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コラム「金と日本銀行の意外な関係」
提供:SBIゴールド
金に詳しい方ならすでにご存知かもしれませんが、いまの日本銀行の敷地はかつて「金座」とよばれる小判を鋳造する場所でした。日本経済復活のカギをにぎる(!?)日銀。当時、話題を集めた黒田総裁の「黒田バズーカ」という言葉のインパクトは日本国民には大きいものがありました。また、日銀の建物を上から見ると、「円」の字の形に見えるとか、都市伝説のような話題を持つ日本銀行。日本銀行金融研究所に付属する貨幣博物館に足を運ばれた方もいらっしゃると思います。そこでは江戸時代の小判を見ることもできます。日本銀行はそうした小判を鋳造する場所の後にできたのです。
こう見ると日銀を取り巻く周辺環境は江戸時代から日本の経済を支える柱のひとつであったところであり、その前身が「金座」であったというのも興味深いものがあります。
現在日本では金は誰もが購入できる社会となっています。権力者が金を独占した時代から、だれでも持つことができる時代になり、「権力の象徴としての金」から一般市民が資産運用として持つことができる「地上に降りた金」へと、金はその役割を変えてきました。「金座」から「日銀」への変遷も、それと軌を一にしているといえるかもしれません。
「地上に降りた金」
さて、ある意味でだれでも買えるようになった金を、皇帝や王様が金を独占する時代と比較して、「地上に降りた金」と表現してみました。現代の投資家の視点からは、「株が下がると金」、「有事の金」、異口同音にそうした取り上げ方がなされています。古代より金の魅力は権力と富の象徴であり通貨に使用されたりしました。古代の帝国、王国では今のお金に換算したら驚くほどの金を保有していたといわれています。まさにこれは、「権力の象徴としての金」です。
一方で、日本の昔話の中では欲のない善人のおじいさん、おばあさんが金・銀・財宝などをもらう物語がありますが、これは、「積善の家に余慶あり(易経の中のことば)」から解釈することもできると思います。儒教的な価値観に基づいたもので貧しくともよい行いをするひとには思わぬ富が与えられる、ひとの行うべき道は天が見ている、そうした例えであったといえるでしょう。
つまりは、金は庶民にとっては、非日常的なものであったのです。いまでは金は機会があれば、だれでも手に入れることができます。金は、個人投資家にとって、ひとつの資産、ポートフォリオのひとつとして存在するようになりました。それを「地上に降りた金」と表現したわけです。
金は高価なもの、贅沢なもの。そういった見方は多くの方が共通してお持ちと思います。実際わずか1gで数千円という価格とその輝きは金への畏敬の念を抱かせるとともに先ほども述べたように、投資家の資産形成・資産運用のポートフォリオのひとつとしての役割を担っています。しかし「有事の金」という言葉に代表されるように、金は、株価等の下落ヘッジ手段という「脇役」だけなのか?そうした疑問も投げかけることができるのではないかと感じます。
存在が問われる金という資産
金を資産ポートフォリオとして考えた時に、現物であったり、先物であったり、またETFという手段であったりといくつかの金融商品・運用手段があります。地政学的なリスクや経済的に大きなイベントによって翻弄される金、というだけの存在なのか、ここでは金の価値が問い直される時に差し掛かっているのではないか?という前提をあえて設定し、資産としての金を考えてみたいのです。
金に対する投資家の価値観が変わったとき、金は地上に降りた金として新たな価値を主張し始める。その存在意義をみずからあらわしてくる、そんな気がします。その転換点はあるのでしょうか?あるならどこに?金を保有される方の中には、また保有しようとされる方の中には、そうしたわくわくするような期待も持っていらっしゃるのではないでしょうか?
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