務長官は、米大統領が、北朝鮮と生産的で誠実な交渉が続いている間は、米韓合同軍事演習を凍結することを明確にした、と述べた。また同長官は中国、日本、韓国は朝鮮半島情勢が新たな局面に入ったとの認識を共有しているものの、北朝鮮が完全に非核化するまで制裁措置は解除されないとの見解で一致していることを明らかにした。非核化の詳細を欠いたが、合意できたことで戦争に対する懸念が後退した。当面は北朝鮮が実際に非核化に向けて動き出すかどうかを確認したい。


米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月12日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは12万0,240枚となり、前週の11万1,416枚から拡大した。今回は新規買いが7,431枚、買い戻しが1,393枚入り、買い越しを8,824枚拡大した。一方、6月15日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比変わらずの828.76トンとなった。

プラチナは再び900ドル割れに

ニューヨーク・プラチナ7月限は、米中の貿易戦争に対する懸念をきっかけに急落し、5月21日以来の安値885.8ドルを付けた。米中の追加関税の対象に自動車も含まれており、自動車触媒需要が伸び悩むと、圧迫要因になる。ただトムソン・ロイターGFMSの「プラチナ・グループ・メタルズ(PGM)・サーベイ2018」で底入れ見通しが示されており、一代安値877.8ドルを維持できるかどうかを確認したい。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月12日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは3,561枚となり、前週の2,146枚から拡大した。新規買い・買い戻しが入った。一方、プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、15日のロンドンで11.23トン(8日11.22トン)に増加、ニューヨークで15.83トン(同15.83トン)と変わらず、南アで25.26トン(同25.54トン)に減少した。

原油は22日のOPEC総会を確認

ニューヨーク原油は、石油輸出国機構(OPEC)総会を控えたポジション調整の動きを受けて堅調となったのち、米中の貿易戦争に対する懸念をきっかけに急落した。22日のOPEC総会では、サウジアラビアとロシアの増産計画に対し、イランやイラク、ベネズエラが抵抗する見通しである。また米中の貿易戦争が激化すると、需要減少につながるとみられ、関税措置の行方も確認したい。一方、米エネルギー情報局(EIA)が発表した6月8日までの週間石油統計で、原油在庫は前週比414万3,000バレル減少した。事前予想は260万バレル減。米原油生産は日量1,090万バレルと過去最高を更新した。一方、米油田サービス会社ベーカー・ヒューズから発表された6月15日までの週の米石油リグ稼動数は前週比1基増の863基となった。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月12日時点のニューヨーク原油の大口投機家の買い越しは59万5,293枚となり、前週の58万3,576枚から拡大した。新規買い・買い戻しが入った。一方、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引されている原油ETF(コード:USO)の残高は15日時点で1億3,430万株となり、前週末比590万株減少した。

ニューヨーク金はレンジ下放れで昨年12月以来の安値

ニューヨーク金8月限は米中の貿易戦争に対する懸念を受けて急落し、2017年12月以来の安値1,277.9ドルを付けた。米朝首脳会談や米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)理事会のイベントを消化し、1,300ドル前後でもみ合ったのち、商品全面安につれ安となった。米中の貿易戦争に対する懸念が続くと、需要減少の見方を背景としたファンド筋の手じまい売りを受けて引き続き下値を試すとみられる。ただドル安に転じると、金に逃避買いが入る可能性が出てくる。テクニカル面ではRSIが売られ過ぎの水準に近付いており、下げ余地が残っている。

6月18日からの週の注目ポイント

18日

日本貿易収支(5月)

ドラギECB総裁、講演

☆☆

アトランタ連銀総裁、講演

ウィリアムズ氏、NY連銀総裁に就任

上海・香港市場 休場

 

19日

メルカリ東証マザーズに上場

米住宅着工件数(5月)

☆☆

ドラギECB総裁、講演

☆☆

セントルイス連銀総裁、討論会出席

20日

日銀議事録(4月26日、27日分)

☆☆

米中古住宅販売件数(5月)

☆☆

ブラジル中銀政策金利

黒田日銀総裁、ドラギECB総裁、パウエルFRB議長、ロウ豪中銀総裁討論会出席 

☆☆

21日

英中銀政策金利

☆☆☆

米景気先行指数(5月) 

☆☆

カーニー英中銀総裁、講演

☆☆

ユーロ圏財務相会合 

FRB、銀行のストレステスト結果公表

22日

日本消費者物価指数(5月) 

☆☆☆

独・ユーロ圏製造業PMI速報値(6月) 

☆☆

EU財務相理事会

OPEC総会

☆☆

24日

トルコ大統領選、総選挙  

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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