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金はドル安で堅調
提供:SBIゴールド
金は米FOMCなどを確認
1月22日週のニューヨーク金市場は、2月限がドル安を受けて2017年9月8日以来の高値1,365.4ドルを付けた。米議会で2月8日までのつなぎ予算が成立したが、欧州中央銀行(ECB)理事会を控えてユーロに押し目買いが入ったことや、ダボス会議での要人発言を受けてドル安が進んだ。ムニューシン米財務長官が「明らかにドル安はわれわれにとり良いことだ。貿易や各種機会に関わるからだ」と述べ、ドル安を歓迎する姿勢を示した。ただECB理事会で金融政策やガイダンスの据え置きが決定されるなか、ドラギECB総裁がユーロ高をけん制した。またトランプ米大統領はCNBCのインタビューで「ドルがさらに強くなり、最終的には強いドルが望ましい」と述べた。ただダボス会議の講演で「米国第一主義」を唱え、不公正な貿易慣行に対し警告を発しており、今後、通商問題に対する懸念が強まると、ドル売り要因となる可能性もある。一方、円相場は黒田日銀総裁の発言を受けて円高が進んだ。同総裁は日銀金融政策決定会合後の会見で、現行の金融緩和を粘り強く続けていくことを何度も強調し、市場にくすぶる正常化観測をけん制した。ただダボス会議で「日本は緩やかな景気拡大を続ける可能性が高い。日本は2%のインフレ目標にようやく近い状況にある」と述べたことをきっかけに円高が進んだ。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や米大統領の一般教書演説、米雇用統計などの発表があり、ドル高に転じるかどうかが焦点である。米大統領は一般教書演説で24日に明らかにした今後10年で1兆7,000億ドル規模のインフラ投資の詳細が公表する見通しとなっている。
アジア市場で、インド勢は調整局面の安値待ちで5ドルまでディスカウントが拡大したが、前週は先高観から一部で買い始める向きが出たことから最大3ドルのディスカウントとなった。ただ多くの業者は2月から輸入関税が引き下げられることを期待して高値での買いを見送っている。一方、中国の金プレミアムは7ドルと前々週の8ドルから下落した。ただ2月16日から始まる旧正月の需要は堅調とみられており、実需筋の買い意欲は強い。また仮想通貨がここ数週間、上値が重くなっていることから、一部で貴金属に資金を移す動きが期待されている。
米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは21万4,684枚となり、前週の21万1,711枚から拡大した。今回は新規買いが3,949枚、新規売りが976枚入り、買い越しを2,973枚拡大した。一方、1月26日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比1.48トン増の848.14トンとなった。米政府機関閉鎖を受けて投資資金が流入したが、米大統領の発言を受けてドル安が一服すると、利食い売りが出た。
プラチナ一段高も欧米のETFに利食い売り
ニューヨーク・プラチナ4月限は、ドル安を受けて2017年3月以来の高値1,033.3ドルを付けた。ニューヨークの指定倉庫在庫の減少が続いており、ドル安を背景とした当業者の買い戻しを受けて一段高となった。ただ欧米のプラチナETF(上場投信)に利食い売りが出ており、引き続き売られると上値が抑えられる可能性が出てくる。
米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月23日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは4万2,916枚となり、前週の3万4,698枚から拡大した。新規買い・買い戻しが入った。一方、プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、26日のロンドンで11.88トン(19日12.14トン)、ニューヨークで18.08トン(同18.37トン)に減少、25日の南アで24.87トン(同24.75トン)に増加した。
NY原油は強気見通しも買われ過ぎ
ニューヨーク原油は、米原油在庫の減少やドル安などを受けて堅調となり、2014年12月以来の高値66.66ドルを付けた。JPモルガン・チェイスは、ブレント原油先物が今年第2四半期初めに78ドルに達するという見通しを明らかにしており、先高観が強い。米エネルギー情報局(EIA)が発表した1月19日までの週間石油統計で、原油在庫は前週比107万1,000バレル減と10週連続で減少した。一方、米油田サービス会社ベーカー・ヒューズから発表された1月26日までの週の米石油リグ稼動数は前週比12基増の759基となった。
米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月23日時点のニューヨーク原油の大口投機家の買い越しは71万6,695枚となり、前週の70万7,787枚から拡大し、3週連続で過去最高を更新した。買い戻しが手じまい売りを上回った。一方、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引されている原油ETF(コード:USO)の残高は26日時点で1億6,530万株となり、前週末比380万株増加した。
1月29日からの週の注目ポイント
29日 |
米個人所得・支出(2017/12) |
☆ |
---|---|---|
米PCEデフレータ(2017/12) |
☆☆☆ |
|
30日 |
日本雇用統計(2017/12) |
☆ |
カーニー英中銀総裁、議会証言 |
☆☆ |
|
トランプ米大統領、一般教書演説 |
☆☆☆ |
|
31日 |
中国製造業PMI(1月) |
☆ |
豪消費者物価指数(第4四半期) |
☆☆ |
|
米FOMC結果 |
☆☆☆ |
|
米ADP雇用者数(1月) |
☆☆ |
|
米中古住宅販売成約指数(2017/12) |
☆ |
|
1日 |
米自動車販売統計(1月) |
☆ |
米ISM製造業景況指数(1月) |
☆☆ |
|
米新規失業保険申請件数(27日までの週) |
☆ |
|
2日 |
米雇用統計(1月) |
☆☆☆ |
米製造業新規受注(2017/12) |
☆ |
|
サンフランシスコ連銀総裁、講演 |
☆ |
|
3日 |
イエレンFRB議長の任期満了、後任にパウエル氏就任へ |
☆☆☆ |
※重要度を3段階で表示
ニューヨーク金はドル安で一段高
ニューヨーク金2月限はドル安を受けて2017年9月8日以来の高値1,365.4ドルを付けた。欧州中央銀行(ECB)理事会を控えてユーロの押し目買いが入ったことや、ダボス会議での要人発言を受けてドル安が進んだ。ただRSIが再び買われ過ぎの水準に入る場面も見られ、買われ過ぎが警戒される。一方、トランプ米大統領の強いドル発言が出るなか、金ETF(上場投信)から投資資金が流入しており、上値を抑える要因である。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や米大統領の一般教書演説、米雇用統計などの発表があり、ドル安が続くかどうかを確認したい。
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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