そもそも米国の雇用統計は全体的に強い方が米国株にとって良いのか、あるいは悪いのか、その問いに明確に答えることは意外に難しいと思われます。強過ぎれば、利上げが加速するとみられて逆風になりそうですし、弱過ぎれば景気が失速するとの見方につながる可能性があります。その意味で、6月の米雇用統計は米国株式市場にとって都合の良い「強くも弱くもない結果」になったと言えそうです。
6月の非農業部門雇用者数は前月比22.2万人増加し、事前予想の同17.8万人増を上回りました。同時に過去2ヵ月分の雇用者数も4.7万人上方修正されました。その結果、過去3ヵ月の雇用者数は平均で前月比19.4万人増のペースになりました。労働市場に戻る勤労者も増加に転じ、労働参加率は62.8%(前月比+0.1%)と上昇しました。反面、失業率は4.4%と前回から0.1%悪化しました。時間当たりの賃金は前年同月比2.5%の上昇にとどまり、事前予想の同2.6%増を下回りました。
雇用者は堅調に増えているものの、賃金の上昇をテコにした物価上昇圧力は抑えられていると考えられます。世界的に金融引き締め観測が強まる中、長期金利が上昇し、それが株価上昇に対する逆風となっていた米国株式市場ですが、7日はNYダウが反発し、少し落ち着く格好となりました。過度な金利上昇懸念が後退したことが要因とみられます。
FRB(米連邦準備制度理事会)は完全雇用失業率を4.6%前後とみているようです。そして現実の米国の失業率はすでにその水準を下回っていますので、FRBとしては物価変動に神経質にならざるを得ない訳です。しかしコア・インフレ率はFRBの目標を下回るって推移するなど、想定外の動きになっています。携帯キャリアによるデータ通信プランの値下げが一時的にインフレ率を下げているとの見方が有力ですが、果たしてその見方は正しいのでしょうか。他の構造的な要因はないのでしょうか。
雇用統計の発表が終わり、円安傾向が続き米国株が反発したことから、週明けの東京株式市場は買い先行となりそうです。今後米国では4〜6月期の決算発表が始まり、そこに市場の関心が移ってきそうですが、ユーロが対ドルで値を戻しつつあり、企業業績に対する好影響が注目されます。
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