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2017-12-12 11:38:17

金は米税制改革とロシア疑惑の行方が焦点

提供:SBIゴールド

金は北朝鮮情勢無視も年末にかけての動きを確認

11月27日週のニューヨーク金市場は、ドル高を受けて軟調となったが、ロシア疑惑の報道をきっかけに下げ一服となった。米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたパウエルFRB理事が公聴会で利上げ見通しを示したことや、米税制改革の協議進展を受けてドル高に振れた。米上院は2日、税制改革法案を可決した。賛成51、反対49。下院は内容の異なる独自案を可決済みで、今後は両院協議会で法案の一本化作業に入る。作業が進むようならドル高が金の圧迫要因となるが、法人税減税の時期が異なるなど違いも多く、調整が難航する可能性もある。一方、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の報道を受けてロシア疑惑に対する懸念が強まった。米連邦捜査局(FBI)への虚偽供述を認めたフリン氏はトランプ氏自身が大統領に就任する前にロシア側と接触するよう指示したと証言する意向を持っていると伝えられた。トランプ米大統領は、政権移行期間中のフリン前大統領補佐官の活動は「合法だった」とツイートしており、今後の捜査の行方を確認したい。

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉について、英国が離脱清算金でEU側の要求(600億ユーロ)に近い500億ユーロ前後を支払う意向を示したことが伝えられ、合意期待が高まった。また英領北アイルランドとアイルランドの国境について合意に近いとの報道もあり、交渉官がメイ首相および欧州委員会のユンケル委員長と会談する4日までに離脱清算金、在英EU市民の権利保証、アイルランド国境問題の3項目の協議がまとまると、14〜15日のEU首脳会議で離脱交渉は貿易条件などの次の段階に進めることが決定されるとみられている。一方、連立交渉が決裂したドイツで、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は第2党であるドイツ社会民主党(SPD)と連立交渉することになった。メルケル首相とシュルツ社民党党首と連立交渉開始で合意しており、7〜9日に行われる社民党大会後に3党首による会談が行われるとみられている。

北朝鮮は29日、日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射した。北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星15を発射し、米全体を射程にいれたと発表した。米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定したことに対する反発とみられている。マティス米国防長官は、発射された大陸間弾道ミサイルの高度はこれまでで最も高く、世界全体への脅威だと述べた。国連安全保障理事会で、米国は、全ての国が北朝鮮との外交関係を断つことを要求したが、ロシアが否定的な見方を示した。金市場は朝鮮半島での戦争はないとの見方からほとんど反応していないが、米国の一部議員からはミサイルが完成する前に軍事行動に出るべきとの声も上がっている。米上院軍事委員会のメンバーである共和党のリンゼー・グラム上院議員は3日、米国防総省に対し、配偶者や子供など在韓米軍の扶養家族を退避させるよう求めており、クリスマス休暇や年末を控えた動きを確認したい。また米韓両軍は4〜8日、韓国と周辺で定例の航空戦力を動員した共同訓練「ビジラント・エース」をする。北朝鮮の反応も確認したい。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月28日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは22万4,417枚となり、前週の20万1,827枚から拡大した。今回は新規買いが1万4,450枚、買い戻しが8,140枚入り、買い越しを2万2,590枚拡大した。一方、12月1日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比3.84トン減の839.55トンとなった。ドル高などを受けて投資資金が流出した。

プラチナは供給不足見通しが下支え

ニューヨーク・プラチナ1月限は、9月20日以来の高値959.2ドルをつけたが、ドル高を受けて上げ一服となった。米税制改革の協議進展を受けてドル高に振れた。ただワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)に加え、HSBCが供給不足見通しを示しており、下支え要因になった。HSBCはプラチナはセンチメント悪化で売られ過ぎの水準にあり、2018年は価格回復が見込めるとし、1,055ドルを予想した。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月28日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは3万2,046枚となり、前週の2万6,521枚から拡大した。新規買い・買い戻しが入った。一方、プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、1日のロンドンで12.45トン(24日12.38トン)に増加、ニューヨークで18.54トン(同18.54トン)と横ばい、30日の南アで24.12トン(同24.49トン)に減少した。

NY原油は産油国の減産延長などが支援

ニューヨーク原油は、石油輸出国機構(OPEC)総会を控えて調整局面を迎えたが、来年末までの協調減産延長に合意したことやドル高一服を受けて下げ一服となった。サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、低需要の冬季に差し掛かるなか、減産終了について語るのは少なくとも当面、時期尚早との認識を示した。11月24日の戻り高値59.05ドルを突破すれば一段高になるとみられるが、米国の原油生産が増加しており、今後の需給が改善するかどうかを確認したい。米エネルギー情報局(EIA)が発表した11月24日までの週間石油統計で、原油在庫は前週比342万9,000バレル減少したが、米原油生産量は968万2,000バレルと最高水準を更新した。米油田サービス会社ベーカー・ヒューズから発表された12月1日までの週の米石油リグ稼動数は前週比2基増の749基となった。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月28日時点のニューヨーク原油の大口投機家の買い越しは60万9,833枚と前週の57万7,078枚から拡大し、過去最高を更新した。一方、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引されている原油ETF(コード:USO)の残高は12月1日時点で1億8,250万株となり、前週末比1,450万株減少した。調整局面を迎えるなか、利食い売りが出た。

12月4日からの週の注目ポイント

4日

米製造業新規受注(10月)

☆☆

メイ英首相、ユンケル欧州委員長会談

☆☆

ユーロ圏財務相会合、次期議長選出

☆☆

5日

豪中銀政策金利

☆☆☆

米ISM非製造業景況指数(11月)

☆☆

EU財務相理事会

6日

豪GDP(第3四半期)

☆☆☆

米ADP雇用者数(11月)

☆☆

7日

豪貿易収支(10月)

☆☆

米新規失業保険申請件数(2日までの週) 

8日

日本GDP改定値(第3四半期)  

中国貿易収支(11月) 

☆☆

米雇用統計(11月)

☆☆☆

米暫定予算が失効、債務上限の適用停止期限

☆☆☆

9日

中国消費者物価指数(11月)

中国生産者物価指数(11月) 

※重要度を3段階で表示

ニューヨーク金は1,300ドル突破に失敗

ニューヨーク金2月限は10月16日以来の高値1,303.4ドルを付けたが、ドル高を受けて上げ一服となった。ロシア疑惑が下支えとなったが、米上院で税制改革法案が可決しており、下院が可決した法案との一本化作業が進むと、レンジ下限となる10月6日の安値1,267.0ドルを試す可能性が出てくる。

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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