2019/6/18
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」6月17日号より抜粋
米中貿易摩擦が世界経済の下振れリスク
■ 米利下げ期待が株価を下支え
先週は金利低下基調が続き主要国の株価が上昇、為替市場では米ドルが堅調でした。米中貿易摩擦の長期化が見込まれるなか、米国の利下げ観測が強まり株式相場を下支えしています。米中貿易摩擦により世界経済が減速するとの懸念は一段と高まっています。金融市場が織り込む米利下げ確率は7月末で8割を超え、年内2-3回の利下げが織り込まれています。日本についても利下げ観測が台頭し、市場は主要国の追加緩和を織り込んでいます。
■ 米国で対中制裁関税第4弾の公聴会が始まる
17日から米国で対中制裁関税第4弾に関する公聴会が始まり、月末のG20首脳会議で米中首脳会談が実現するのか注目されます。IMFは制裁関税第4弾実施により2020年の世界の実質成長率が0.5%押し下げられると試算しており、輸出依存度の高い日本企業への悪影響が懸念されます。また日本は今年10月に消費増税を予定しているため、個人消費の鈍化も予想されます。米中貿易摩擦が激化すれば日本は大型の経済対策が必要になるでしょう。
■ 今週は米日金融政策や英政局に注目
18-19日の米FOMCで利下げは見送られるも、次回以降に向け含みを残すとみられます。19-20日の日銀金融政策決定会合は政策据え置きが見込まれ、追加緩和の可能性に焦点が集まるでしょう。英国では18日に保守党党首選の2次投票を実施、1次投票ではEU離脱強硬派のボリス・ジョンソン氏が大差で1位通過しており、候補者の発言が注目されます。今週はポンドや米ドル相場が上下に動く公算が高く株価への影響が不安視されます。(向吉)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
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注)★は特に注目度の高いイベント
(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(中)は中国、(他)はその他、を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨ベース。
騰落幅、騰落率ともに2019年6月7日対比。
出所)MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年6月14日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
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