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マーケット > レポート > 投資環境ウィークリー > 英国EU離脱ショックの余波が残る中、市場の関心は米中景気動向にシフトか

英国EU離脱ショックの余波が残る中、市場の関心は米中景気動向にシフトか

2016/06/28
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • 先週23日の英国民投票は市場の予想外のEU離脱支持となり、世界的な株安、英ポンド急落、円の急騰が進む
  • 当面は、英国の銀行等への与信引締めも懸念されるが、主要国の中銀による流動性供給等で混乱は回避か
  • 英国は深刻な景気後退が予想されるが、EU離脱の動きが他国に波及しない限り、市場の関心は米中景気にシフトか

「投資環境ウィークリー」6月27日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

先週23日、英国は欧州連合(EU)離脱に関わる国民投票を実施。結果は僅差(51.9%対48.1%)でのEU離脱支持という市場の予想外のもの。これを受けて金融市場ではリスク回避の動きが強まり、為替市場では英ポンドが対米ドルで▲8.1%の暴落、安全資産とされる円は同+3.9%と急伸し、商品市場ではNY原油先物が1バレル47.64ドルと同2.47ドル安、CMX金先物が1オンス1,320.0ドルと同58.8ドル高に。株式市場では日経平均が前日比▲7.9%、独DAX®は同▲6.8%、NYダウは▲3.4%と株価が急落、米10年債利回りは1.561%と同0.186%ポイント低下しました。
市場参加者の多くは僅差でEU残留と予想しており、予想外の結果に対する反応が大きくなったとみられます。英調査機関YouGovが国民投票の直前に公表した世論調査は、EU残留:51%、EU離脱:49%(未定を除く)というもの。これを受けて23日には米欧の株価が上昇し、英ポンドも対米ドルで+1.2%上昇していました。
最大の貿易・投資相手国であるEUからの離脱を自ら選択した英国には厳しい将来が待っています。今後は離脱に向けEUとの貿易交渉が開始されるものの、他国への離脱の動きの波及を恐れるEUが寛大な処遇を行う可能性は低いでしょう。英国を欧州の主要拠点として利用してきた多国籍企業は、EU加盟諸国への拠点の移転を進めるとみられます。信頼感の悪化、投資の低迷、自国通貨の下落等に伴い、同国は深刻な景気低迷に見舞われる可能性が高いと予想されます。
短期的には英国の銀行等に対する与信引締めが予想されます。しかし、イングランド銀行や欧州中央銀行(ECB)は市場の流動性維持のために多額の資金供給を行う方針を公表、米FRBも金融市場動向を「注意深く監視」するとしており、主要国の当局対応によって、銀行間市場の混乱は回避される可能性が高いでしょう。
一方、中期的な市場への影響はEU離脱の動きが他国に伝播するかにも左右されます。大量の移民流入やEU官僚への不満は英国内に留まらず、今回の結果を受けてオランダやデンマーク等でもEU離脱に関わる国民投票を求める声が高まるでしょう。こうした動きが拡散しなかった場合、経済的な影響は英国の景気後退と同国との貿易・投資に依存する欧州諸国の景気下押しに留まるとみられます。
同国のEU離脱への道筋とその影響が明らかになるまで市場の警戒感は継続するものの、その後市場の関心は米国と中国の景気動向に移るでしょう。米国の着実な景気回復と利上げを急がない当局の姿勢、中国の景気底割れ回避などが確認されれば、今回大きく揺さぶられた市場は徐々に安定を取戻すとみられます。

◆米国:世界的に製造業部門の活動が回復する中、1日のISM製造業景気指数(6月)は51.4と前月の51.3を上回り、着実な景況感の回復が確認されるでしょう。
◆中国:5月の都市部固定資産投資は鈍化。1日の製造業PMI(国家統計局)は、50.0と前月の50.1を下回りつつ、50台割れは回避される見込みです。(入村)

今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール

6/26(日)

(欧)スペイン 総選挙

6/27(月)

(欧)ECB中銀フォーラム(〜29日)
(他)世界経済フォーラ夏季ダボス会議(〜28日)

6/28(火)

(米)4月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
(20大都市、前月比)
3月:+0.85%、4月:(予)+0.58%
(米)6月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
5月:92.6
6月:(予)93.4
(欧)EU首脳会議(〜29日)

6/29(水)

(米)5月 個人所得・消費(前月比)
所得 4月:+0.4%、5月:(予)+0.3%
消費 4月:+1.0%、5月:(予)+0.4%
(米)5月 中古住宅販売仮契約指数(前月比)
4月:+5.1%、5月:(予)▲1.1%

6/30(木)

(日)5月 鉱工業生産(速報、前月比)
4月:+0.5%、5月:(予)▲0.2%
(米)ブラード・セントルイス連銀総裁 講演
(米)6月 シカゴ購買部協会景気指数
5月:49.3、6月:(予)51.0
(欧)ECB理事会議事要旨(6月2日分)
(欧)6月 消費者物価(速報、前年比)
総合 5月:▲0.1% 、6月:(予)0.0%
(他)フィリピン ドゥテルテ大統領就任

7/1(金)

(日)5月 消費者物価指数(日銀)
(日銀、除く生鮮食品・エネルギー、前年比)
4月:+0.9%、5月:(予)+0.8%
(日)日銀短観(6月調査)
(大企業・製造業、業況判断DI)
現在 3月:+6、6月:(予)+4
先行き 3月:+3、6月:(予)+3
(米)6月 米供給管理協会(ISM)製造業景気指数
5月:51.3、6月:(予)51.4
(中)6月 製造業PMI(マークイット)
5月:49.2、6月:(予)49.1
(中)6月 製造業PMI(国家統計局)
5月:50.1、6月:(予)50.0
(他)ブラジル 5月 鉱工業生産(前年比)
4月:▲7.2%、5月:(予)▲8.1%

注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。

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