1/29(金)まで開催されていた日銀金融政策決定会合で「マイナス金利」の導入が決定されました。これにより金融機関が保有する日本銀行当座預金に対して-0.1%のマイナス金利が適用されることになりました。今回の「黒田バズーカ第3弾」により、市場は今後どう変化するでしょうか。
(1)日銀の資料によると、必要な場合はさらに金利を引き下げることが明記されています。デフレ脱却への道筋が描けない場合、さらなる利下げが実施される場合も想定されます。市場では、金利のさらなる低下を織り込む形で、朝方0.2%を超えていた10年国債利回りが、最終的には0.1%と「半減」してしまいました。今後も、長短金利の一層の低下が見込まれそうです。
(2)多くの市場参加者が想定していなかった「マイナス金利」の導入により、ユーロ圏や米国と比べ、我が国の金利面での魅力がさらに低下することが想定されます。このため、外為市場では円が対ドル、対ユーロで下落する要素が強まってきました。特に政策金利の引き上げ時代に入った米国とは、金融政策の方向感の相違が一層明確になり、ドル高・円安が進みやすくなると考えられます。1/29(金)の外為市場では、ドル・円相場が118円台を起点に一時121円台まで、ユーロ・円相場は129円台を起点に一時132円台まで円安が進展しました。外為相場での円高圧力は大きく後退し、株式市場を側面支援しそうです。
(3)なお、マイナス金利は実質的に、これまで金融機関が保有してきた日銀当座預金に対してではなく、今後の当座預金増加分に課せられることになります。このため、金融機関はさらに貸出・運用に注力せざるを得なくなるでしょう。株式市場では一時、銀行株に対する売りが膨らみましたが、市場が今後の金融機関の運用難を危惧していることを表しています。
今回の日銀による「マイナス金利導入」を受け、株式市場のマインドは大きく好転しそうです。金利の一層の低下が企業の資金活動を支える一方、外為市場での円高一巡により、企業業績も追い風を受けそうです。1/29(金)は上場企業の483社が決算発表を予定しているヤマ場であり、ここを越えてくることでリスクが低下する企業も多そうです。なお、1/29(金)の株式市場では金利低下を受けて不動産株の上昇が顕著でした。また、円高一巡を好感し、自動車株も買われました。これらの業種は今後も市場で注目される可能性がありそうです。
なお、金利の一層の低下により、株式投資により得られる配当収入等の相対的魅力が向上すると予想されます。折しも今後、2月決算・3月決算の「配当」や「株主優待」について、権利取りの動きが増えてきやすい季節になります。本日(1/29(金))掲載の「日本株投資戦略」では、それらの銘柄についてのご紹介も行っていますので、ご参考頂ければと存じます。
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