2017/10/31
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」10月30日号より抜粋
日経平均は、21年ぶりの高値となる2万2,000円台をつけ、連騰記録を過去最長の16日に更新と堅調でした。米10年債利回りは2.40%を上回りましたが、ドル円は取引中には一時114円台をつけるものの上値が重い状況です。またインドでは、政府から不良債権対策が発表され、インド株は上昇、通貨ルピーも底堅く推移しています。今週は、米国の雇用統計やISM製造業指数などの経済指標や米国・日本・英国の中銀会合、FRB議長人事の発表など重要イベントを控えています。
◆米国:FRB議長人事は大統領のアジア歴訪(11月3日)前までに発表される予定です。先週金曜にはパウエル現理事指名の可能性が報じられ、利上げに積極的とみられていたテイラー氏が議長候補から外れる可能性が高まっています。その場合、米金利低下・米ドル安に注意です。アジア歴訪は11月3日から14日までで、日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンを訪問予定です。各国・地域との外交・通商政策だけでなく、北朝鮮リスクにも注意が必要で、9月15日を最後に北朝鮮からのミサイル発射は行われていませんが、緊張が高まった場合はリスク回避の円買いをみています。経済指標では、雇用統計(3日)に注目です。9月は雇用者数変化は3.3万人減少、平均時給は前年比+2.9%と堅調でしたが、ハリケーンの影響も指摘されており、10月の統計(予想31万人増、同+2.7%)に注目です。また11月1日には、税制改革法案が公表される可能性があります。
◆日本:30-31日に日銀金融政策会合が行われます。前回の会合で鈴木審議委員と共に加わった片岡委員は、引き続き追加緩和を訴えて反対票を投じるとみられます。追加緩和の背景は、今後の消費増税が予定されている中で、現状の金融政策では物価目標の達成が難しいとみているためです。解散総選挙での与党大勝により、消費増税の方針は変わらず、片岡委員が見方を変える可能性は低いとみられていますが、同調する委員は現時点では少ないとみています。今回の会合では四半期の展望レポートが発表されます。直近の7月予想では、2017年度の予想インフレ率(除く生鮮食品)は前年比+1.1%とされていますが、8月、9月と前年比+0.7%と依然低水準のため、予想は引き下げられる可能性が高いとみています。
◆ユーロ圏:30日にドイツ、31日にユーロ圏でCPIが発表されます。ECBは2018年1月から9月までの国債買入縮小(月額600億→300億ユーロ)を決定していますが、必要な場合には緩和継続の姿勢を示しています。個別国では、カタルーニャ州の独立宣言があったスペイン、改正選挙法を通過させたイタリアに注目です。
◆英国:2日に英中銀は政策金利を発表し、0.25%の利上げで政策金利は0.50%となる見込みです。注目は四半期物価報告と今後の利上げペースで、現状は、2018年9月までに0.75%へと2度目の利上げが行われる予想となっています。(永峯)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
10/30(月) |
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(日)日銀金融政策決定会合(〜31日) |
10/31(火) |
(日)黒田日銀総裁記者会見 |
11/1(水) |
(日)衆参両院本会議にて首相指名 |
11/2(木) |
(米)パウエルFRB理事 講演 |
11/3(金) |
(米)カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 講演 |
11/5(日) |
(米)トランプ大統領 来日(〜7日) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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