2019年4集四季報「秋号」で、私の四季報完全読破は22年目、88冊となりました。
今回もいきなり四季報2ページの「【見出し】ランキングで見る業績トレンド」がおかしなことになっています。「1位.反発、3位.反落」、「2位.上向く、10位.下振れ」、「4位.減額、5位.増額」、「6位.続伸、8位.続落」と、上位10ワードのうち8ワードまでが正反対の意味をなす4組のペアで占められているのです。これを見る限りは、合計3341社は「増収・営業増益」で、全体として好調とはいえ、「判断が難しい四季報なんだな」と感じると思います。
四季報6-7ページにある「業種別業績動向」で、東証33業種別の動向を見ると、今期、来期の増収率、増益率ランキングの上位に柱となる業種は見当たりません。加えて、前回号からの変化を示す「前号比増減率(%)」欄に「▲(=マイナス)」が多いこと、製造業で影響力が大きい「輸送用機器」と「電気機器」が、株価下落局面にあるとされる「減収・減益」に入ってきたこと、を鑑みますと、やはり実態は業績悪化に向かっていると思われ、業績面からは積極的になりにくい局面にあると思います。
ではこのような相場環境の時はどのよう対応したらよいのでしょうか?
いろいろな対応策はありますが、今回のwebセミナーでは、一例として以下の具体的な対応策を考えてみました。
@ 数年ぶりに最高益を更新しているが株価に織り込まれていない銘柄
A 株価が大きく下落している中から以下の条件の銘柄
(ア) 割安株:自己資本比率70%以上かつPBR0.7倍以下で放置されている銘柄
(イ) 成長株:今期、来期増収率予想が15から20%を上回って急成長している銘柄
(ウ) 高配当株:業績は悪くなく予想配当利回りが3.5%以上の銘柄
(エ) 出尽くし株:四季報コメント欄がすべて悪いコメントで埋め尽くされている銘柄
B 上場間もない新興企業で株価が低迷して公募価格割れしている銘柄
特にAの切り口の、割安株、成長株、高配当株は、四季報オンラインのスクリーニング機能を活用すると簡単に当該銘柄を見つけ出すことができます。実際にやってみると、それなりの数がヒットしてきますので、逆の言い方をすると、魅力的な銘柄がたくさん放置されていることがわかると思います。
これらのスクリーニングに、さらに皆さま独自の条件や切り口を加えますと、銘柄はかなり絞られてきますので、是非一度お試しになられることをおすすめいたします。