8月11日に中国が人民元の切り下げを突如として行ってから3ヵ月。8月20日配信のレポート(人民元切り下げの背景と今後のマーケットを占う)では人民元切り下げの背景と影響について紹介しました。中国株式市場は人民元切り下げ後の8月下旬に大きく下落しましたが、直近ではだいぶ持ち直してきました。
直近発表された中国の7−9月の資本収支は大幅なマイナスとなっており、近年では最大の2,239億ドルが中国から流出した模様です。この時期は中国株が下落した8月と重なることから、人民元の切り下げがこの資本逃避の一因となった可能性があります。中国が人民元切り下げを行ったのは中国当局による人民元買い、外貨売りの為替介入に伴う外貨準備の減少を食い止める狙いに加え、利下げなどの金融緩和政策の効果を引き出すためとも考えられます。
実施間近とみられる米国の利上げに対し、中国の通貨当局が何かしらの動きを見せるかもしれません。本レポートでは、最近の中国の資本収支の動向と、今後の中国の通貨政策について予想しています。eワラントなら中国の株価指数や為替相場にも1万円以下の少額から株式に間接的に投資でき、レバレッジも効いているので1、2ヵ月程度の投資期間であっても大きなリターンを期待することができます。万が一相場観が外れてしまっても最大損失は買付代金までに限定されています。この機会に是非eワラントのお取引をご検討ください!
7−9月期の振り返り |
中国の代表的な株価指数である上海総合指数は8月11日から3日に亘る切り下げの後、20日から26日には5営業日続落となりました。その後、株式市場の取引停止措置などを経て株価は8月26日の水準からおよそ2割ほど戻しました(図1)。中国国家外貨管理局が11月11日に発表した資本収支によると7−9月期のは2,239億ドルの資本流出となっており、データを取得できる1998年から見て四半期ベースでは最大の流出金額となっています。これは上海総合指数下落の時期と重なるので、流出は株式などの証券の売却によるものだと考えられます。
リーマンショック後の2009年から2014年までの資本収支を合計すると1兆821億ドルの流入になっていますが、2015年は9月までに3,498億ドルの流出となりました。6年かけて中国に集まった投資資金がわずか9ヵ月で3割以上流出したことになります。特に7−9月期は図2のグラフの緑の部分、直接投資がほぼなくなっており、中国への進出と撤退が同程度となったことを示しています。投資先としての中国の魅力が落ちてきているのかもしれません。
ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
中国国家外貨管理局よりeワラント証券投資情報室作成
想定されるシナリオ |
中国政府は資本流出を防ぐため、人民元持ち出し規制に加えて金利引き下げなどの金融緩和策で国内経済のテコ入れを図っています。一方で人民元相場を一定の範囲にとどめるため、資本流出に伴って売られる人民元相場に対して人民元買い、外貨売りの為替介入を行っていると思われます。人民元買いは市場にある人民元を買い戻すことになりますので金融引き締めの効果があり、金融緩和策とは矛盾してしまうため、経済テコ入れのための金融緩和策の効果が減退してしまいます。そこで中国は人民元相場を切り下げることで人民元買いの量を減らし、金融緩和の効果を得ようとしたと考えられます。
今後の中国の通貨当局の動きを考える上で欠かせないのが米国の利上げです。米国の利上げはある程度市場に織り込まれていると考えられるものの、利上げ実施の前後で人民元安の圧力がかかる可能性があります。中国の通貨当局の動きとしては次の選択肢が考えられるでしょう。
1) 通貨防衛のため、人民元買い/米ドル売りの為替介入を行う。
→中国の外貨準備は十分にありますが(図3)、金融緩和の効果は減ってしまいます。
2) 再度人民元切り下げを実施し、為替介入の規模を抑える。
→金融緩和の効果を期待できますが、8月の資本流出の再燃が懸念されます。
日本の株式市場に関しては、1)の場合はあまり影響が無いかもしれませんが、2)の場合は短期的に株安となる可能性があります。米ドル円相場に関しては、1)の場合は為替介入によって、2)の場合はリスクオフの動きにより円高となる可能性があります。1)、2)のどちらにせよ米国の利上げによって米ドル円相場が円安に向うよりも円高となりうる可能性があることも考慮しておいた方が良いかもしれません。
人民元買い/米ドル売りの為替介入により米ドル安を見込むなら・・・
米ドルリンク債 プット 第570回
再度の人民元切り下げによる相場急変を中国株のプットでヘッジするなら・・・
ハンセン指数 プット 第155回
ハンセン中国企業株指数(H株指)プット 第117回
中国の外貨準備には金も含まれていますが、図3のように比率は小さくなっています。また、外貨準備としての外貨は減少していますが金の保有額は減っていません。金は為替介入によって売られる見込みが低いことに加え、リスク回避の動きで買われることがあるかもしれません。このシナリオを想定するなら・・・・
金リンク債 コール 第213回
金リンク債プラス5倍 第6回
中国国家外貨管理局よりeワラント証券投資情報室作成
今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
来週は米国でサイバーマンデーをむかえて、いよいよ年末商戦開始って感じだね。アマゾンは毎年20%前後ずつと驚異的な売上増を果たしているけれども、今年の年末商戦ではさらなる成功が期待できるかもしれない。フランスのテロなどで国際情勢に対する不安が高まっていて、旅行などの遠出や外出しての購買行動を控えるかわりに、自宅からちょっと高めの商品をネットショッピングで購入する人が増えるんじゃないかと考えてみたよ。一方でアマゾンに対する市場の成長期待もすごく強い気がするから、利益が上がっていれば業績が発表される前に利益確定したいところだね。
年末くらいまでの短期間での投資を想定しているので、イン・ザ・マネーで満期まではやや短めのものを選んでみたよ。
2ヵ月ほどを想定してるよ。
13円程度で売却したいね。
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アマゾン・ドット・コムコール49回
アマゾン・ドット・コムプット30回
アマゾン・ドット・コムプット28回
アマゾン・ドット・コムコール51回
アマゾン・ドット・コムプット32回
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プットくんが選ぶ〜注目銘柄
先日、サウジアラビアは他の原油生産国と共に原油価格の安定化に向けて協力すると発表したね。このニュースを背景に一時的に原油価格が上昇したよ。でも各原油生産国には違うインセンティブがあるので、そう簡単に協力して動けるとは思えないなぁ。大手通信社のアンケートによると、米国における原油生産量はまた上がりそうとのこと。供給過剰と原油安がまだしばらく続きそうだね。
保有期間に合わせて、レバレッジ3倍ぐらいで少し権利行使価格が高めにしたよ。
1ヵ月くらい
5円程度を目標にしたいね。
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ブレント原油先物リンク債_2016年9月限プット1回
日経平均コール893回
米ドルリンク債コール662回
サイバーエージェントコール49回
みずほフィナンシャルグループコール303回
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