ここからは、実際の例をみながら『リバランス』を体験してみましょう。

Aさんは160万円の余裕資金がありました。160万円全てを金融商品にするのは恐いけど、全額預金にまわすのも低金利なのでもったいない気がする。このような考えから、『分散投資』をすることにしました。色々な資産を投資対象にしたいと思ったAさんですが、以下のような条件で資産配分することを決めました。

（1）：日本人なので、日本株には投資したい
（2）：日本のREIT（不動産投資信託）にも投資したい
（3）：欧米など日本以外の先進国に投資したい
（4）：新興国にも投資がしたい
（5）：資源やエネルギ−関連の株に興味がある
（6）：金が話題になっているので、金も興味がある
（7）：レアメタルも新聞でよく目にするので投資したい
（8）：一部は預金にしておきたい

そこで、国内外のETFや日本の投資信託を活用して、以下のようなポートフォリオを作成し、各資産に等金額で投資をしました。

では、実際のデータを用いて、この1年間でAさんのポートフォリオがどのように変化したかをみてみましょう。 （ここでは、普通預金に入れた金額は１年間で変動しないものとする）

Aさんは1年間で30％近いリターンを獲得できており、この投資は大成功に思えます。しかし、今後1年間も同様のポートフォリオで運用することは問題ないのでしょうか？

1年後のAさんのポートフォリオは日本市場および先進国のシェアが相当大きくなっており、その一方で資源関連のシェアが相対的に小さくなっています。このタイミングで、大幅に上昇した日経225連動型上場信託などの一部を利益確定し、グローバル資源株ファンドなどの投資信託を買い増しをすることで、再び各資産の比率を均等化、つまり『リバランス』をすることで、改めてポートフォリオのリスク分散を図ることが可能になります。

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