2017/08/15
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」8月14日号より抜粋
先週は北朝鮮リスクを受け、株式は下落、日本株は9日に257円の大幅下落となりました。ただ14日に公表された日本の4-6月期GDP成長率は前期比年率+4.0%と予想(同+2.5%)を大きく上回り、景気面での力強さは確認されています。
今週は、来週24-26日のジャクソンホールを控え、相場の動きは限定的とみていますが、引き続き北朝鮮リスクには注意が必要です。米国、ユーロ圏、またオーストラリアでは、金融政策決定会合の議事録が公表される予定です。
◆米国:7月の小売売上高(15日)に注目です。市場予想は前月比+0.4%と2ヵ月連続のマイナスからの回復が予想されています。消費者信頼感は、調査期間により評価が分かれており、軟調であったミシガン大学消費者信頼感(18日)が予想のように前回から上昇するか注目(コンファレンスボードの調査は堅調を示唆)。
◆ユーロ圏:ECB(欧州中央銀行)は、6月の理事会で金利に関する緩和バイアスを削除、7月の理事会では量的緩和策の緩和バイアスを維持しました。今後の量的緩和策の縮小議論やユーロ高への警戒を、17日の議事要旨で確認したい。
◆英国:8月の金融政策会合では、成長率見通しを引き下げ、政策金利据え置きを6対2(前回は5対3)で決定と、利上げ観測が後退しています。足元の景気動向を確認する上で、15日の消費者物価、16日の労働指標、17日の小売売上高に注目。
◆オーストラリア:15日に金融政策決定会合(8月1日開催分)の議事録が発表され、自然利子率(中立金利、政策金利の着地点)で新たな議論があったかに注目です。7月会合の議事録では、自然利子率の議論がされていることが初めて確認され、利上げ期待が高まる結果となりました。議事録公表後に、中銀総裁・副総裁は同議論が金融引き締めを意図するものではない、と否定しており、実際、8月の金融政策決定会合、四半期レポートでは、中銀の政策スタンスの変化はみられていません。経済指標では、改善が見られる雇用環境のなか鈍化傾向の賃金でも変化がみられるかに注目です(16日の賃金指数、17日の雇用統計)。
◆メキシコ:8月16-20日にNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の第1回会合が行われます。米国、カナダ、メキシコで交渉が行われますが、最も影響が懸念されるのがメキシコです。トランプ大統領は、選挙時からメキシコとの国境に壁を設ける、NAFTAの再交渉を行うなどの発言をしていたことから、大統領当選時に大きくメキシコ・ペソは下落しました。その後、通貨安防衛による利上げ(2016年末:5.75%→2017年8月:7.00%)、2018年に大統領選を控えるなかで2017年6月の州知事選で与党候補者が勝利したことなどから、ペソは年初来で対ドルで16%上昇するなど主要国通貨で最強通貨となっています。今回の会合により、再び政治リスクが意識される可能性もあるため、注意が必要と考えています。(永峯)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
8/14(月) |
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(日)4-6月期 実質GDP(1次速報、前期比年率) |
8/15(火) |
(米)7月 小売売上高(前月比) |
8/16(水) |
(米)連邦公開市場委員会議事録 |
8/17(木) |
(米)カプラン・ダラス連銀総裁 講演 |
8/18(金) |
(米)カプラン・ダラス連銀総裁 講演 |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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