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2024-04-20 10:44:16

2018年を考える〜金市場の構造変化に注目を

提供:SBIゴールド

米国株式市場が史上最高値を更新し続けている。これまでの相場であれば、このような局面、つまり、リスクオンの時期において、金価格が大きく下落する傾向にあった。これを理由に、2017年頭において、一部の専門家は金価格の大幅な下落を予想した。1オンスあたり1,100ドルを割る意見も散見された。しかし、年を終えると、金価格はほぼ1,200ドル〜1,300ドルの間で推移し、相対的に高いレベルで維持された。1月19日現在、金価格は1,330ドル前後で推移しており、昨年末から上昇している。

金価格が堅調な理由は何か? その主要理由として考えられるのは5つある。

1、ドル為替レートの下落

金価格は米ドル為替レートとほぼ逆相関の関係にある。つまり、ドルが他主要通貨に対して強い時は金価格が下落する、逆に、ドルの価値が下落する時は金価格が上昇する傾向にある。株式市場の好況や経済の堅調にも関わらず、昨年の米ドルはほぼすべての主要通貨に対してその価値を落としているため、金価格にプラスに働いた。

2、地政学リスクに対する懸念

ここ数年、北朝鮮のミサイル問題、Brexit、中近東の安定性、トランプ政権の予測可能性など、地政学リスクは常に市場の懸念事項であった。しかし、地政学リスクはなかなか減少傾向に向かわないため、リスクヘッジを行う必要性を感じる投資家の数が増加するのはむしろ自然である。その一部(特に欧州の投資家)が、地政学リスクにヘッジ効果を発揮する金に着目した。

3、高株価に対する警戒

米国の高株価は、政策に対する期待が先行して形成された相場だと考える専門家も多い。事実、企業の業績改善は株価の上昇ペースに追いついていない。そのため、高株価の持続性に対する警戒感を持つ投資家は少なくなく、株価の大幅な調整に対するヘッジ手段として金が活用された。金は株や他の主要投資資産とほぼ相関性がなく(株価と連動して変化しない)、大きな市場変化(テールリスク)にヘッジ効果を発揮できる。

4、堅調な実需

リーマンショックの発生を受け、それまで約3,000トンだった金の年間需要は、4,000トン台に底上げされた。2017年の金需要も、第3四半期までの統計から、4,000トン前後で推移すると思われる。また、SNSプラットフォームにおける“少額”金取引が中国やタイで導入され、若者層が新しい需要家として市場に参入したなどのニュースも需要の底堅さを裏付ける材料となった。

5、ゼロ金利・低金利の影響

多くの機関投資家は分散投資を行うことによって、運用成績の安定性を図っている。これまで、債券投資はその重要な役割(特に株式からの分散において)を担ってきた。しかし、先進国の多くは未だにゼロ金利または低金利の金融環境にあるため、債券投資は困難を極め、投資ポートフォリオの分散が低下している。株価と連動しない金は、債券の分散効果を代替するものとして、一部の機関投資家に評価された。

上記の理由から、ここ18ヶ月の金価格は過去と異なる動きを示す。下図の金ETFの残高推移から、その変化が読み取れる。これまでの相場では、金価格が上昇すれば、金ETF投資も増え、金価格が下落すれば、金ETFの残高も減少する動きを示してきた。しかし、ここ18ヶ月は、金価格の上昇・下落に関わらず、金ETFは徐々に残高を増やしてきた。2017年も対前年比で8.5%、約200トン増加した。これは、短期収益を追求する投資家が減少し、上記に紹介した投資における金の役割を評価した中・長期投資家が増加したことが影響していると思われる。中・長期投資家は、短期の価格変動によって金投資のポジションが簡単に左右されることはあまりないため、金需要や金価格の安定性に貢献する。2017年において、金価格がボックス圏で推移した一因であると考える。

金ETF残高の推移

出所: Bloomberg; Company Filings; ICE Benchmark Administration; World Gold Council

上記にて説明した5つの構造要因によって、金価格が2017年通して比較的高いレベルで維持されてきた。2018年において、米ドル為替レートを除いて、その構図が根本的に変化する可能性は低い。米ドル為替レートが対主要通貨でその価値を大きく上げなければ、金価格が大幅に下落するリスクは低いと思われる。金価格がジワジワと切り上げていく相場展開になる可能性も十分に考えられる。

森田アソシエイツ 森田 隆大(もりた たかひろ)
ニューヨーク大学経営大学院にてMBA取得。1990年にムーディーズ・インベスターズ・サービス本社(ニューヨーク)にシニア・アナリストとして入社。2000年に格付委員会議長を兼務。2002年に日本及び韓国の事業会社格付部門の統括責任者に就任。2010年にワールド・ゴールド・カウンシルに入社、翌年、日本代表に就任。金ファンダメンタルズおよび投資における金の役割に関する調査・研究の提供、および投資家との直接対話を通して、金投資の普及活動に取り組む。
2016年に森田アソシエイツを設立、ワールド・ゴールド・カウンシル顧問を兼務。現在、埼玉学園大学大学院客員教授、特定非営利活動法人NPOフェアレーティング代表理事、MSクレジットリサーチ取締役兼評価委員会議長も兼任。立命館大学金融・法・税務研究センターシニアフェロー、法政大学大学院兼任講師を歴任。

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