2017/06/27
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」6月26日号より抜粋
先週は、米株式は上昇、米国10年債利回りは低下しました。FRBの2度の利上げにもかかわらず、年初来で10年債利回りは約0.30%低下しています。原油価格は、米原油在庫は減少したものの、供給過剰懸念もあり43.01ドルまで低下しています。
今週は、主要国の物価統計に注目ですが、インフレ圧力は総じて弱いとみています(米PCEデフレーター、ドイツHICP、ユーロ圏HICP、日本CPI)。米国は5月CPIで鈍化が既に確認されており、PCEも同様に前年比+1.5%への鈍化予想です。ユーロ圏は2月の前年比+2%から鈍化傾向で、6月の速報値も同+1.2%(予想)と軟調です。6月8日のECB理事会では追加緩和を意味するフォワード・ガイダンスは修正されたものの、金融引き締めに転じるのは時間がかかるとみられます。
◆日本:30日の5月鉱工業生産は前月比▲3.0%とマイナス予想です。堅調であった4月(同+4.0%)の反動によるもので、前年比は+6.8%(予想)と高水準です。
◆米国:27日のイエレンFRB議長の講演をはじめ、多くの連銀総裁による講演が予定されています。ただ既に6月14日のFOMCで、FRBのバランスシート縮小ペースが詳細に発表されており、関心は低いとみています。まだ明らかにされていないバランスシート縮小後の着地点(現状は4.5兆ドル)に言及がある場合は取引材料になると考えます。22日に上院共和党で発表されたオバマケア代替法案の審議にも注目です。6月中の成立を目指しており、成立した場合はヘルスケアセクターの上昇、減税策の議論開始期待による米国株上昇等の展開が考えられます。
◆欧州:26-28日にECB主催のフォーラムが開催され、各国の中銀関係者が参加予定です。内容では、26日のドラギ総裁講演、28日のユーロ圏・英国・カナダ・日本の各中銀総裁によるパネルディスカッションに注目です。日本を除く中銀は、金融政策の引き締め観測もあり、緩和策を継続するとみられる日本との方向性の違いが意識されるようになれば、為替が円安に推移する展開も予想されます。
◆カナダ:6月12日のウィルキンス上級副総裁の講演で利上げ準備が整っているとの示唆があり、続く13日のポロズ総裁のインタビューでも同意見の認識が示されました。そのため、5月末に25%程度であった年内の利上げ確率(OISベース)は、足元で74.7%まで急上昇しています。インフレ率は5月の指標が前年比+1.3%とやや軟調であったことが確認されており、景気動向を確認するうえで30日の中銀ビジネス・アウトルック調査(四半期ベース)への注目度が高まっています。
◆中国:30日の6月製造業PMI(政府版)に注目です。民間調査機関による5月のPMIは49.6と50を割り込みましたが、政府版は5月の51.2から51.0と鈍化はするものの、依然として景気拡大の境目となる50を上回る見通しです。(永峯)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
6/25(日) |
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(伊)地方選挙(決選投票) |
6/26(月) |
(米)ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 講演 |
6/27(火) |
(米)イエレンFRB議長 講演 |
6/28(水) |
(米)ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 講演 |
6/29(木) |
(米)ブラード・セントルイス連銀総裁 講演 |
6/30(金) |
(日)5月 消費者物価(総務省、前年比) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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