「トーキョー」からスタートした東京五輪関連銘柄相場
2013年9月8日早朝のIOCロゲ会長の「トーキョー」の言葉で決まった2020年東京夏季五輪決定から、1ヶ月以上経ちました。
その前の8月28日安値13,188円から、東京五輪決定と安倍首相の成長戦略を期待して上昇に転じた日経平均株価は、東京五輪決定から一段と加速して急上昇、9月27日には、高値14,817円を付けました。中間期末を控え9月は直近の10年間では最も株価パフォーマンスの悪かった月なのですが、今年の9月の日経平均株価は千円を超える上昇となりました。
この最大の上昇要因は、2020年東京五輪決定であると考えても良いでしょう。様々な銘柄が、東京五輪関連銘柄として人気を集め株価上昇しましたが、反落してしまった銘柄も数多くあります。2020年東京五輪は、大きな相場テーマです。今月は、五輪関連銘柄の投資のポイントについて、毎週特集レポートを掲載します。
今回の第1回は、建設株について、相場の福の神こと藤本がレポートいたします。
- ※当社WEBサイトから投資調査部作成
東京五輪関連の建設株とは?
今回検証するのは、東証1部の東証業種分類で建設業に属する98銘柄を対象としました。
まず、どんな建設株が五輪関連として買われたのか、東京五輪決定後の高値までの騰落率ランキングTOP10が表1です。
表1:9月6日終値とその後の高値の騰落率ランキングTOP10
- ※Bloombergデータより、投資調査部作成
- ※騰落率等の実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
株価が3倍以上になった東急建設など、株価が倍になった銘柄も7銘柄もありました。10銘柄中、株価2桁の超低位株が3銘柄、100円台が4銘柄と低位株のパフォーマンスの良さが目立つ結果となっています。98銘柄の建設株すべての平均では約3割の上昇となっています。
しかし、大きく買われた建設株も高値を付けたあとは調整局面に入りました。銘柄によっては、スタート時点である9月6日終値を割り込み下げるいわゆる「往って来い」を演じる銘柄もありました。
また、出来高・約定金額ベースでは、前回の東京五輪のメイン会場であった国立競技場を建設した大成建設(1801)が圧倒的な出来高となっており、建設株では東京五輪関連の中核銘柄となっているようです。株価チャートをチェックしてみましょう。
- ※当社WEBサイトから投資調査部作成
東京五輪決定後の9月9日に急騰、翌日の9月10日も急騰して高値535円をつけています。出来高2億9600万株と大商いとなっています。その後は、反落10月8日にザラ場で446円の直近安値をつけて急反発。長い下ひげをつけての陽線となり、テクニカル分析的にはリバウンド相場に入った可能性があります。
東証1部の建設株98銘柄のうち、東京五輪決定後30%以上急騰した29銘柄については、2020年の東京五輪の開催に向けて、折に触れて物色される可能性が高そうです。
その29銘柄について、五輪決定後の高値と10月10日の終値を下記の式で比較したランキングが、表2です。
(10/10終値-9/6終値)/(五輪決定後高値-9/6終値)
- ※Bloombergデータより、投資調査部作成
- ※騰落率等の実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
基本的には、2020年東京五輪開催は株式市場にポジティブなことです。関連銘柄に関しても、中・長期的には、堅調に推移するものと思われます。特に建設株に関しては、元々に東日本大震災の復興需要に加えて、前回の東京五輪前に駆け込みで整備された様々な社会インフラの更新を行う「国土強靭化計画」で今後大きな需要増が見込まれていたところに、2020年東京五輪決定なので、大きなフォローの風が吹いています。
大きな抵抗線を抜ければ、大相場の可能性も
東京五輪決定で、数多くの投資家が飛びついて買った建設株。そこからいったんふるい落としが終わったところから、大きな上昇相場が始まる可能性があります。
建設株については、初動の1ヶ月で30%以上、上昇した29銘柄をマークしておきましょう。
この29銘柄の五輪決定後の高値は、数多くの投資家が「ハイ・ジャンプ・キャッチ」したいわゆる高値掴みとなった価格です。当然、この価格に近づくと「やれやれ」の戻り売りが大量に出て、大きな抵抗線となる可能性が高そうです。
しかし、この大きな抵抗線を抜ければ、上値が軽くなり、大相場となる可能性を秘めていると考えられます。
SBI証券には、ご指定の国内株式銘柄がご登録された「株価」・「前日比」・「出来高」に達した場合に、リアルタイムでEメールにてお知らせするスマートアラートがあります。是非、直近高値を登録しておき、今後の相場動向を注視していきましょう。
投資のポイント
- 建設株では東京五輪決定後急騰した29銘柄をマーク
- 目先については、五輪決定後の高値までの戻り率が高いリバウンド銘柄に注目
- 五輪決定後の大商いの高値を抜ければ、大相場の可能性 株価のチェックはスマートアラートが便利
「銘柄選定の根拠(基準や前提)」
東証1部上場の東証業種分類で建設に分類された銘柄
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。