押さえておきたい金のマザーマーケット
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金のトレードを行う際に、金相場が活況となる時間帯を知っておくことは、きわめて重要です。金はFXと同じように世界中で取引され、24時間価格が変動しているのが特徴です。とはいえ、その中でも特に活発に取引されやすい時間帯があることを理解しておくと、トレードするうえで有利といえます。
日本時間を軸に考えると、まず日本時間の午前中が一つの重要な時間帯です。東京市場の参加者は前日のNY市場の引けを見て、価格の方向性を判断しながら取引します。また、午前の途中から中国・香港勢が参入し、さらにシンガポール勢も加わります。そのため、午前中に値動きが大きくなることも少なくありません。特に、為替市場に動きがあった場合には、そのような傾向が強まります。
日本時間の夕方になると、欧州時間に入り値動きはより活発になっていきます。インド勢、中東勢が参入し、その後欧州勢が参加し始めると、値動きはさらに活発になります。そして日本時間の夜(欧州時間の午後)になると、NY勢が参入してきます。日本時間の夜中に相当するNY市場では、世界の投資家が参入してくるので、値動きはより活発化します。
金相場は、以上のようなサイクルで続いていきます。NY市場の値動きがもっとも活発ですが、日本人投資家が深夜帯に取引するのは難しいところがあるでしょう。したがって、金のトレードをする際には、日本時間の午前、夕方(15時以降)、そしてNY市場が開く夜間(米国夏時間のケースで21時以降)などが候補に挙げられます。※もちろん世界中で金(貴金属)取引は行われているため、必ずしもベストな時間帯とは限りません。
(出所)堂島取引所
トレードするスパン(ポジション保有の期間)については、自分のトレードスタイルに合わせることが重要です。つまり、生活スタイルや投資のための余裕資金などによって、どんなスパンが適しているのかはさまざまです。また、市場の動きはその時々で異なるので、それに対応する必要もあります。例えば、一日でトレードを終わらせるデイトレードや、数日間ポジションを維持するスイングトレード。さらに、市場の長期的な動きに合わせて長めの期間でトレードするポジショントレードという方法があります。
トレードのスパンは一つに絞らずに、柔軟に対応することで、取引機会は増えるでしょう。
金をトレードする際には、アノマリーにも注目しておきましょう。アノマリーとは、経験的に観測できる市場の規則性を指します。相場理論の枠組みでは説明できませんが、確かに示現しやすい事柄であり軽視はできません。ファンダメンタルズ、季節性、カレンダー上のイベントなど、さまざまなところでアノマリーが確認されています。
金現物の動向については、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が公表するデータが役立ちます。世界の金市場関係者の多くも確認している、重要な需給データといえます。WGCのホームページを見れば、誰でも最新のデータを入手することができます。現物のデータは月次、四半期、年間のデータが入手できます。また、金上場投資信託(ETF)の保有高については、日々の保有高のデータが公開されています。これらのデータを見れば、投資家が金を買っているのか、あるいは売っているのかなどを知ることができます。COMEX金先物市場の動向については、米商品先物取引委員会(CFTC)によるCoTレポートにおいて投資家の投資行動が公表されています(毎週金曜日に発表)。これらのデータを見ることで、投資家の金に対する投資行動を読み取ることができます。このようなデータや、日々の市況や値動きの確認は、金投資の一助となるのではないでしょうか。
商品先物取引に関するご注意事項
商品先物取引のリスクについて
商品先物の価格は、対象商品の価格の変動等により上下しますので、これにより損失が発生することがあります。また、商品先物取引は、少額の証拠金で当該証拠金の額を上回る取引を行うことができることから、時として多額の損失が発生する可能性を有しています。したがって、商品先物取引の開始にあたっては、下記の内容を十分に把握する必要があります。
- 市場価格が予想とは反対の方向に変化したときには、短期間のうちに証拠金の大部分又はそのすべてを失うこともあります。また、その損失は証拠金の額だけに限定されません。
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- 商品取引所は、取引に異常が生じた場合又はそのおそれがある場合や、JSCCの決済リスク管理の観点から必要と認められる場合には、証拠金額の引上げ等の規制措置を講じることがあります。
- 市場の状況によっては、意図したとおりの取引ができないこともあります。例えば、市場価格が制限値幅に達したような場合、転売又は買戻しによる決済を希望しても、それができない場合があります。
- 市場の状況によっては、商品取引所が制限値幅を拡大することがあります。その場合、1日の損失が予想を上回ることもあります。
商品先物取引の手数料について
商品先物取引のインターネットでの取引にあたっては、下記のとおり所定の手数料がかかります。
金(限日現金決済先物取引):片道1枚につき16.5円(税込)
銀(限日現金決済先物取引):片道1枚につき82.5円(税込)
白金(限日現金決済先物取引):片道1枚につき16.5円(税込)
商品先物取引は、クーリング・オフの対象にはなりません
商品先物取引については、注文の成立後、その注文を解約すること(いわゆるクーリング・オフ)はできません。
金融商品取引法等に関する表示
商号等 株式会社SBI証券 金融商品取引業者、商品先物取引業者
登録番号 関東財務局長(金商)第44号
加入協会 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人 日本STO協会、日本商品先物取引協会